マールとルーナの部屋
マール:見て腰抜かすんじゃないわよ
カプリス:言ってろ言ってろ、じゃあ開けていいか
マール:いいわよ
よっぽど部屋に自信があるのかは部屋の前についても煽ってくる。そんなマールを適当にあしらいつつ、部屋の扉を開けた。
マールの部屋で一番最初に目についたのがドレスであった。隅で黒を基調としたデザインであるのに、なぜか目を引くドレスだ。イベント告知当初からこのドレスは発表されていたため、これに似合う壁紙などを考えていたのだろう。
そして、ベットの上にちょこんと鎮座しているFTOのマスコットキャラである妖精のフェイだ。リスの見た目をした妖精で尻尾で空を飛ぶという変わった設定を持っている。
結構な人気を保っており、特に女の子たちからの評価はものすごく高いらしい。
マール:ふふん、どうよ、これだけでだいぶ変わるでしょ?
カプリス:確かに威張るほどのことはあるな……
ルーナ:うんうん、とっても可愛いよ
カプリス:ちょっと意外だよな
マール:それってどういう意味よ
カプリス:言っちゃ悪いけどこういうの苦手だとおもってた
マール:料理の時といい、失礼ね
カプリス:悪いとは思ってるよ
こうやって一緒にいる前まではもっと男らしいイメージがあったんだが、やっぱり人は見かけによらないんだな。
カプリス:あれ、そういえばもう一つの家具は?
色々と部屋を見渡していると二つしかないことに気がついた。そういえば二人で一緒のものを作るって言ってたはずだけど。
マール:それは先にルーナの部屋を見てもらった方がいいかもね
ルーナ:それもそうだね。この後に見せるのはちょっと気がひけるけど
マール:大丈夫よ、ルーナのだって絶対綺麗よ
カプリス:マールの言う通りだ。ルーナの部屋も可愛くできてるさ
ルーナ:二人ともありがとう!
一瞬、気弱になっていたルーナだが、俺たちの励ましで元気を取り戻し意気揚々と部屋に案内してくれた。
ちゃんと作り込んだ部屋なのだから綺麗に決まってるし、そんなに考えることないと思うんだけどな。ルーナらしいっちゃらしいけど。
そんなことを考えているとルーナの部屋についた。
ルーナ:なんだかとても緊張します
ルーナは部屋に着くとそうチャットを打っていた。
カプリス:そんなに緊張することないって。自分の自慢ができる場だと思えばいいんだよ
マール:カプリスの言う通りよ。こんな機会なかなかないんだから
俺たちは早く自分の部屋を他の人に自慢したいと言う思いだったからか、簡単に見せることができた。
でも、ルーナの性格的にそういう風に考える前に恥ずかしい感情が勝ってしまうのだろう。まあ長い付き合いだし慣れてるけどな。
ルーナ:笑わないでくださいよ
カプリス:笑わないって絶対
ルーナ:じゃ、じゃあ
その言葉を最後にルーナは扉を開いた。
ルーナの部屋は落ち着いている雰囲気を醸しつつも、女の子らしい可愛い部分も感じられるいい部屋というのが最初の感想だ。
カプリス:めっちゃいいんじゃんか!
マール:そうよ! ルーナらしさが全開に出てて私は好きよ
ルーナ:本当に!? 良かった……
俺たちが部屋を見て最初の感想を言うと、ルーナは見てわかるように安心しきっていた。
ルーナの部屋は派手なマールの部屋と真逆のようだった。本棚は3段のそこまで高くない高さではあるものの、自分好みの本を入れているためか、個性を感じられる。
その上に置いてある、マールの人形と色違いの人形が置かれておりそれがアクセントにもなっているような気がする。
カプリス:こういう落ち着いた部屋もいいな
マール:そうよね。現実なら絶対こういう部屋を選ぶものね
ルーナ:やっぱり、私はファンタジーだからっていうのも考えずに自分の理想の部屋を作ったからだと思うよ
カプリス:そういうところも何だかルーナらしいよな
ルーナ:でも二人とも気に入ってくれたみたいでよかった
マール:やっぱり全然センスはあるんだからもっと自信持ってよね
ルーナ:うん!
こうして全員の部屋紹介が、何事もなく終わった。




