2年生に進級
康弘も2年生に進級となった。しかしながら、単位は全然足らず、一定の授業を取るのであった。その1つに教養科目の哲学がある。教養科目かと思って舐めていると痛い目に合う。この科目の先生は相対評価を取り入れ、必ず成績下位のものに『E』をつける。つまり落第だ。康弘はそれも知らずに、なんか簡単そうだと思い哲学を取るのであった。
ある昼下がりの中、学食でミスズと出くわす。
「お前、哲学を取ったんだってな。バカのくせに高尚な科目をとりやがって」
「なんか簡単そうだとおもったんだよ。ようするに人間の思考を勉強するんだろ?」
「バカ。そんな簡単にも言えないぞ。あたしだって哲学なんてよくわかないわ」
「まぁだめだったら諦めるよ。次を取ればいいんだしな」
康弘はカレーライスをペロリと平らげ、哲学の授業に向かった。クラスに入るとなんか、重たい雰囲気に包まれた空間で禍々しいオーラをまとった生徒たちが机にきちんと並んでいた。
「これは、やばいクラスだ」
康弘は、一瞬で悟ったが、その瞬間先生が教室に入ってきた。
「はい、授業を始めます。みんな席に着いて」
先生はスキンヘッドのおっさんで只ならぬオーラを纏っていた。
「これから哲学的の基礎の授業を始めます。まず、『人はなぜ生きるか?』についてディスカッションしてください」
各々4、5人のグループを作ると、学生たちが答えだした。
一人の学生が答えた。
「ソクラテスってすごいですよねー。僕は彼の思想が好きです。皆さんどう思いますか?」
康弘はため息をつきながら答えた。
「はー。知らないよそんな外人。俺はただ食って、エッチな事考えて、ゲームして、寝る。それだけだ」
学生たちは康弘の意見をあざ笑い、無視して、各々の好きな哲学者の話や人生観について語っている。康弘は異常なほどの孤独感を感じた。
「なんだこいつら、性善説だの、性悪説だの、わけわからん話ばっかりして、つまらないやつらだな」
康弘はこれら学生とは根本的に合わないと感じ、グループから離脱し、教室から抜け出した。
「おい、君どこへ行く。まだ授業はおわってないぞ」
先生が止めに入る。
「ちょっと、トイレです」
そう言って康弘は教室を抜け出し、中庭の芝生に寝転んだ。
「どうせ、俺に『学』はないよ」
ただ漠然と生きている康弘には哲学の授業は難しすぎた。
「最後のテストだけ出よう。ぶっつけ本番だな」
康弘の単位習得はまだまだ先のように見えた。
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