29 プリンセス リターンズ(2)数学の天才
「えっ私がですか?できるかしら?」
「そこを何とか。世の中の苦しんでいる人たちのために」
「わかりました。解けるかどうかはやってみないとわかりませんが、善意の人々のお金、そしてそれを恵まれない人たちのために役立てたいと考えた先輩方の意思を尊重する意味でもできるだけのことはやってみます」
和世は3年生なので受験勉強で忙しかったが、とりあえず2日間集中して数式の解読に取り組んだ。
「数学が得意で東京科学大を目指して頑張っている私でも、この数式は難しすぎるわ。でも困っている人たちのために私の力が少しでも役に立つのであれば頑張らないと!」
そして4日が過ぎた。
「やった!遂にこの難解な数式が解けたわ。5日目になっちゃったけど、これでお金がどこに隠されているか分かるわ」
和世は早速校庭に行き、お金を探すことにした。近くでは楡の木に隠れて白髪の老婆が和代をじっとみている。
「7月7日、つまり今日の午後2時に校庭の楡の木と橘の木の影が交わったところを足で踏むと秘密の扉が開くと書いてあるわ。するとここを踏めばいいのね」
「あれ、本当に扉があったのね。扉が開いていく。その下には、えっ、嘘!木製の階段があるわ。一体誰が何の目的でこのような?しかも地下室があるわ」
和世が階段をおっかなびっくり降りていると、近くにパピヨンちゃんがひらひらと飛んでいる。パピヨンちゃんは
「何か危険が迫っている感じがする。早くマーガレットお嬢様に知らせなければ!」
和世が地下室にたどり着くとそこには百万円があった。
「これが話にあった百万円ね。早速あのお婆さんに渡さないと。きっと喜んでいただけるわ」
「ふふふ、喜んでいるとも」
「えっ、誰なの?」
「あのお婆さんに扮していたのはこの俺だ。そのお金は俺様が頂戴して海外旅行に使うのだ。豪華ホテルに泊まって豪遊するのだ。お嬢さん、ご苦労だったね」
そこに立っているのは狐のような覆面をした男だった。
「恵まれない人たちのためじゃなかったのね。騙したわね」
その頃パピヨンちゃんはプリンセスの妹のマーガレットに事情を説明していた。
「お嬢様、クラスメートの和世さんが騙されて危険な状態のように思われますが」
「えっそれは大変だわ。すぐ行かなきゃ。案内してちょうだい」
そしてこちらは和世と狐覆面男の場面。
「世話になったのに申し訳ないが、この件は忘れてもらわなければならないのだ。我々が開発した記憶消去光線で、1年分の記憶を消させてもらうよ」
すると記憶除去装置から黒い光線が和世めがけて発射された。するとそこにピンク色の魔法光線が伸びてきて記憶消去光線を遮った。マーガレットが間一髪で発した魔法光線だった。




