第12話 隠し要素の可能性
ボスエリアから出た後、時間を確認する。
13時3分、ちょっと遅いが昼飯に良い時間だ。
……一旦周回辞めて、昼飯にするか。うーん、何あったっけ。
その場でログアウトして、ヘッドギアを外す。
ベッドから起き上がり、トコトコと冷蔵庫に向かう。
冷蔵庫を開けると、冷蔵庫の冷気が流れ込む。
ぶかぶかの服がズレて出来た隙間を通り、肌を撫でた。
……寒い。服がズレてたか。
寒さで軽く身震いをする。
ズレた服を軽く戻して、冷蔵庫の中を見ていく。
「あぁ……無いな。卵だけかぁ」
調味料類ばかりで、精々卵があるくらい。
卵かけご飯も頭に浮かんだが、ご飯を炊いていない為、無理。
米はある筈だから炊けるけど、時間が掛かる。
あと単純に面倒臭い。
卵があるから、目玉焼きは作れるけど、目玉焼きだけでは流石に腹は膨れない。
……パックのご飯は……そう言えば買ってないな。
昔は買っていたが、ここ最近は買わずパンやカップラーメン系メインで食べていた。
「買いに行くか……あぁ、いや冷凍食品があった気がするな」
前に安くなっていた時に、買った冷凍食品が何個かあった筈と思い出す。
扉を閉めて下の冷凍庫を見る。
冷凍庫の扉を開くと、冷凍食品の炒飯が目に入った。
……あった。
取り出して、炒飯をレンジで温める。
その間に、銃のカスタムについて調べる。
すると、気になる情報が書かれたサイトを見つけた。
そこは色んなゲームの攻略情報や新情報を投稿しているサイトで、ゲーマー内の評価が高い。
評価が高いと言う事は、正確な情報が多いと考えられる。
「初期銃のカスタムの幅が狭く改良しづらい?」
初期銃、つまり俺が今使っているハンドガンの事だ。
ついさっき、そのカスタムを見たけれど、カスタム幅が狭いようには見えなかった。
サイトを見ていく。
威力、射程、拡散率が少し弄れるだけで、大した変化も無いと書いてあった。
「どうなってる?」
ゲーム内で見た情報と異なっている。
サイト側のミスかと思い、コメントを見る。
下の方に自由に書き込めるコメント欄があるが、間違いを指摘するコメントは無い。
むしろ、サイトの情報を裏付けるかのように、スクショ付きで最大強化のステータスを載せているコメントもある。
……画面に書かれてる文字が少ないな。
見るからに画面に書かれている文字が少ない。
複数のサイトを見て確認するが、全部同じような事が書いてある。
スクショを載せているサイトもカスタム幅が狭い画面しか載ってない。
俺が見たあの画面は、探しても見つからない。
「うーん、見つからないな」
レンチンが終わり、チンッと音が鳴る。
炒飯をレンジから取り出す。
「熱っ!?」
触れた場所が熱く、素早く手を引っ込める。
冷水で冷やしてタオルで取り出し皿に移す。
「あれはバグなのか? それとも――隠し要素か?」
ゲームには一定の行動を取る事で、道具や実績、機能を使えるようになる要素が存在する。
その中で、隠し要素と言う物があり、運営が意図的に隠している物で、プレイヤーが偶然見つけるか、意図的に探して発見する物。
中には何年も見つからない要素も存在する。
あのカスタム画面は、隠し条件をクリアしたら解放される物と言う可能性もある。
ただバグや最新アップデートの可能性もあるから、何とも言えない所。
「まぁ、良いか」
もしも、隠し要素だったとしても、他プレイヤーに報告の義務は無い。
それに自分自身、条件をいつ達成したのか、どんな条件なのかが、一切予想が付かない。
初期武器がカスタマイズ出来るメリットも不明。
せめてメリットか条件のどちらかが分かっていれば良かったが、今の状態で隠し条件があると言っても微妙に感じる。
「暫く周回して素材集めて、武器強化してから次の街行くかぁ。レベルも上がるかな」
さっさと炒飯を食べ終えて支度をして、ゲームを起動する。




