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弾丸の雨を降らせたい  作者: 代永 並木


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7/30

第6話 鍛冶師

 翌朝(よくあさ)、目を覚まし顔を洗い歯を磨き、椅子に座って今日分のバイトをササッと終える。

 簡単な在宅バイトでは、余り(もら)えないが収入ゼロよりはマシ。

 一食分になれば充分くらいで考えている。


「よし、終わり。それじゃやるかな」


 ヘッドギアを装着して、ベッドに横になりVR装置を起動する。

 ゲームを選択すると視界が変わり、ゲーム内の景色に変わった。

 空を見上げるとゲームとは思えない程、綺麗な青い空が広がっている。


「綺麗だな」


 ……最初は鍛冶師になる為の金槌か。武器屋は……こっちからだとどう行くんだろ。


 メニューでマップを開く。

 武器屋を見つけて方向を確認して歩く。

 他に()る場所は無いので真っ直ぐ。


 ……普通の村人もAI搭載されてるのかな?


 すれ違う村人達を見て考える。

 武器屋や道具屋のようなNPCにAIが搭載されているのは分かるが、一般の村人にも搭載されているのか気になる。

 昨日は見ても気にしなかったが、行動パターンが固定という感じでは無い。


「気にはなるが話しかける勇気は無いな」


 武器屋に着き扉を開ける。

 昨日と同じで男性がカウンターに立っていた。

 彼は武器の手入れをしていて、こちらに気付いていない。


 話しかける前に俺は店内の壁に視線を向ける。

 そこには、綺麗に(みが)かれている武器や防具が立て掛けられていた。

 皮で作られた防具や石で作られた剣、鉄製っぽい装備と色々と並べられている。


 ……本物みたい。


 ゲームのグラフィックで、再現されているとは思えないくらいの本物感がある。


「おっ、嬢ちゃん、矢が足りなくなったか?」


 手入れを終えた男性がこちらに気づいて話しかけてきた。


「矢では無く、金槌と弾丸の材料を買いに来た。売ってると聞いたんだけどある?」

「おっ、鍛冶師希望か。勿論(もちろん)、売ってるぞ」


 男性はウィンドウを開く。

 そして、指を動かして操作をしたかと思うと彼の手元に金槌が現れる。


「これだ、値段は50ゴールドだ」


 メニューを開き50ゴールドを取り出してカウンターに置く。

 日曜大工とかで見た事がある金槌だ。変哲(へんてつ)も無い普通の金槌の見た目をしている。

 ファンタジー感は無い。


「50ゴールドピッタリと、後は弾の材料だったな。材料は2つあって軽鉱石(けいこうせき)火薬(かやく)だ。1セット4ゴールドだ」


 ……弾は2種類のアイテムを使うのか。覚えておこう。


 掛かる費用が4ゴールドなのは、攻略サイトに書いてあった通りだ。


「1セット1発だよね?」

「そうだ」

「なら多めに買おう。40セットで」

「おぉ、40も買うのか」


 一先ず40セット購入する。

 初期配布分の金も幾らか使うが、モンスターを倒して金を(かせ)ぐから問題ない。

 目の前にウィンドウが現れる。


『軽鉱石×40、火薬×40購入しますか? YES NO』


 ……普通にゲーム的な売り買いも出来るんだ。


 金槌を買った時はアイテムを出していたから、このゲームはそう言うやり方なのかと思ったら違ったようだ。

 これも自由度が高い証拠(しょうこ)だろう。どちらのタイプも好きな人は居そうだ。

 YESを押して購入が完了する。

 インベントリからゴールドが減りアイテム欄に軽鉱石と火薬が入った。


「軽鉱石以外の鉱石を使っても弾丸を作れる?」

「あぁ、弾丸の材料になる鉱石は何個かあって軽鉱石、中鉱石(ちゅうこうせき)重鉱石(じゅうこうせき)が主だ。ただ鉱石によって弾の性能が変わる」

「他には無いのか?」

「あるとは聞くが、詳しくは知らない」


 ……知らない? 未実装(みじっそう)だからかイベント系の奴なのかな。一先ずこの3つか。覚えやすくて助かる。


 武器屋NPCが知らない情報となると、一般で出回らないタイプの鉱石か、意図的に運営が伏せているか。

 どちらにしろ、今は知る手段がないから後回しで良い。


「火薬の方は?」

「種類があるとは聞いた事はあるが知らないな」

「成程、なら基本は火薬とその3つの鉱石で弾丸をか」

「中鉱石以降は、鍛冶師のレベルを上げると加工出来るようになる。今だと軽鉱石だけだ」

「レベルを上げる方法は?」


 聞ける情報は聞いていく。

 そして、聞いた内容をゲーム内にあるメモ機能に書き記す。


「弾丸を作る、矢を作る、武器を作る、武器を強化するなどを(おこな)うと経験値(けいけんち)()まって可能だ」

「有難う、助かった」

「レベル上げ頑張れよ」


 店を出てベンチに座る。

 そして、金槌を手元に出す。

 すると、小さなウィンドウが現れる。


『サブ職業、鍛冶師の解放条件を達成しました。鍛冶師になりますか? YES NO』


 YESを押す。

 金槌が軽く光って、ステータスが見れるようになった。


 鍛冶師 レベル1

 一部のアイテムが制作可能

 インベントリ内の素材を使って道具を制作


 と書いてあった。

 これでサブ職業鍛冶師に成れた。


「なら早速、弾を作るか」


 金槌を手に持ち鍛冶師の能力を使う。

 ウィンドウが現れて、そこには加工アイテムとその材料の一覧が並んでいる。

 唯一(ゆいいつ)材料が揃っている軽弾丸を選択して制作数を決めると、目の前に軽鉱石と火薬が現れた。


「これを金槌で叩くのか」


 金槌で軽く叩く。

 カンッと叩いた音が(ひび)いて、弾丸に変化した。

 目の前の弾は消えて、40発の弾丸がインベントリに入った。


「よし、弾は増えたし狩りに行こう」


 街の外に向かって歩く。

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