第26話 狩人の服
「完了、これどうかな?」
ヒョウが戻ってきて、防具を見せてきた。
見てみると、ファンタジーの狩人が着けているような防具だった。
初期防具の皮の鎧感は無くなっていて、身軽そうな服装。
「おぉ、良いね」
装備欄を開いて、着替える。
サイズはピッタリ合う。
初期防具よりは軽くなった感じがする。
……狩人っぽい服装だけど、マントが無いと結構印象違うな。マントはボスが落とすし狙うか。
ファンタジーの狩人は、マントらしき物を着けてるイメージが強い。
今の服には付いてないから、ボスからのドロップを狙うのもありだろう。
見た目に拘りは無いが、しっくりと来るかは大事。
「防具の性能は変わってないから、気をつけて」
「完全に見た目だけ変更か。需要はありそう」
「需要あるよ。レベル高い人達は金策に使ってるらしいから」
「あぁ」
先程、見た値段を思い出し納得する。
確かに、あれが売れるなら、高レベルの仕立て屋ともなればかなり稼げそうだ。
「装備を更新して見た目を変えたくなったり、別の見た目にしたいなんてあれば、仕立て屋に来たら誰かしら居るから対応してくれるかも」
今も仕立て屋らしきプレイヤーが、何人も店の中に居る。
金策に使えると考えたら、仕立て屋をサブ職にしてる人は多そうだ。
人が多いのは良い事だが、問題もある。
「結構値段かかるでしょ?」
金策に使えると言う事は、作った物が高額で売れると言う事だ。
性能の無い見た目防具は比較的安かった。
だが、注文となれば、それが幾らになるかは分からない。
「うーん、それは物と人によるかな。相当厄介な作りの物じゃなくて、見た目だけなら行っても1万ゴールドとか、安いと2000ゴールドとか?」
……2000かぁ。ボス周回とか頑張ればギリ?
金策が出来れば、余裕で集まる金額だろう。
しかし、銃使いには弾代が掛かると言う欠点がある。
戦えば戦うだけ、出費が増える。
今は軽鉱石を採取出来るようになったから、出費を抑えられるようになったが、それでも1発2ゴールド掛かる。
「まぁ、金に余裕が出来たら考えるかな」
「それが良いね。僕の手が空いてる時なら安く見た目変更してあげる。どんな見た目にしたいかは参考資料あればやり易い」
「その時は是非頼みたいな」
装備を更新した時、ボス素材で防具を作った時なんかは頼みたいところ。
ファッションのセンスが無いから、多分防具は適当に作る。
それでも良いが、折角安く変えられるなら変えるのも悪くない。
「それじゃ僕は仕立て屋でやる事あるから、ログイン中に何か用あったらメッセージ飛ばしてね」
ヒョウはそう言って、店で売ってる布を見に行く。
仕立て屋の店に用は無くなった為、店を出て大通りに出る。
……この辺でログアウトするか。
ログアウトボタンを押して、ログアウトする。
装置を頭から外して、ベッドの近くの机に置く。
夕方を少し過ぎた時間だ。
風呂やら食事やらの準備を始めるのに、丁度良い時間。
ググッ、と身体を大きく伸ばす。
「長時間同じ体勢は辛いな。次やる時は定期的に休憩挟むかぁ」
仰向けとは言え、ずっと同じ体勢で居た。
この身体は幼いとは言えど、流石にきつい。
それに長時間同じ体勢と言うのは、身体に悪い。
……ストレッチするかぁ。
ベッドの上で、その場で出来る簡単なストレッチを行う。
「明日は午後からやるか。ボス周回だな。レアドロも狙うから……明日は周回だけになりそう」
レアドロップアイテムは、ゲームの確率によるが本当に出ない時は出ない。
レアドロ狙いで数時間、沼るなんてのはよくある話。
ゆっくりと風呂や食事を堪能した後、適当に動画を見て時間を潰し眠りにつく。
沼る
この場合の沼るは、何度敵を倒しても欲しいアイテムが出ない事。




