カプリスの作戦
一週間後、テストが終わった。
テスト3日目からは鏡花も治ったみたいで学校に来ていたものの、人目につくため話しかけることができなかった。
それに遠くから見ていて思ったが、明らかに元気がない。やっぱり補習になったことを気にしているのだろうか。
「もうテストも終わったんだ。リアルで無理ならこっちで話す」
二週間ぶりにパソコンの電源を入れて、ログインする。
今日くらいは二人ともログインしているだろう。そしたら普通に話せるかもしれない。
カプリスがログインしました
カプリス:あれはマールか!
少しあたりを見渡すと、よく見慣れたエルフの美少女が立っていた。
マールがログインしているなら、ルーナも近くにいるかもしれない、そんな気持ちでマールの元まで走る。
カプリス:マール、久しぶりだな
マール:やっと来たわね。待ってたんだから
カプリス:どう言うことだ?
マール:ルーナのこと気になってたんじゃないの?
カプリス:そうだよ。ルーナはログインしてないのか?
マールに言われて、また周りを見渡してみるもルーナの気配はない。
マール:ルーナはログインしてこないわよ
カプリス:どうして!
マール:決まってるじゃない。補習になったからゲームしてる暇なんかないって
カプリス:それは絶対建前だろ?
ルーナはそんなことでゲームをやらなくなるくらいの中途半端な気持ちでやっていなかった。
他の何よりもゲームが好きなくらいの勢いなんだ。
マール:やっぱりカプリスに隠し事はできないわね。カプリスの思ってることで合ってるわよ
カプリス:それじゃあ本当の理由は?
マール:決まってるじゃない。カプリスと話すのが気まずいのよ。
カプリス:ゲーム内でも無理か。リアルでも避けられてる感じはあったから
マール:そうでしょうね。相当罪悪感を感じてるみたいだし
ルーナはとても優しい子だから、余計に自分のことを責めているのだろう。俺たちのせいで風邪になったと言うのに、それを全部自分で抱え込んで……。
カプリス:俺は絶対にルーナをここに連れてこさせたい
マール:私もしたいわよ。でも、ああなったルーナの意思は中々動かないし
カプリス:ああ見えて頑固なところもあるもんな
マール:そうなのよね
どうにかして連れてこさせないと。もうルーナとゲームが出来なくなるかもしれない。
カプリス:今回の補習って多分だけどルーナだけだよな
マール:そうだと思うわよ。他の人も相当頑張ってたみたいだし、私や、カプリスだって欠点はないでしょ?
カプリス:ああ、言われた通り本気で解いたからな。
間違いなくどの教科も60点は超えている。欠点なんてあるはずもない。マールもそれくらい自信があるのだろう。
マール:なんでそんなこと聞くの?
カプリス:もしかしたらいい方法があるかもしれない
マール:本当に!?
マールは少しテンションが上がった様子で聞き返してくる。
カプリス:ああ、でもこれは一か八かの作戦だ。失敗したらルーナに嫌われるかもしれない。それでもやるか?
マール:当たり前よ。今のルーナを見てると心が痛いの。それから救えるならなんだってやるわ
マールの心意気は本物だ。やはり、俺と同じ気持ちなのだろう。絶対にまた三人でゲームをする。イベントを全力で楽しむ。それが俺たちの意思なのだから。
カプリス:それじゃあルーナには言うなよ
マール:言わないわよ。
今だけ二人きりのギルドチャットで、鏡花をまたルーナにさせるための会議が始まった。
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