キリスト教概論
本学はキリスト教の建学理念に基づき、必修単位である『キリスト教概論』がある。すべての学生が受講するため、成績は甘めに出るが、出席には厳しい。だが、出席すればたいがいOKだ。
康弘は本屋で買った、聖書を片手に教室へと向かうのであった。
「ついた、ついた、305教室」
教室に入ると、ミスズとヒトミちゃんが、仲良く座っていた。
「隣に失礼」
康弘は早速、隣の席に座る。
「なんだよ。お二人ちゃんたちも一緒だったのか。よかった」
「バカが一緒だとはな。まぁ必修だからしょうがない。」
ミスズが相変わらずの口調で言う。
「ヤスヒロ。一緒に授業頑張るにゃ。」
ヒトミちゃんは優しい。
しゃべっているのも束の間、牧師さんみたいな先生が教壇にあがった。
「はい、みなさん。はじめまして。授業は堅苦しいものではございません。みなさんと『神』は存在するかについて、話していきましょう。」
『神』といえば、康弘にとって無縁でもない存在。というかこの世界に直接連れてこられた存在そのものだった。そう、『神』はいるのだ。康弘は無神論者だったが、今では完全に神と直接会話している。この授業はためになるのでないか。
「おい、ヤスヒロ。お前、『神』って信じるか?」
ミスズが問いかけてくる。
「いると思うぞ。なぜなら、俺をこの大学に送ってきたのは『神』だからな。ただ、キリストかどうかまではわからん」
「やっぱりそうか。お前の後ろには神様がついているんだな。そうだとしたらお前、選ばれし者だぞ。普通の人間ではない。バカだけど」
康弘は、頷くとなぜ自分だけ神の存在に関わるのか理解できなかった。しかしながら、『神』は存在するという事実を強く受け止めた。周りの学生たちは『神』はいる、いない。という話を永遠と議論している。確かに、見たこともない人にとっては、信用できないかもしれない。
康弘は、この『神』はいったい何者なのかを考えるようになった。神様でもいろいろいるだろう。
「あいつはいったい何者なのだろうか? 今度、現れたときなんの『神』なのか聞いてやろう」
康弘は、そんなことを考えなら70分授業を過ごした。気が付いた後には教室の皆は去っていった。
「ヤスヒロ、帰るぞ。」
「ヤスヒロ、帰るにゃ。授業は終わりにゃ。」
ミスズとヒトミちゃんが、教室に残り、康弘の意識が戻るのを待っていた。
「おう、悪い悪い。少し、考え事をしていた。帰ろう」
こうして、最初のキリスト教概論の授業は終わった。
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