4話
「試験ってどこで受けるんですか?」
愛音は警視庁の廊下を歩きながら雨空に聞く。
「ここだよ」
そう言われ目にしたのは、狭い会議室だった。
愛音は何も気にせず中へ入る。
すると...
ウィーンと音がして、どんどん広くなり、やがて地下へ落ちていった
「うわぁぁぁ!!」
愛音は必死に渡の腕にしがみつく。
ダン!!と音がして恐る恐る目を開けると、そこは会議室ではなく、沢山の人が働いていた。
「ここは...」
「ルームと言われている、僕たちのアジトみたいな所さ。」
雨空さんはそう言うと、1人の女性に声をかける。
「ごめんね、雪さん。2人の試験お願いしちゃって。」
「問題ないアルヨ。皆でガンバるネ」
え、この人中国人なのかな?
「この方は中国人なんですか?」
私はそう尋ねる。
「合ってるけど違うかな、彼女はaiロボットの、中国人だよ。僕たちをサポートしてくれてるのさ。」
え、ai!?全然分からなかった。てっきり人間かと...。
「まぁ、最初は驚くよね、でもま、慣れてくれると助かるよ」
「は、はい。」
「さ、とりあえず試験を始めようか、最初は...愛音ちゃんから!」
いきなり私から!?
でも、この試験を乗り越えなければ両親と、おばあちゃんの仇は打てない。
頑張るしかないんだ!
「じゃ、渡くん、司くん、音羽ちゃん、姉さんは上に行こうか。そこで見学をするんだ。シュエさん、よろしくね。」
「了解ネ。愛音、こっち来るネ」
シュエさんに連れられ、私は宇宙服みたいなのに着替えた。
すると今度は違うとこに連れて行かれ、「ここで待つネ」と言われ、待機することに。
シュエさんは上に行ったみたいだ。
「本当にいいアルネ?」
シュエは無表情のまま雨空にそう問う。
「大丈夫。」
雨空は変わらぬ顔で答える。
「では、愛音を『血の部屋』に落とすネ」
『ラジャー』
ゴン!!っと音がすると、愛音は地下に落とされた。
「ここは、どこだろ?」
私は辺りを見回す。
見渡す限りの赤い川。
こんなの見たことない。
でも周りにはたくさん人がいた。
人...ではあるけど、それは『人』だったものだ。
にゃぉーんにゃぉーんと可愛い声がどこからか聞こえた。
横を見ると、小さくて可愛い猫が走ってこちらへやってくる。
「かわい...い?」
その小さい猫は近づく度に大きくなる。
「あたしなんかより全然おっきいな...」
毛を撫でてみようと、腕を伸ばしたその瞬間、バシン!と、殴られた。そして、周りの死体を飲み込んでいく。
「なにこれ、まさか、これが」
「エイリアン」




