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26 さらばプリンセス(2)(アマツバメの恩返し)

プリンセスは

「私がここから出られないですって?笑わせないでちょうだい。私は魔法で鏡の世界を通り抜けることもできるわ。


ここのトイレの鏡からこのバリアーの外にある3号館のトイレの鏡へ移動することによってここから抜け出せるわ。それに3号館なら妹のマーガレットもいるし。では鏡の世界に入るわよ。それっ!」


 プリンセスはまるで水泳の選手がプールの水の中に飛び込むように鏡の中に飛び込み、吸い込まれるようにして消えてしまった。


そしてバリアーの外にある3号館のトイレの鏡から出てきた。

「鏡の世界ってなかなか楽しいわね。今日は時間が無いから、この件が片付いたらゆっくり遊びにいこーっと」 


するとそこにはプリンセスのテレパシーをキャッチしていたマーガレットが既に来ていた。


「お姉さま、事情はパピヨンちゃんから聞いたけど、私たちにはどうにもならないんじゃないの?」

「何とかしなきゃ。このまま指をくわえているわけにはいかないわ。あと20分以内に何か手を打たないと二、三年生の生徒全員が宇宙に連れ出されてしまうわ」


「気持ちはわかるけど、どうやって?」

「使える魔法は私の得意な物体移動魔法よ。ほら、ここにちょうどいい大きさの石があるわ。この石をあの宇宙船の弱点となる箇所に私の魔法で高速で衝突させるの。モンちゃん、コンピュータモードになって宇宙船の弱点を計算して見つけてちょうだい」


いつの間にかそこに来ていたモンちゃんの両目が、黒くて可愛い目から碁盤の目のようになってそのあちらこちらでオレンジ色に点滅し始めた。


モンちゃんは体は小さいが、その頭脳のコンピュータは地球上の大型コンピュータに負けないくらいの性能を持っている。それが今全力で宇宙船の弱点を見つけるためのスキャンと計算を行っているのだ。


しかし校舎の上空からバリアを張り巡らしながら待機している宇宙船が発進するまであと7分しかない。

「プリンセス、高速計算の結果、宇宙船の弱点が判明しました」

 

するとモンちゃんの両目から光が発せられて、ちょうどプロジェクターのようにプリンセスの目の前の空間に宇宙船が映し出され、その中央の下方部分に矢印が向けられている。


「この矢印が差している部分が弱点です。ところでプリンセス、計算中に判明したのですが、作戦を実行するに当たって問題点が2点あります」


「それは何なの?」

「1点目は、このままでは宇宙船の宇宙人に見つかってしまい、私たちが攻撃されてしまう恐れがあるという点です」 


するとその時空から20羽ものアマツバメたちが飛んできて

「私たちはいつぞや蛇から助けていただいたアマツバメファミリーです。おかげさまで子供たちがこんなに成長しました。せめてもの恩返しに、宇宙人たちの目をくらますために高速でジグザグに飛び回りますから、その間に作戦を実行してください」


「ありがとう、アマツバメたちよ」 

モンちゃんは

「これで問題点1は解決しました。しかし問題点2はどうにもなりません。お嬢様は先日の運動会で無理をし過ぎてしまい、体力がまだまだ回復していません。


今のお嬢様の体力では、その石をあの宇宙船の弱点箇所に高速で命中させることは不可能です」

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