10話
「まずは渡くんのvtを考えよっか〜!」
「渡くんはどんな武器がいいとか希望ある?大体のことだったら実現出来るよ〜!」
雨空さんがそう言うと、渡は
「俺は、炎と水属性が付いた剣がいいです。」
炎と水、火と油のように相性が悪そうなものを言い出して、みんなかたまった。
ただひとりを除いて。
「渡、理由を聞かせてくれるか?」
そう言葉にしたのは司さんだ。
「理由は単純だ、2つの属性を持っていた方が...」
お?
「かっこいいからだ。」
ズコーンッッ!と私は椅子から倒れそうになった。
ド〇フみたいなかんじで。
「渡、ほんとにそれでいいんだな?」
「あぁ。」
「ふむふむ、音羽ちゃんはどう思う?」
雨空さんが音羽さんに聞く。
音羽さんは冷静に
「良いと思います。2つの相反する属性を持っていた方が、何かと便利かと。」
と言った。
「愛音ちゃんは?」
「い、いいと思います!すごく、その、えっと、かっこいいと思います!」
私は顔を真っ赤にして言った。
「うんうん、そうだよね!かっこいいよね!」
「だってよ?渡?」
渡も同じく赤面しているのに私は気づかなかった。
「じゃあシュエさん、よろしく!渡くんの戦闘服のカラーは、んー、そうだな、司くんと同じ黒で!」
「わかったネ、2分待つネ。」
そう言われ、私たちは2分待った。
「完成ネ、渡、試してみてネ。」
渡はシュエさんから剣と戦闘服を受け取り、着替えた。
「じゃ、渡くん、このエイリアンを倒してごらん。」
雨空さんはメガネで擬似エイリアンを作成し、渡の前に立たせた。
あのメガネほんとに凄いな...。
渡はエイリアンを倒し、本当に何体も倒し、ようやく満足したように、「切れ味も最高ですし、使いこなせそうです。これで大丈夫です。」
と言った。
「なら良かった、これから大事に使ってね!」
「はい。」
「次は愛音ちゃんのvtだけど、その前に言わなければならない事があるんだ。」
言わなきゃならないこと?
なんだろ?
「何ですか?」
雨空さんは珍しく難しい顔をし、「実は研究班から報告があってね、愛音ちゃんは昨日猫と対峙したじゃない?その猫の感覚レーダーに異変があったそうなんだ。」
異変?
たしかに、異変と言えば私にも起きてたみたいだけど...。
「異変とは?」
これまた珍しく音羽さんが聞く。
この人私に興味あったんだ?
「ウイルスが確認されたんだ、それも死に至る程の猛毒ウイルスだ。」
「!!?」
「ウイルス?」
私が聞くと
「落ち着いて聞いてね、愛音ちゃん、そのウイルスは、君があの猫に与えたんだ。」
え、?
「その原因はおそらく君がまるでエイリアンのように何もかもが変わったのと関係しているのだろう。だからね、これは僕からの提案。」
「君のvtは、ウイルス兼ガードができるアイマスクにするのはどう?」




