第10話 ドロップ品
立ち上がって、回復薬をショートカットから取り出し体力を回復させる。
あと一撃、いや、あと数秒遅ければ負けていた程にギリギリの勝利だ。
ボスエリア周囲に張られていた紫色の半透明な壁が消えた。
ボス戦が終わった合図だろう。
……火力はだいぶ余裕あったけど、防御面が不安だな。ボスでどのくらい稼げたか。
ドロップアイテムを確認する。
金は40ゴールドと20ゴールド、10ゴールドで並んでいた。
わざわざ分けられている。
タップすると通常報酬40ゴールド、初回ボーナス20ゴールド、ソロ報酬10ゴールドと書いてあった。
……初回ボーナスとかあるのか。70ゴールドなら得ではあるが……周回は初回ボーナス無くなるから余り美味くないな。
弾丸の消費で金がかかる為、得が少ない。
今は確実に一撃で仕留められるスライムの方が、金策に向いていそうだ。
次はアイテムの方を確認する。
森主スライムの粘液、材料に使えて売却価格10ゴールド。
「これ何の素材なんだろうか。まぁ良い、あれこれって」
別のドロップアイテムもあった。
小さなイヤリング型の装備。
名前は森主スライムのイヤリング。
性能を見ると
攻撃10% 敏捷10%
初期装備限定
+攻撃20% HP5% MP5%
と書いてあった。
……これは優秀なアクセサリーだな。初期装備限定を除いても使い続けられる性能。
アクセサリーは5枠ある。上位互換の装備でも手に入らない限りは付けっぱなしで良さそうだ。
直ぐに装備する。
耳にイヤリングが付いた。
人生でイヤリングを付けた事は一度も無いので、何とも変な感覚だ。
「レベルは――1上がってるな。流石に敏捷に振るか」
森主スライムとの戦いで、敏捷の大事さを理解した。
HPはレベルで10増えるから、振らずとも伸びる為、後回し。
スキルポイント4全てを敏捷に振り分ける。
既に攻撃に十分に振っているから、全部振っても支障は無い。
……銃使いの推奨はこの2つ、基本は敏捷と攻撃の両方を上げて様子見るか。
道中のスライムを倒しながら、一旦ランリス街へ向かう。
獣道から外れて森の中に入って、草むらの中のスライムを探して倒す。
……こんな風に隠れてるのか。
10体程倒して森を出た後、平原で見つけ次第倒し街に戻った。
帰り道の方が森主スライムの報酬よりも稼げた。
その分、弾丸は使った。
……弾には余裕あるが少し買い足すか。回復薬は――良いか。
回復薬は使ったが、準備した分の一部しか使っていない。
なら買い足す必要は無い。
武器屋に行く。
「嬢ちゃんまた弾を買いに来たのか?」
「まず売却」
森主スライムの粘液を売る。
今のところ、持っていても使い道が無い。
なら金にした方が良い。
「森主スライム、1人で倒したのか」
男性は感心しているように言う。
「結構危なかったけど、何とか」
「勇猛な嬢ちゃんだな」
「弾の材料を10セット」
「毎度」
ウィンドウで売ってる防具の値段と性能を確認する。
初期街で売っている装備という事もあり、安く性能も低い。
今付けている装備よりはマシ程度の性能。
……これなら次の街で買った方が良いな。
次の街ならもっと良い装備が売っているだろうし、金策として微妙なボス周回はしない予定だ。
それを考えれば、まだ装備更新しなくても良さそうだ。
「防具を見てるのか?」
「そう、でも良いや」
「鍛冶師なら防具も作れるぞ。レベルを上げる事で、強い装備も作れると言うな」
「防具も……素材は?」
「モンスターからのドロップアイテムや鉱石類、素材を重ねて作る」
「そっちの方が安価か。見た目は?」
「服装の見た目は基本的に鎧系になるな」
……鎧か。この体格で鎧か。着れるのか?
今の体格はかなり小柄だ。
軽装系の装備ならともかく、重装備となると着れるイメージが無い。
ゲームの仕様で何とかなるんだろうけど。
衣装の見た目重視では無いから、ダサいとかカッコイイ、可愛いなんかはどうでも良い。
ただ着れるかは死活問題。
「体格で着れない着れるはあるのか?」
「そこは問題ない。装着時に合うようになる。鎧の見た目が不満なら職業に仕立て屋があるぞ。服の見た目を変更出来るらしい」
……仕立て屋か。覚えてはおこう。鎧も自作出来るなら材料集めて作る方が良いな。
自分で仕立て屋になる気は無い。
まず、鍛冶師のレベルを早めに上げておきたいのと、切り替えが面倒くさい。
それに残念ながら、ファッションセンスは持ち合わせていないから、下手に挑戦しても変な服装になるだけ。
買い物を終えて店を出る。
金策
ゲーム内通貨を稼ぐ手段、特に効率的な物を行う際に言う(諸説あり)




