5話
あの可愛い猫が人を飲み込んだ?
そんなの異常だ。
この上なく異常だ。
でもこのままだと...。私も死体にされて飲み込まれるだろう。
何とかしなきゃ...。
その瞬間、私は猫の手に握られ、ギュッと捕まえられた。
そして口を大きく開けた。
「お母さん、お父さん、力を貸して!」
私はそう口にした。
ダメだ...食べられる...っ!
すると、猫はいきなり私を突き放した。
「な、なに!?」
猫はもがき苦しんでいる。
私は、一体何を?
にゃおんにゃおん!!
猫はまた私を掴もうとする。
だけど私は捕まらなかった。
なぜなら、私はその場にはいなかったから。
猫の後ろにいたのだ。
にゃん!?
猫は驚き、後ろを振り返る。
そして
ここで私の意識は無くなった。
これから話すのは後に聞いた話だ。
「にゃーにゃーうるさいなー、殺しちゃおっか?ヒャハハッ!!」
「愛音!?」
渡はいつもと様子が違う幼なじみに驚きを隠せない。
「雨空さん、あれは一体?」
音羽が険しい顔をし雨空を詰める。
「ねぇ、麗、あれはなんなの!?あなたは知ってるの!?」
「雨空、ほんとに試験を続けるのカ?このままだと愛音は...」
「.......」
雨空は何も言わない。
ただ一言ボソッと。
「...あそこにあったのか...」
ニヤッとしながら言う。
「試験は続ける、責任は僕がとるよ。」
「あははっ!弱いなぁ弱いなぁ!」
ザシュザシュと愛音は猫を刺す。
皆が驚くのも無理はない。
愛音は性格だけでなく、外見も変わっていて、魔法のような、能力のようなものを発現させている。
性格はご覧の通り、男っぽくなっていて、狂っている。
外見は白い尻尾ができ、髪が銀髪になっているのだ。そして自由自在に伸び縮みさせている。それだけではなく、髪を人の手のように動かせて、第3、第4の手になっている。
そして何より能力だ。
愛音には白い羽が生えて、宙を飛んでいる。
愛音は想像した物を自由自在に作り出せる。
まるで魔法のようだ。
「あははっ!あははっ!弱いなぁ!みっともないなぁ!ほら、殺して見ろよクソ猫!」
愛音は想像した剣で猫の耳を切り取った。
にゃおぉん!!!
あまりの痛さにドタドタとのたうち回る猫。
「ひゃー!!こんなに気持ちいいのは久しぶり、興奮しちゃうよ〜!!♡」
愛音は猫の血を舐め、ペッ!と吐く。
「美味しそうだったのに不味い!私の気持ちいい気分を返せ!」
愛音は怒り、そして...
「イラついたから、もう、終わりにしよっか!!」
「しょうがないから殺してあげるよ♡猫ちゃん♡」
愛音は天井まで飛び、一気に急降下し、ザシュ!
猫の首を切り取ったのだった。
「畜生が人間様を殺すんじゃねーよ」
地に足をつけた愛音は銃を出し、猫の両目を撃ったのだった。
「他の奴らの仇、とれたのか?」




