第13話 カスタム後の銃
弾丸に余裕があるのを確認して、周回を開始する。
慣れてきて攻撃を全て避け、1発も外さずに仕留められるようになった。
攻撃のモーションは覚え、攻撃を入れられるタイミングももう記憶している。
油断せず、焦りもせず落ち着いて戦う。
森主スライムを数回倒して、インベントリを確認する。
……今素材は――22個か。素材はこのくらいあれば充分だよな?
素材が充分手に入ったと考え、一旦街に戻る。
戦い続けて弾数も少なくなった。
そろそろ補充しないと戦闘が出来なくなるから、丁度良いタイミング。
道中でスライムを何体か狩り、少しでもゴールドを稼ぐ。
「確か鉱石も素材に出来るんだっけか。なら軽鉱石を混ぜるか」
軽鉱石は1つ2ゴールドで安い。
混ぜても性能は大きく上がらないだろうけど、素材が多ければ銃を大きく出来る。
威力も弄れるのなら、ハンドガンよりサブマシンガンやアサルトライフルの方が強い。
あと単純に、そっちの方が銃を使ってる感が強くなる。
武器屋に行き、まずは弾丸の材料セットを買い、ついでに軽鉱石を多めに購入する。
ベンチに座って、カスタム画面を開く。
まず、どの程度まで大きく出来るかを確認する。
そんなに大きく出来なそうなら、軽鉱石かスライムのドロップアイテムでかさ増しを考える。
「今の材料だと小型のライフルか、サブマシンガン辺りの形になるか。充分だな」
今、特に武器を超巨大にしたい訳でも無いから、素材はこれで足りるようだ。
本体カスタマイズのボタンを押すと、別の画面に移る。
「この時点で自分で好きな見た目に出来るのか。それは助かるな」
……なら単発とフルオート機能付きのサブマシンガンにするかな。
形状を考えて、画面を操作して大体の形を作る。
時間を掛けて作っていく。
満足行く形になった後、森主スライムの粘液と軽鉱石を銃の上に置いて金槌で叩く。
2つの素材が銃に混ざり、形が変わっていく。
「よし、成功」
思い通りの形に改造が成功した。
形状としては、P90と言う銃を参考にして近い形状にしてみた。
銃の中でも登場するゲームが多く、見た事があり見た目が好きと言う理由だ。
見た目が近いだけで内部の機構を、完全再現した物では無い。
そう言った専門知識までは、持ち合わせていない。
……P90ってサブマシンガンじゃなくて、PDなんちゃらって分類だった気がするけど、まぁそこは良いや。
改造後のステータスを確認する。
性能によっては作り直しが必要になるから、ここが重要だ。
「攻撃力は15+5%か。最初が5だから3倍以上になったのか。連射機能も付けたからレベル高い相手でも戦いやすいかな」
攻撃だけで無く、敏捷にも2%の補正があるようで中々の性能となった。
数値は低いが、武器で敏捷も上がると言うのは、かなり有難い。
流石はボス素材を22個注ぎ込んだだけはある。
定期的に素材をアップグレードして行けば、長持ちしそう。
「よし、新武器をスライムで試し撃ちするか」
街の外に出て、少し遠くに居るスライムに狙いを定める。
昔、動画で見た事がある銃の構えを取る。
サイトも付いている為、サイトを覗いて照準を合わせて発砲。
引き金を引いた瞬間、肩に衝撃が来る。
「うおっ……思ったより反動大きいな」
反動がハンドガンの時よりも大きく、肩に響く。
ただ連射出来ない程の反動では無い。
スライムの方に視線を向けると、当たったようで倒していた。
「狙い撃つなら今みたいにちゃんと構えた方が良さそうだな。この距離で狙って当てれるならやりやすいな」
ハンドガンの時と感覚がかなり違う。
何体か撃って感覚を慣らす。
元々一撃で倒せていた攻撃力が上がった感覚は無いが、サイトを付けている事で狙い易くなった事は実感出来る。
これだけでも素材を使ってカスタマイズした甲斐があった。
森に行き森主スライムと戦う。
折角だからと、フルオートに切り替える。
攻撃を躱して、素早く構えて撃つ。
小刻みな反動とダダダッと言う銃声がする。
森主スライムの体力がみるみるうちに減っていき、攻撃の隙1回で倒せた。
直ぐに引き金から手を離し銃を下ろす。
今までは気にならなかった火薬の匂いが、鼻を刺す。
……おぉ、まじか、溶けたよ。
攻撃力が上がっている、フルオートである事を加味しても、今までの戦いがなんだったのかと思う程の楽さであった。
ドロップ品を見ると森主スライムのイヤリングがドロップしていた。
周回していたから出てもおかしくはないが、2個目が落ちるなんて運が良い。
性能も良いアクセサリーだから有難い。
アクセサリー枠に装着すると、耳に掛かる負担が増えた気がする。
触って確認すると、小さいスライムの飾りが縦に増えているのが分かった。
元々は森主スライムデザインの小さい飾りが1つだけだったが、それが1個増えたようだ。
……そう言う増え方するのか。面白いな。あっ、弾はどうなってる?
インベントリを確認する。
すると、弾が想定よりも減っていた。
フルオートの欠点が浮き彫りになった。
溶けた
体力が一気に削れた時に使うゲーム用語。
PDなんちゃら
PDWの事。




