第24話 針
何体かのローロバードを倒して進む。
軽鉱石を集めつつ、道に迷いつつ、頂上へ着いた。
周囲が岩に囲まれた大きなエリア。
エリア内にも、数本の鋭い岩が生えている。
「ここか。あの中心に行くと出てくるのかな」
エリアに入らずに見渡すが、モンスターの姿は見えない。
ここのボスはエルルバード、名前からして鳥類系のモンスター。
上空から来るパターンだろうか、空を見上げる。
「上にも居ないな。何処だ?」
上空にもモンスターの姿は確認出来ない。
何処にいるのだろうか。
インベントリを開いて、弾丸の数を確認する。
一戦出来るくらいの数はある。
折角、頂上に来たのだから戦うのもあり。
……攻撃を外す事を考えても、余裕はありそうだけど……折角なら、採取した鉱石で弾を作ってからにするかな?
頂上に着くまでに結構な量を採取出来た。
道に迷って見掛けたら取るを、繰り返していたから自然と集まっていた。
この数に合う火薬を購入すれば、弾丸に加工出来る。
そうしてから、挑む方が弾数は安心。
「今回はルート確認、戻るか」
弾が切れると、戦闘手段が無くなる。
そうなったら負け確定、もしギリギリで勝てたとしても弾が無ければ、無事に街に戻る事も出来ない。
デスペナルティは無いと思っているが、まだモンスターとの戦闘での敗北は、体験していないから確実とは言えない。
よくある所持金の一部が減るのも、このプレイ方法では死活問題。
リスクを取る事を避けて、頂上から降りていく。
その際、地形を確認して最短距離を調べる。
「ここよりあっちの方が短そうだな。こっち行ってみるか」
敢えて、来た道以外の行き止まりでは無い道を進む。
距離が短い道を見つけたり、モンスターが複数湧いてる道を見つける。
銃を構えて戦闘を行う。
旋回中のローロバードを偏差撃ちで一体を撃ち落とす。
旋回を辞めて急接近してきた一体に、回避からの反撃で一撃を叩き込む。
動きは早いが、直線的な動きが多く狙い易い。
「ここは距離は短いがハズレの道だな。モンスターが多い」
攻撃を避けて撃つ。
ローロバードを倒し終えた。
落ちてきたドロップアイテムを回収する。
……現在地はここか。ここは無し。
マップの現在地にバツの印を付けて、一目で分かるようにしておく。
モンスターが少ない道を見つけて、丸の印を付ける。
道中で余り見掛けなかったのは、偶然少ない所を通っていたからのようだ。
運が良い。
……ここにはローロバード以外のモンスターは居ないのか?
他のモンスターを見掛けていない。
そう言えば、1つのマップにつき1種類のモンスターしか見ていない。
そう言う仕組なのか、序盤の街だから種類が少ないのか。
……種類多すぎてもクエストで素材が必要になった時、面倒だから良いけど。
下山して、ローロに戻り武器屋で、火薬だけ買う。
今ある軽鉱石分よりも多めに買っておいて、頂上に向かう時にまた集める。
ベンチに座って、弾を制作する。
……向かうのは明日にするかな。
今日は、結構な時間プレイしている。
時間に余裕はあるが、疲れてきた。
この状態で、ボス戦をしても集中力が持たなそうだ。
「あっ! 戻ってきてたんだ」
「うん? あぁ、そっちは無事クエスト達成出来たみたいだな」
声を掛けられ、振り返るとヒョウが居た。
暫くローロに居ると言っていたが、まさかこんな早く会うとは思わなかった。
ヒョウは隣に座る。
「無事達成! 欲しかったアイテムも手に入ったんだ」
そう言って、銀色の針を手元に出す。
「針? 仕立て屋で使う道具か?」
「そう、仕立て屋のスキルに補正が入る道具、入手法がこのクエストしか無くて、挙句寄り道するわモンスター多いところ行くわで散々」
「それは大変だな」
厄介なタイプの護衛クエストだったようだ。
それだけ、あの針は良い報酬なのだろう。
鍛冶屋にもあるのだろうか。
「譲渡不可アイテムだから他の人から借りる事も出来ないし……と、それは置いといて、ちょっと時間ある?」
「時間? あるけど」
「なら、お礼として服の見た目を変えさせて」
「服の見た目か。別にいいぞ」
初期防具の見た目に拘ってはいない。
大方、針の性能を知りたいのだろう。
時間もあるし、どんな物なのか知りたいから丁度良い。
「なら、仕立て屋の店に行こう。近くにあるから案内するよ」
ヒョウの案内を受けて、仕立て屋の店に向かう。




