22 奪われたオパール(オーストラリア研修編)(4)プリンセスの魔法エネルギー
「そうだ、私の得意な魔法の一つに動植物や鉱物と自由に話せるというのがあったわ。あのロボットの動力源になっているのはのぞみちゃんがもらったファイヤーオパールだわ。
逆に言うとあのロボットはオパールが無ければただの金属の塊にすぎなくなり、何にもできなくなるはずだわ。
私は鉱物とも話せるのだから、イチカバチかファイヤーオパールに話しかけてみたらどうかしら。石に話しかけるなんて馬鹿だと言われるだろうけど、これしか方法はないわ」
プリンセスは立ったまま両手を上にあげて広げると心を集中させた。すると目の前にロボットの額に設置されているファイヤーオパールが現れた。
そして何とオパールの中心部には美しい女性がいて、座り込んだまま涙を流して泣いているではないか。
「泣いているあなたは誰なの?」
「私はファイヤーオパールの精です」
「どうして泣いているの?」
「これまで私はローラちゃんに大切にされて幸せな日々を送ってきたわ。そして今度は新しいご主人様のもとで楽しく暮らそうと思っていたのに私はこんなところに閉じ込められてしまったの。
私は確かに無限のパワーを秘めているわ。でも私は平和を愛しているの。私のエネルギーがこんな破壊や人々の命を奪うことに使われるなんて、辛くて耐えられないわ」
「だったらそこから抜け出してのぞみちゃんの元へいきたいのね?」
「もちろんそうしたいわ。でも私のエネルギーはロボットに吸い取られ続けているので、ここから抜け出すだけのパワーが無いからどうにもならないの」
「では私の魔法エネルギーを使ってちょうだい」
プリンセスは外に出るとロボットの近くへ走っていき、両手を天に向かって差し上げると目を瞑って叫んだ。
「さあ、ファイヤーオパールの精よ、私の魔法エネルギーを吸収してちょうだい!」
その瞬間プリンセスの体は花柄のバリアーに包まれ、そしてそのバリアーからは魔法エネルギーが放出され、ロボットの額にあるオパールに吸い込まれていった。オパールの精は魔法エネルギーを吸収し続けた。
「すごいエネルギーだわ。これならロボットを破壊して脱出できるわ。さあ、思いっきり無限パワーを放出するわ」
するとロボットの体が熱を帯びてオレンジ色になり、パリパリと大きな音がしてみるみるうちにボディー全体にヒビが入り始め、オパールがロボットから飛び出し、離れた途端ロボットはドッカーンと大爆発を起こした。
オパールは空中を飛んでのぞみちゃんのところへ移動し、彼女の手のひらに載った。のぞみちゃんは予想だにしていなかったので大喜びだった。
「オパールが戻ってきた。嬉しい。これから仲良く暮らしましょうね」
その瞬間オパールはそれに応えるかのようにキラリと光った。
プリンセスは
「ロボットまで破壊しちゃうなんてオパールの力ってすごいのね。平和が戻ったし、のぞみちゃんの元に戻れてよかったわ。きっとのぞみちゃんが大切にしてくれると思うわ。
さあ、もうすぐ日本行きの飛行機に搭乗する時間だわ。急がなくっちゃ。オーストラリアでのお食事も美味しかったけど、そろそろお蕎麦やうどんが食べたくなってきたわ。
うなぎも食べたいし、イタメシやカレー、焼きそば、ラーメンも食べたいわ。素晴らしい国、オーストラリアよ。またきっと来るからね。たくさんの思い出をありがとう。またね」




