良いところがあるから
「文字数って…悪魔ですね」いい加減文字数考えて書いて欲しいよね神無月です。
原作より真剣な方向へ行きました。背の事は明莉だけの問題だったのですが、「マザコンとフアザコン」についての回を一緒に解決させてしまおうという事で、涼太にも協力してもらいました。
明莉が今一掴めない曖昧なキャラクターで、口調とか性格も奇想天外なので、なりきって台詞を書くのが大変でした…。ごめんなさい。きっと本物の明莉はこうは言わないだろうと。
それ以前に考輝は「いいこと言うキャラ」ですよね(; そういうキャラみたいになってしまってますが…。
今回いつも以上に失敗です。
「えっ…。」
心の中を覗かれたかのように、明莉は桜にズバリと当てられた。
「まさかあ。そんなに抱えこまないよ。」
「いや、抱えているからまだ気持ちは晴れてない。そうでしょ?」
すっかり桜に気持ちを読まれ、もう嘘すらつけないまま、明莉は落ち着く事が出来なかった。
もし桜が自分の悩んでいた背の事を分かっていたら?それはあたしに対するイヤミか…」
「桜には言えない。分かってくれる筈、ないんだもん。」
「どうしてそう思うの?」
桜が強気になってのしかかる。
明莉の思い込みが、自身を侵食してゆく。
「桜には、あたしの気持ちなんて分かるわけない。」
「どうしたお前。」
考輝と隼人は「訳が分からない。」でも言った本人こそ、自分が何を口に出したか混乱していた。
「まあ、そう怒鳴るなよ。」
考輝も車内の人達に配慮して、このまま明莉が大声をあげないように抑えた。
彼女の方も、何とか噴火せずに済んだらしく、怒りの頂点までは達さなかったようだ。
「むむぅ。」
「えっ?私なんかした?」
桜は自分を指差して、他の3人に目を合わせた。しかし3人も、空気を読んだのか応えなかった。周りに座っている乗客が、5人の方に目を向けていない事も、幸いだった。
考輝が明莉を黙らせてから、しばらくの間は沈黙の空間。
何分か経ち、お互いに顔を見合わせないようにしていた。さっきの事を半分忘れて考輝は隼人と喋っていたし、涼太は1人で考え事をしていたし、桜は新曲の歌詞を覚える為に歌詞のノートを読んでいた。
明莉こそ1人の世界に居た。
珍しく、1人だけで頭を悩ませていた。
何もそこまで凹んでいる必要はなくとも、自分で後悔していた。
そしてさり気なく、口に出してしまっていた。
「ちっちゃいの…ヤダもん。」
「…?!」
小さなその一言は、誰も聞き逃さなかった。
「ちっ、ちっちゃいのヤダって?」
桜が尋ねると、明莉が少し大きな声で言い返した。
「だからー、小さいのがヤダって言ってんじゃん。…背が」
「え?」
桜は目をぱちくりさせて、明莉を見下ろさないように引っ込めた。
「ー‥うん、もういいよ。もう。」
「それが、悩みだったっていう事?えっ、そういう事?」
問いただそうとする桜には、もう話す気にもなれない。
「それはイヤミ?」
そんな風に強気に返す。
しかしここで、ドアにもたれかかって黙っていた涼太が、2人が言い争う中振り向いた。
「…いいじゃん。別に。」
それだけ呟くように言いかけると、また向き直った。
「いいじゃんって!あたし小さいからさぁ、羨ましいんだよ、大きな人がさ。」
何とか明るい気持ちに切り替えようとする明莉が、作り笑いを浮かべている。
けれどやっぱり振り向いてしまう涼太も、仕方ないとまた言う。
「…。オレ、デカいから。どうせ…。1度も小さいと言われないしどんなかも知らないし。まあそれがお前にとっての嫌みかもしれないけど、オレは小さくなってみたいんだ。」
「どういう事?小さくなりたいなんて。」
明莉は純粋に疑問を抱く。
「まあ今まで邪魔ばっかり言われてきたかられたというか。昔だって特別大きい訳でもないけど、そんでもまあ…。」
話を聞きつつも喋っていた考輝が、1つスパッと切り裂く。
「要•す•る•に、だ。コイツ(明莉)は大きくなりたくて、オマエ(涼太)は小さくなりたいんだな?」
「うん。」
涼太と明莉が同時に返事した。
「じゃあドラえ…」
イマイチ真剣ではない隼人が、ウケを狙ったが、考輝も軽いツッコミをした。
「だけどな、もしもだ。明莉がデカくなったら?それも人気出るか?」
そして、少し顔を赤らめて
「…それに、可愛くなくなるし。今の方がいいというか…。」
そう付け加えた。というよりは…
涼太の方を向いてはこう説得させる。
「っははは、お前さぁ~、大体にして間違ってるだろ。こっちの悩みは言う事無い位…バカげてるけどな。小さくなって1日2日ならいいけどよ、毎日見下ろされるんだぜ。」
説明のしようもない、そう彼は思っていた。確かに涼太のような身長が自分にも欲しいとかは1度は思っていたはず。
「だからな、ずっとやってきた俺らは文句言わない、言ってない。だろ?」
わざと問い、それから答えを言う。
「それだけ今のお前らの良いところを知ってるからだし、逆に直せる部分っつーかそこも言える。良さがあるからそんな事気にならないし…。」
「そか…そうだよね!」
ようやく明莉は、明莉らしい笑顔を取り戻した。高速で取り戻せるからこそ明莉。
「まあなチビ涼太なんか変だよな。」
気付くとにぎやかさを取り戻した、5人の輪ができていた。
彼らの悩みはもう、心の中から消えていた。
ごめんなさいKRASH。
作者がクラッシュされてしまった感じです。まあ文字数のせいでまとまらないんですね。
読んで頂きありがとうごさいます。
今後、また誰の会話か分からなくならないように気をつけます。
遅くなりましてすみません。




