伝説的アイドルの庶民的日常
こんにちは。空想好きな神無月です。
妄想、というとなんかいいイメージじゃないので・・・。
空想上手な方が読むのをおすすめします。この物語はあくまで架空ですので(特に作者の気ままな空想)そういう事もついていける方に是非!というところです。
お暇があれば読んでいただきたいです。
学校に来ていつも嫌なのは.クラスの女子がやたらうるさく喋ることだ。それも.もう何度閨いた話だったろうか。
「ねぇねぇ、今度東京でコンサートあるんだってね!ヒマだったら行かない?」
さすが都会はすばらしいなと思っていた。明莉にとっては大変な迷惑だったが。
「明莉は?行かないの?」
「うん...。私、その日用事があって行けないんだ~ごめんね!」
そう振り切るのがいつもの明莉だった。
中学生の女子なんてそんなもんだ、とにかく自分も女子の癖に...と思っていた。
明莉の通う都内のとある中学校では、今あるアイドルグループが流行っていた。
それは明莉も知っていたし、嫌いではなかった。むしろ好きな方だった。わりと古い曲が好きな自分としては、まだ時代にのれている方だと思いこんでいた。
クラスではアイドルの好みの片寄りが半端ではなかったから、偶に明莉もついていけない時があるが、それでも友達はまあまあいた。
でも結局、私立中学の14歳になっても小学生時代のクラスメートがいちばんの友達だった。
「なに~また、クラスのみんなに言われたの?」
「うん....いい加減言わない?さもないとバレる日も遠くはないよっ」
結構金持ちもいる学校のクラスの中では一際優雅に見える、明莉の友達。
彼女の名は、杏野桜。
「え、そうかな?そうでもないよ。まだ誰も知らないよ。多分ね。」
背も高くて頭がよくてメガネをかけていて…イメージとして実際バレエを習っている経験アリの子。
「それにしても最近人気だよね。
…KRASHって。」
ああもういいや…校内はKRASHの話ばかりで埋め尽くされる程熱狂的ファンが増えていた。
そもそもKRASHとは、結成してまだ2年の5人組アイドル。現在14歳という若さで、主に中学生高校生に人気がある。
話を聞いていれば、女子は
「いやぁうち、HAYATO好きだよ~」
このHAYATOという人物についても、明莉は知っていた。かなりキャラも濃い男子だった。
KRASHのリーダーであり、運動神経抜群のダンス、歌唱力共に優れた人だ。かっこいいキャラ(本当に格好いい)為、女子には人気だった。
「あ、今日は生徒会あるからね、忘れないでよね。」
丁度そこへ、明莉に別の生徒が言った。
「はぁ…今朝から何か疲れたよ。怖ぇなあ。ま、人気なのは嬉しいんだけどな。」
「あら、隼人。」
話しかけてきたのは、前髪をアップにして、制服のボタンを1番上だけ空けているチャラチャラな格好をした男子生徒、沢渡隼人だった。
「バレるバレるなんて考えるから、余計怪しく思われるんだよ。」
「いやでも限界あるぞ?何度HAYATOに似てるなんて言われた事か。」
隼人…この名に見覚えはあるだろうか。
もうお気付きの通り!この隼人の正体は、KRASHのリーダー、HAYATOなのだ。
「あっそ、ああでもだからってねえ、桜も言われたってね。似てるってー」
明莉が言っている人は、KRASHのメインボーカルを務める女子メンバー、SAKURA。周りで囁かれる程その可憐なSAKURAに似ている、と。まず彼女の歌声も見た目もそっくりそのまま。桜の事である。
そしてー…
「アハハ、ひっどいなぁ~、それならあたしだって色々いわれたよ?だからお互い様だよ。」
いつでも明るい性格の明莉は、同じキャラの盛り上げ役、下の年齢に大人気のAKARIだった。
3人はこうしてKRASHファンから姿がバレないようにしている日々を生活している。
よく見れば、「KRASH」もメンバーの頭文字からとっているのだ。
全員14歳、全員この学園の生徒のアイドル「KRASH」。一体どんな活動をしているのか?そして彼らの活躍とは。中学2年生になったばかりの学校生活と、もう1つは5人のアイドルとしての日常。
その裏表でぴったり重なる人生が、今ここで始まるのだった。