突然の来客
突然風が大きくなり、桜の木に残っていたわずかな花がいっきに吹き飛ぶと、神からの声が聞こえてきた。
「お主、その状況で卒業できるとおもっているのか?繰り返すが、卒業できなければ、現実世界に戻されると同時にお主は死んでいる。くれぐれも後悔のないように勉学に励むがよい」
「うるせーじじい」
康弘は元来からの怠け者である。高校すらギリギリ卒業。進学なぞ眼中になかったのだ。1日アニメやゲームをすることを至上の喜びとし、それ以外はなんの目的もないニートである。しかし、ひとつだけ願望があるとすれば、『彼女が欲しい』ということだろう。
「死んでもいい。彼女だけは作ろう。いや、できなくでもできる限り女の子と友達になりたい」
康弘は一心不乱にゲームパッドを叩きつつ、曖昧な目標に向かって前進するのであった。
次の朝を迎えた、無造作に投げ捨てられたゲームパッドが深夜までの格闘を意味するものだった。
「今日は10時半から3コマ目の授業か。やっぱり朝の授業をとらなくてよかったな」
寝癖を掻きながらリビングへとおり、きれいに並んでいる少し冷めた朝食をとる。時計はもうすでに9時半を回っていた。
「はやく着替えて学校に行かないと、遅刻する」
遅刻は減点だ。3回で1回の欠席扱い。3回欠席で単位未修得となる。
いそいで髪をセットし、テキストの入ったカバンを手に取りチャリに飛び乗った。
時刻は10時前、何とか間に合う時間だ。精一杯無心でチャリを漕ぐ康弘。風が舞い、途中JKのパンチラを拝めそうになったのが幸いだ。
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