2話
「そ、そんな、お、おばあちゃん、が、っ!」
「返せ!返せ!愛音のおばあちゃんを返せ!」
渡はそう言ってその何かを叩いているが、時既に遅く、そいつはゲップをして、おばあちゃんの体を口から出す。だが、おばあちゃんは死んでいた。
「ソイツ、ウルサカッタ、セッカクノ、ショクジ、ジャマシタ。」
「おばあちゃん!おばあちゃん!うそ、うそでしょっ、おばあちゃん!お願い、目を開けて!」
「ツギハ、オマエ、クウ。」
その何かは私を掴み、食べようとした、その時だ、「私があなたを食べてあげます。ご覚悟を。」1人の、黒髪の美人女性が家に入ってきた。
「た、助けて!」私がそう叫ぶと、もう1人、今度は美人男性が入ってきた。
女性が「司、私の剣になってください!」「はいよ!」
そう言って男性は本物の剣になった。
「ショクショク星人、今からあなたを逮捕します!」
そう言われるとその何かは「オマエラ、ゴクジョウニウマソウ、ゼッタイ、クウ」そう言って女性の方へ触手を向ける。
だが、ザシュッ!とその触手を女性は剣で切り捨てた。
何かは「オマエラ、イッタイ?」と状況が分からないようだった。
...私もだけど。
「これ以上抵抗するなら本気で殺しますよ。今なら逮捕だけにしますが、どうしますか?」
女性は浴びた血を舐めながらそう言った。
結局、あの何かは女性達に捕まった。
私は状況が分からず、呆然としていた。
すると女性が「お怪我はありませんか?」
無表情で聞いてくる。
「いえ、」
「良かったです。後で事情聴取があります。御協力お願いします。」
そう言い、女性は立ち去ろうとした。
「あのっ!」
「...何か?」
「あれは、一体?」
「気にするだけ無駄です。あなたの領分ではありません。」
そう返されては何も聞けない。
「では、私はこれで。」
すると、「音羽ちゃん、お疲れ様。」
これまた知らない男の人が来た。
髪の毛は黒半分、白半分、手には黒い手袋、何とも不思議な方だった。
「雨空さん、お疲れ様です。」
「この方たちが?」
「そうです、お孫様です。」
「そっか」
その男はこちらの顔を見て、、、。
いや、見すぎじゃない?
「あの?」
「...亡霊め」
小さい声で何か言ったようだが私には聞こえなかった。
「君、名前は?」
「えっと、天空時愛音です。」
「天空時...愛音...」
「雨空さん?」
女性がそう聞くとその男は「天空時マノンって知ってる?」
「え、」
天空時マノンって。
「母、の名前ですね。」
「やっぱりね!そうだと思ったよ!」「ちょっと話したいんだけど、着いてきてくれる?」
「えっと、彼も一緒でいいなら...」
私は渡を指さした。
「そういえば君、名前は?」
「未来渡です。」
「未来渡...司くんの弟くんだね?」
「そうです。」
そういえばさっき司って...
「とりあえず、警視庁まで行くよ。」
「おばあ様のご遺体は、こちらで管理させてもらうから、安心してね。」
「はい。」
な、何だかとんでもないことが起きそうな予感...。




