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KRASH!  作者: 神無月楓
スプリングの超多忙生活
21/88

良いところがあるから

「文字数って…悪魔ですね」いい加減文字数考えて書いて欲しいよね神無月です。

原作より真剣な方向へ行きました。背の事は明莉だけの問題だったのですが、「マザコンとフアザコン」についての回を一緒に解決させてしまおうという事で、涼太にも協力してもらいました。

明莉が今一掴めない曖昧なキャラクターで、口調とか性格も奇想天外なので、なりきって台詞を書くのが大変でした…。ごめんなさい。きっと本物の明莉はこうは言わないだろうと。

それ以前に考輝は「いいこと言うキャラ」ですよね(; そういうキャラみたいになってしまってますが…。

今回いつも以上に失敗です。

「えっ…。」

心の中を覗かれたかのように、明莉は桜にズバリと当てられた。

「まさかあ。そんなに抱えこまないよ。」

「いや、抱えているからまだ気持ちは晴れてない。そうでしょ?」

すっかり桜に気持ちを読まれ、もう嘘すらつけないまま、明莉は落ち着く事が出来なかった。

もし桜が自分の悩んでいた背の事を分かっていたら?それはあたしに対するイヤミか…」

「桜には言えない。分かってくれる筈、ないんだもん。」

「どうしてそう思うの?」

桜が強気になってのしかかる。

明莉の思い込みが、自身を侵食してゆく。

「桜には、あたしの気持ちなんて分かるわけない。」

「どうしたお前。」

考輝と隼人は「訳が分からない。」でも言った本人こそ、自分が何を口に出したか混乱していた。

「まあ、そう怒鳴るなよ。」

考輝も車内の人達に配慮して、このまま明莉が大声をあげないように抑えた。

彼女の方も、何とか噴火せずに済んだらしく、怒りの頂点までは達さなかったようだ。

「むむぅ。」

「えっ?私なんかした?」

桜は自分を指差して、他の3人に目を合わせた。しかし3人も、空気を読んだのか応えなかった。周りに座っている乗客が、5人の方に目を向けていない事も、幸いだった。


考輝が明莉を黙らせてから、しばらくの間は沈黙の空間。


何分か経ち、お互いに顔を見合わせないようにしていた。さっきの事を半分忘れて考輝は隼人と喋っていたし、涼太は1人で考え事をしていたし、桜は新曲の歌詞を覚える為に歌詞のノートを読んでいた。


明莉こそ1人の世界に居た。

珍しく、1人だけで頭を悩ませていた。

何もそこまで凹んでいる必要はなくとも、自分で後悔していた。

そしてさり気なく、口に出してしまっていた。

「ちっちゃいの…ヤダもん。」

「…?!」

小さなその一言は、誰も聞き逃さなかった。

「ちっ、ちっちゃいのヤダって?」

桜が尋ねると、明莉が少し大きな声で言い返した。

「だからー、小さいのがヤダって言ってんじゃん。…背が」

「え?」

桜は目をぱちくりさせて、明莉を見下ろさないように引っ込めた。

「ー‥うん、もういいよ。もう。」

「それが、悩みだったっていう事?えっ、そういう事?」

問いただそうとする桜には、もう話す気にもなれない。

「それはイヤミ?」

そんな風に強気に返す。


しかしここで、ドアにもたれかかって黙っていた涼太が、2人が言い争う中振り向いた。

「…いいじゃん。別に。」

それだけ呟くように言いかけると、また向き直った。

「いいじゃんって!あたし小さいからさぁ、羨ましいんだよ、大きな人がさ。」

何とか明るい気持ちに切り替えようとする明莉が、作り笑いを浮かべている。

けれどやっぱり振り向いてしまう涼太も、仕方ないとまた言う。

「…。オレ、デカいから。どうせ…。1度も小さいと言われないしどんなかも知らないし。まあそれがお前にとっての嫌みかもしれないけど、オレは小さくなってみたいんだ。」

「どういう事?小さくなりたいなんて。」

明莉は純粋に疑問を抱く。

「まあ今まで邪魔ばっかり言われてきたかられたというか。昔だって特別大きい訳でもないけど、そんでもまあ…。」

話を聞きつつも喋っていた考輝が、1つスパッと切り裂く。

「要•す•る•に、だ。コイツ(明莉)は大きくなりたくて、オマエ(涼太)は小さくなりたいんだな?」

「うん。」

涼太と明莉が同時に返事した。

「じゃあドラえ…」

イマイチ真剣ではない隼人が、ウケを狙ったが、考輝も軽いツッコミをした。

「だけどな、もしもだ。明莉がデカくなったら?それも人気出るか?」

そして、少し顔を赤らめて

「…それに、可愛くなくなるし。今の方がいいというか…。」

そう付け加えた。というよりは…

涼太の方を向いてはこう説得させる。

「っははは、お前さぁ~、大体にして間違ってるだろ。こっちの悩みは言う事無い位…バカげてるけどな。小さくなって1日2日ならいいけどよ、毎日見下ろされるんだぜ。」

説明のしようもない、そう彼は思っていた。確かに涼太のような身長が自分にも欲しいとかは1度は思っていたはず。

「だからな、ずっとやってきた俺らは文句言わない、言ってない。だろ?」

わざと問い、それから答えを言う。

「それだけ今のお前らの良いところを知ってるからだし、逆に直せる部分っつーかそこも言える。良さがあるからそんな事気にならないし…。」

「そか…そうだよね!」

ようやく明莉は、明莉らしい笑顔を取り戻した。高速で取り戻せるからこそ明莉。

「まあなチビ涼太なんか変だよな。」


気付くとにぎやかさを取り戻した、5人の輪ができていた。


彼らの悩みはもう、心の中から消えていた。

ごめんなさいKRASH。

作者がクラッシュされてしまった感じです。まあ文字数のせいでまとまらないんですね。

読んで頂きありがとうごさいます。

今後、また誰の会話か分からなくならないように気をつけます。

遅くなりましてすみません。

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