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弾丸の雨を降らせたい  作者: 代永 並木


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第21話 護衛クエストに参戦

 聞こえた声に耳を(かたむ)ける。


「多過ぎ! 推奨(すいしょう)レベル間違ってるって!?」


 少女のような声だ。

 声からして、困っているように感じる。

 こんな場所で困ると言えば、モンスターに襲われているのだろう。


 ……どうするかな。


 助けに行くのもありだけど、助けを求めていない場合、入って良い物なのか。

 それが分からないから困る。

 善意(ぜんい)でも、タブーを踏み越えて問題になるなんてのは良くある話。

 善意が必ずしも良い方向に行くとは限らない。

 少し悩んだ後、答えを出した。


「よし、見に行くか」


 取り敢えず、見に行って確認をする。

 野次馬(やじうま)になる気は無いから、助けを求めてなさそうなら直ぐに離れる予定。

 声のした方向に歩いていき、声の主が見える位置に着いた。

 少女アバターらしきプレイヤーが、必死に2本の短剣(たんけん)で戦っていた。

 相手はローロバード、5体。

 上空で旋回(せんかい)し、順番に上空から急接近して、攻撃を仕掛けている。

 上手い連携(れんけい)だ。プレイヤーからすると厄介(きわ)まりない物だ。

 プレイヤー側は見た限り1人、数的不利が苦戦(くせん)の理由だろう。

 1対5はきつい。

 攻撃を避けて、短剣で切り掛かるが空振(からぶ)っている。


「あっ、軽鉱石の塊だ」


 丁度、自分が居る所の隣に塊があったので、ツルハシで採取する。

 横から振って鉱石の体力を削っていく。

 これは決して煽りでは無い。

 複数のプレイヤーが同じ場所で活動するMMOなら、戦闘中の近くで採取は良くある事だ。


「ひぃぃ」


 ……別の声?


 別の声も聞こえ、採取の手を止めて声のした所を見る。

 すると、少し離れた場所で(ふる)えている人が居た。

 近くに馬車もあり、着ている服からも商人のNPCだと分かる。

 事情(じじょう)が分かった。


 ……あぁ、護衛(ごえい)クエストか。


 NPCを一定時間或いは一定エリアを進み終えるまで護衛するクエスト。

 ほぼ必ず道中にモンスターが湧いて、襲ってくる戦闘不可避(ふかひ)の物が多い。

 先程、推奨レベルと言っていたのは、クエストの推奨レベルの話だったようだ。

 1人であの数から守り抜くのは、大変だろう。


 ……クエストだと余計無理だよな。


 他プレイヤー乱入(らんにゅう)は、クエスト失敗扱いになるかも知れない。

 このゲームの仕様が分からないからこそ、無闇(むやみ)参戦(さんせん)は出来ない。

 採取を再開して、軽鉱石を4個手に入れた。

 参戦出来ないのに、ずっと近くに居るのは迷惑になる。

 来た道を戻り別の道に行こうと歩き出す。


「そこのプレイヤーさん! 手助けしてくれない?」


 振り返ると、あのプレイヤーがこちらを見ている。

 周囲を見るがプレイヤーどころか人は、自分以外に誰も居ない。

 つまり、自分に声を掛けたようだ。


「他プレイヤー参戦で、クエスト失敗にならないのか?」


 念の為に、確認をする。

 あれだけ苦労して、参戦したらクエスト失敗だったら可哀想(かわいそう)


「ならない! 少し報酬が減るだけ!」


 直ぐに返答が帰ってくる。

 焦っているようだ。

 クエスト時間か、体力が少ないのか。


 ……そう言うシステムなのか。なら良いか。


 銃を構える。

 ローロバードは、旋回か急降下しているせいで、狙いづらい。

 その上、今の場所からだと遠過ぎる。

 当てられるか不明。

 無駄弾は使いたくないから撃たずに下ろす。


 ……近付くか? いや、標的分散するか分からないし近接職の近くは邪魔になるか。


 近くで戦うと、近接職からすると戦いづらいだろう。

 プレイヤーキルが出来るこのゲームでは、意図しなくても攻撃が当たればダメージになる。

 邪魔にならず、尚且(なおか)つ当てられる距離で狙いを定められる場所。

 良い場所が無いか素早く探す。

 そして、良い場所を見つけた。


「もう少し耐えて」


 ()け出して、後ろを通り真っ直ぐに向かう。


「ひぃぃ」

「ちょっと借りるよ。あと静かにして」

「は、はい」


 馬車の荷台の上に飛び乗って構える。

 足場としては、余り良い場所では無い。

 ただ、地面よりは空に近付いた。

 狙いを定める。

 少し見た限り、ローロバードの旋回速度と軌道のパターンは同じ。

 つまり、予測(よそく)撃ちが可能。


 ……確実に当てるには3点バースト――いや、この距離は単発だな。


 3点バーストでは距離が広がれば拡散する。

 単発より狙った場所に飛ぶ率は低い。

 位置調整をして発砲する。

 弾は少し横を通り外れた。

 修正(しゅうせい)して発砲、また外れる。


 ……少し(なな)めに修正、ここかな。


 更に修正して撃つ。

 命中して、一体のローロバードは光の粒子となって消滅する。


「命中、感覚(つか)んだ」

「あの距離、当てたの凄っ」

「感心してないで、ほら回復」


 回復薬を投げて渡す。

 手元に有る無いを確認してる暇は無いから、取り敢えず投げる。

 もし持ってたらその分、返して貰えば良い。

 再び旋回中のローロバードに狙いを付ける。

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