文学的アプローチ
本授業担当の先生はEASY『A』と呼ばれるほど簡単な課題だけで単位を取れるという有名な先生だ。簡単な授業のためにわざわざ登録する学生が後を絶たない。登録履修人数も優に100人は超えるであろう人気授業である。
康弘は楽勝科目を前に悠然と時を待っていた。初の教養科目の単位を修得できるかもしれないのである。文学の知識はからっきしないが、エロ本や漫画本の知識はある。本を読んだことがあるという事実がある。これだけでも彼に勇気を与えるのであった。
アフロ頭の先生が教室に入ってきた。いかにも奇抜な先生だ。
「はい。授業を始めます。最初にいっておきますが、みんなに単位を与えます。試験はありません。ひとつだけエッセイを書いてもらいます。以上です」
「おお、期待していた通りの楽勝科目」
康弘の顔には笑みがこぼれていた。これでとりあえず単位修得は確実。康弘は文学などなんの興味もなかったが、このアフロの先生の授業を取り続ければ、卒業まで乗り切れるのではないかと考えた。
生徒達には、『源氏物語』や『古今和歌集』などよくわからん古典のお話のプリントが配られたが、康弘はこれを丸めてカバンにいれ、教室外へ飛び出した。
「どうせ、俺にはわからない授業なんだ。課題のエッセイだけを出せばいい」
中庭の芝生に寝転んで、シラバスを眺めた。すると、このアフロの先生はどうやら日本文学の教授で他にも様々な授業を開講してることがわかった。本学は3年生になると専攻課程を決める制度がある。つまり、専攻を『日本文学』にしてしまえば、おのずから先生の授業をたくさん受けれるわけだ。
「さすが、俺は頭がいい。確実に単位を取れる先生についていこう」
康弘は皮算用をし、おおよそ40単位前後は取れるだろうと期待した。残りは教養科目や基礎科目で固めればいくつかは取れるだろう。
芝生の上で寝転がり、卒業に向かっての道程が開けた康弘は妙に気持ちが晴れて、春の陽気も重なり、眠ってしまった。
ふと起きると、桜の木々がせわしく揺れ、風が吹いてるのを感じた。桜並木の校門をチャリで疾走すると康弘は感謝した。
「これで、俺の大学生活は安泰だ。アフロ先生ありがとう」
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