20 奪われたオパール(オーストラリア研修編)(2)大切なオパールが盗まれる
プリンセスはこれまで日本でいくつかの事件に遭遇したが、遠く離れたここオーストラリアではそんなことはないだろうと気楽に考えていた。
そしてあっという間に最後の夜がやってきた。いつまでもここで楽しく暮らしたいと思ったが、明日は帰らなければならない。ローラとプリンセス、のぞみちゃんは最後の夜をしんみりとした雰囲気で過ごした。
ローラは
「プリンセス、のぞみ、あなたたちとの日々はとっても楽しかったわ。辛いけど今日でお別れね。きっといつか日本に行くからその時会いましょうね」
「ええ、その日を楽しみにしているわ」
「ここオーストラリアでよく産出される鉱物でオパールというパワーストーンがあるの。これがそう。良質のファイヤーオパールよ。永遠の友情の印としてあなたたちに一つずつあげるわ」
「ありがとう。大切にするわ」 二人はそれぞれ部屋に戻った。のぞみが部屋に戻ると、そこには蛇のおもちゃが置いてあった。
それを見た時、のぞみは本物だと思ってしまったのできゃっと言って尻餅をついてしまったのだが、その際にオパールを床に落としてしまった。
すると窓からスルスルとマジックハンドが伸びてきて、オパールを掴むとそのまま窓の外へ消えてしまった。窓から外を見ると覆面をした黒いマントの男がオパールを持って逃げていく。大変なことになってしまった。のぞみは外に出ながら大声で叫んだ。
「オパールが、オパールが盗まれちゃったの!」
のぞみの悲鳴を聞いてプリンセスはすぐに外に出てきた。
「あの男ね、追いかけて取り返しましょう」
二人は懸命に走ったが男の逃げ足は速い。プリンセスはたまたまお土産の整理をしている最中だったのでお土産のブーメランを持ったまま出てきてしまったことに気がついた。
「諦めちゃダメよ。のぞみ、確かあなたはソフトボール部のピッチャーだったわよね。本当はブーメランを人に向かって投げちゃいけないんだけど、相手は悪人なんだから、手段を選んでいる時ではないわ。さあ、これをあいつに向かって投げるのよ」
「でも、私がいつも投げているのは丸いボールだからブーメランの投げ方なんかわからないよ」
「ダメ元でやってみて。さあ、早く」
のぞみがブーメランを闇雲に投げると、案の定とんでもない方向に飛んでいった。しかしプリンセスはそれも計算済みだった。
彼女が得意の物体移動魔法でブーメランの軌道を修正し、勢いをつけて男の太ももにぶつけた。男が倒れ、その手からオパールがこぼれてコロコロと転がっていく。
プリンセスがもう一度物体移動魔法を使えば容易くオパールを取り戻すことができるが、ブーメランの時は魔法を使ったことがバレないで済んだが、オパールを取り戻すためにもう一度魔法を使えば、魔法であることが100%ばれてしまう。オパールが空中を飛んで戻ってくることはあり得ないからだ。
しかしそのままではオパールまで100メートル以上あるので、倒れているとはいっても男の方が先にオパールを掴んでしまう。プリンセスが何か手はないか考えていると、そこにコパンのクオッカくんが現れた。




