1年生も終わり
康弘は、毎日授業に出席し、単位は保健の授業を除いてはとれそうだ。不得意の英語もウサギ耳のミスズのおかげもあり、楽勝科目へとなった。
サークル活動も、主にフライングディスク部、たまに新聞部に顔だし、精力的な活動を行った。
「あれ、俺結構できるじゃん?」
康弘はある種の自信を身に着けていた。今まで、孤独にテレビゲームに向かうだけの日々。それが一転して、充実した日々を送ることになるとは。もちろん単位は必要最低限しかとってないし、このままでは卒業できないのは明らかだったが、彼には大いなる進歩だといえた。
風が大きく揺れ、また神様の爺さんが現れた。
「お主、よく1年間持ちこたえたな。それだけは褒めてやる。しかし、勉強のほうはまだまだ足りないぞ、相当勉強しないと卒業できないぞ?」
「うるせーじじい!」
康弘は突然現れる神の存在に非常に鬱陶しさを感じていた。しかしながら、彼のいっていることもまた事実。それが余計に彼の癇癪に触れるのであった。
「このままでは、卒業できない。しかし、大学は8年通える。ゆっくりやればいい」
そこに神がまた口を挟む。
「両親は4年間しか学費を払う予定はないようじゃぞ? お前の通ってる大学の学費は知っているのか? 1学期に45万ペリカかかるのだぞ」
45万ペリカ。大学生が居酒屋でバイトしてもらえる金額が時給1000ペリカ前後であることを考えると、とてもじゃないが自分で払える金額じゃない。康弘は焦り始めた。単位をどんどん取らなければいけない。卒業できなければ、爺さんのいう『死』が待っている。
「卒業出来たら、なにもペナルティはないのか?」
神の爺さんに問う。
「何もないが、現実世界に戻ってもお前は老けているぞ。30過ぎてまともな会社に入れるとおもうのか? いずれは就職せねばなるまいぞ」
「そ、その現実話はもういい。たくさんだ」
康弘はその場にあったゲームパッドを叩きつけ、やるせない怒りをぶつけた。しかし、これもまた自業自得であり、現実世界にもどれば、リアルな事情が待ち構えている。そんなことより、現在与えられている猶予を最大限利用し、楽しむことを改めて目標として現実逃避を敢行することを強く決意するのであった。
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