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某宗教の集会に職場の上司に騙し討ち気味に連れて行かれた件~簡単な内容レポート有~

 初めましての方は、初めまして。

 そうじゃない方はありがとうございます。


 去年の夏に転職した歌池詠野です。

 今の会社はそこまで大きな会社ではなく、数人規模のアットホームな職場です。


 上司や職場の仲間にはとても良くして貰っているのですが、前職とは全く勝手の違う職種についたのもあり、入社半年を超えてもあまり戦力になっておらず、「仮に向いてないにしてもここまでできないものか」と、とても悩んでいます。


 そこであまりにも悩んでいて元気がない私を見かねた上司に、「気分転換も兼ねて休日俺に付き合わないか?」とお誘いを受けたので、ホイホイ着いていくことにしました。



 約束した当日になり、一緒にご飯を食べたあと、上司の運転する車に乗りながら「この後どこに行くんですか?」と訪ねたところ、上司の口から某宗教施設の名前とこれから集会があると驚きの発言が飛び出てくるではありませんか。


 私はご飯を奢って頂いた恩もあり、ここで断るといつも良くしてくれている上司との関係がギクシャクするかもと頭によぎったことも含め、とりあえずついていくことにしました。


 その某宗教の信者が身近にもいることや、大学でも勧誘を受けていたこともあり(もちろん断りました)、耐性があると自分では思っていて、信じることはないという意識があったのもあります。


 建物の中に入り、上司が受付をし(その間、私は上司が私の個人情報をどこまで受付に記入しているか密かにチェックしていました)、大広間に向けて移動しました。


 到着した大広間は派手な祭具に囲まれ、前のステージには演奏用の楽器とマイクがあり、左前にある大きなスクリーンには海外信者が紹介されているビデオが流れ、座るためのプラスチック製のイスが大量に並んだ空間でした。


 始まる時間までは暇だったので、最前列の大きなスクリーンの目の前の席に連れて行かれたこともあり海外信者のビデオを見ていたのですが、某ビジネス街でまったく聞いたことのない賞を受賞したらしい女性の活躍と、某世界的組織の元お偉いさんらしき人がその組織でも信者は信頼されていましたと根拠もなく語るだけのビデオで、権威に弱い人しかまともに取り合わないだろうなぁと思いつつも信者向けならこれで良いのかと考えながら見ていました。



 集会が始まると、まずは青年部の部長の開催の宣言と楽器演奏、その後男性ボーカルによる歌が始まりました。

 某宗教を称えるポップなオリジナル曲もありましたが、「まぁそこまでインパクトはなくてつまらないなぁ」と思いながら、お義理で手拍子をしながら聞いていました。


 その次は、今度は海外で活躍している日本人信者のビデオを見せられたのですが、企業活動を通して貧しい少数民族を助けながらSDGsを推進しているという趣旨の内容でした。


 しかし、ビデオでは、その企業活動は自然由来の原材料を使っているのでSDGsを達成できると謳っていましたが、その原材料は近年では自然由来でも環境負荷が高いことが分かっていて動物保護の観点からも使用が取りやめられ始めていることを私は知っていたので、正直言わせてもらうとかなり失笑モノのビデオでした。


 ビデオを見た後の私は、「……こういう割と真っ当じゃない宗教はバカを騙して儲けているんだな」と信者が聞けば追い出されるだけじゃ済まなさそうなことを考えていました。



 その次は、宗教活動を通した成功体験を何人かの若い信者が代表して発表する時間でした。

 正直、あまりにも理解できない内容で驚きを感じながら聞いていました。


 いえ、途中までは普通に理解できるんです。

 例えば努力した内容自体はとても全うなのですが、ただ、必ず「成功したのはお祈りや、お守りのおかげです」と話が続くんです。

 私からすると「いやお祈りやお守りにどんだけ効果あるんだよ」としか思えないのに、絶対全員話がそこに着地するので本当に驚きでした。


 とある信者に至っては、「受験に成功したのはお祈りのおかげです。~中略~。就職活動に失敗しても実は人生は遠回りすることになっても結果的に良い方向に進むようになっているんだよと教祖様がおっしゃっていたので気にしないで頑張っていこうと思えた」と言っていて、

「それ成功しても失敗しても無敵の論法じゃん。就職活動のときも受験と同じようにお祈りしてたんじゃねーの??」と疑問しか感じませんでした。


 「とんでも無いところに来てしまったぞ」と一番感じたのはこの瞬間かもしれません。



 若い信者の発表が終わったら、方面支部長みたいなお偉いさんの話を聞いて集会は終わりでした。

 意外と話が上手い人で、「やっぱり宗教だとこういう人が出世するんだな~」と考えていました。


 集会後は、上司と私と青年部の部長さん含めた何人かで話す時間を無理やり確保されたので、しょうがなく話に付き合いました。


 正直、青年部の部長さんも割りと感じのいい人で、上司も頭のいい人なのに、あんなに論理的じゃないこと盛りだくさんの集会の内容がとても素晴らしい物だと思っていることが伝わってきてとても怖かったです。


 この恐怖心をどうやって伝えたらいいかわからないのですが、例えば、見るからに狂っている人が明らかに変なこと言ってたら、怖いかもしれないですけど、納得はできるでしょう?

 でも話した感じ普通の人が明らかに狂っていることを言い出したら、怖いし、全く納得できないと思いませんか?

 うまく伝わるかはわかりませんが、ホラー映画で訪れた村で優しくしてくれた村人が事件発覚を期に態度が急変する感じのシーンがあるじゃないですか、そんな感じの恐怖です。



 とりあえず青年部の部長さんのまた来ませんかというお誘いは固辞して、帰りの車内で上司には価値観を共有できなかった旨は伝えましたが、どのくらいその宗教の信者が社員にいるのか、今後どれくらい上司が勧誘してくるのか、不安しか感じません。


 会社に遠慮する必要はないんでしょうが、実際はわかりませんが社長が信者の可能性もあること、上司が抜けると会社が崩壊するレベルの痛手なこと、結局上司が抜けた状態で残りたくはないこともあり、自分が辞める時にしか勧誘されたことは言えなさそうなので執拗に勧誘してきてこないで欲しいなぁと思っています。


 信じている宗教で差別はしたくないので、あまり執拗に勧誘してこない限りはうまくやり過ごしたいのですが、どうすることが正解なんですかねえ。

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