21 奪われたオパール(オーストラリア研修編)(3)オクトパスロボット
クオッカくんは、カンガルーの小型といった感じの動物型アンドロイドで、プリンセスがオーストラリアへ行くにあたり、予め爺がプリンセスのために送っておいたのだ。
プリンセスは
「クオッカくん、ジャンプしてあのオパールをとってちょうだい」
クオッカくんは3回ほど素早いジャンプを繰り返すと倒れたまま手を伸ばしている男よりも早くオパールを掴めそうであった。
ところがクオッカくんがオパールをつかもうとした瞬間、そこに空から黒い影がものすごい速さで飛んできて、あっという間にオパールをくわえて行ってしまった。
それはキングパロットで、黒い服の一味によって操られているようだった。プリンセスは
「もう少しだったのに。悔しい」
男はというと既に姿を消していた。
オパールをくわえたキングパロットは20分ほど飛び続けたあと山の中に入っていった。そこには先ほどの男と、左右の頭髪が斜め上に尖って伸びている黒服の男がいた。
どうもこの男がここのボスらしい。キングパロットはボスのところに飛んでくるとクチバシからオパールを吐き出し、それを彼がキャッチした。
ボスは
「キングパロットよ、よくやった。たっぷりご馳走するからな」
ボスはオパールを掌で転がしながら廊下に出て別の建物に入っていった。どうやら何かの研究所らしい。
研究所の扉を顔認証で開けて入ると、そこには巨大なタコ型ロボットがあった。足が8本あるのだが、本体には二つの目と一つの口らしきものがあり、両目の間の中心から少し上に小さな穴が空いている。
「私は世界を征服するために10年を費やし、巨費を投じてこのロボットを完成させた。戦車やミサイルなどどんな攻撃にも耐えられ、何でも溶かし、破壊することのできる強力なビームを搭載しているが、問題はそのビームのエネルギー源だったのだ。
いろいろなものを試したが、私が考えているような強力なビームを発するには、神秘的な力をもつこのファイヤーオパールしかないという結論に達したのだ。そのオパールが手に入った。遂に私の世界征服の夢が叶う時が来たのだ」
彼がロボット本体のスイッチを押すと長いアームが伸びて来て、彼が持っているオパールをつまむとロボットの額のあたりの穴にオパールを装着した。ボスが別のスイッチを押すと、額のオパールが輝き始め、ロボットの目が開いた。
「行け、オクトパスロボットよ。目の前にあるものを片っ端から破壊するのだ。お前のエネルギー源は額のオパールだから無限のパワーを秘めていることになる。
さあ、行け、そして私が世界の支配者となれる日まで破壊のかぎりを尽くすのだ!」
オクトパスロボットはゆっくりと動き始め、研究所を出ると目の前にある7階建ての建物に向けて口から青い光線を発射した。すると建物は全ての窓ガラスが割れたと思った途端爆発し、崩れてしまった。
「これはすごい。予想以上の威力だ。でかしたぞ。さあ、どんどん破壊するのだ!」
多くの人々が悲鳴をあげながら逃げ出した。ニュースを見て駆けつけたプリンセスは危機感をもった。
「このままでは多くの人命が失われてしまう。何とかしないと。でも私にできることは何だろう。もちろんあのロボットと直接対決するのは無理だし、他に私の使える魔法を駆使したとしても、全く歯が立たないことは目に見えているわ。でもこのままでは…」
プリンセスは焦る気持ちを鎮めて目を瞑り、瞑想してみた。




