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1話

「ウッソ、マジー?それチョーヤバくねー?」

12月の北海道、雪が降り積もる中、私は公園のベンチに座って電話をしていた。

「あ、てか、あいつまたあんたのこと好きって言ってたじゃん?マジヤバくねー」

あははっと笑いあったあと、「あ、もうバッテリー切れるから電話切るね、うん、うん、また明日ね、バイチャー」

電話を切って、私は白いため息を吐く。

「ほんと、馬鹿らしい。私こんなこと、いつまで続けるのかな。」

だって、だって、...!「私...ギャルじゃないもん!!」

大声を出して、こだまが聞こえる。

そう、私はギャルのフリをしているだけなのだ。

髪は金髪、メイクも派手、ネイルもゴリゴリ、そんな見た目だったら、当然のようにギャルだと思うだろう、だが、金髪なのは高校デビューのテンションでやってしまっただけだ。もっと言うならメイクは元々興味があり勉強していた、ネイルは祖母にやってもらった、ただそれだけ。なのにみーんな私をギャル扱いする。

実際はただの地味子なのに。

ギャル扱いをされるから、ギャルのフリをしているだけだ。

「ほんと、どうしよう。」

「まーたニセギャル子が悩んでる笑」

振り返ると、そこには私の幼なじみ、(わたる)、未来渡がいた。渡は高身長のスーパーイケメン、友達も多い。何も無い私とは大違いの男の子だ。

「渡?どうしてここに?」

「愛音のおばあちゃんが愛音の事探してたぞ?」

「あ、そうだった!今日おばあちゃんの誕生日パーティーだったね、急いで帰ってご飯準備しなきゃ!」

「おう!ついでに俺も愛音の家行くわ。一緒におばあちゃんの誕生日お祝いしようぜ。」

「うん、ありがとう、じゃ、一緒に行こうか」

渡がさっきから愛音と言っているが、お察しの通り、私の名前だ。性は天空時(てんくうじ)名は愛音(あのん)。亡くなった両親にもらった大切な名前だ。

両親の記憶はほとんど無い。私が1歳の頃に亡くなって、それからはおばあちゃんと共に暮らしている。


「そういや、もうちょっとだよな?愛音のお母さん達の命日。」

家に向かって歩きながら、渡が聞いてくる。

「そうだね、おばあちゃんとお墓参りに行く予定だよ。」

「その、まあ、なんだ、、、。大丈夫か?」

「何が?」

「お前の、気持ちだよ。」

ほんと、優しいなぁ、渡は。

「心配しなくても大丈夫だよ。慣れたから。」

「そうか。」


家の前に着くと、おばあちゃんがいた。「愛音ちゃん、おかえり。」おばあちゃんは笑顔でそう言った。わたしは、この笑顔が大好きだ。

ずっと見ていたい。


家に入ろうとした、その瞬間、何かがおばあちゃんを襲った。

触手が生えていて、長い尻尾がある。

「な、なんだい!?あんた、!人間じゃないね!?」とてつもなく大きいその何かはおばあちゃんを食べようとしている。

「おばあちゃん!」

「愛音のおばあちゃんを離せ!」

台所から持ってきたフライパンで叩くが、全く効果が無い。

本当に何なんだ!?この生物は!

「愛音ちゃん、渡くん、お逃げ、私のことはいいから、逃げなさい...」

「コノニンゲン、オレノモノ、ウマソウ、クウ」

「おばあちゃんをはなせ!!はなしなさい!」

するとその何かは私のことをぎょろりと見て、「コイツモ、ウマソウ、クウ。このババアヨリウマソウ。」

そいつはおばあちゃんをポイッと投げ、私を掴んだ。そして「イタダキマス」

私を食べようとしたが、「愛音ちゃん!」

おばあちゃんが私の前に立ちはだかり、そして、パクっ!!

「お、おばあちゃん、おばあちゃぁぁぁぁん!!!!」

おばあちゃんはその何かに丸呑みされてしまった

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