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最初の夏休み

 大学の講義は終わり、春学期の授業は修了となった。秋学期が始まるまで約2か月ほどの休みである。康弘はサークルを2つ入り、1つを仮入部しているので、サークル活動を優先せざるを得なかった。とくに『フライングディスク部』は夏休みも厳しい練習がまっており、公式戦も行われるため、連日のように練習が組まれていた。


 康弘は、お昼ごろから始まる練習のために、みんなが集まる前から、練習の準備作業をしていた。試合に活躍できる見込みがない以上、彼のできることは掃除や道具集めなどの地味な作業である。


「こんにちはっす」


 部室の鍵を開け、誰もいない部屋をと入っていく。康弘を除けば、女子オンリーな部屋なため、部屋全体が消臭剤や香水などの匂いが混じり鼻にツーンとくる。そこへ、一年生のエースミスズがやってきた。この前、酔っぱらった記憶はすでにないようだ。


「おう、相変わらず早いな。ご苦労様。準備終わったらさっそく基礎練習やるぞ」


 康弘は、週3回のサークル活動を通じてわずか3ヶ月ほどであるが、かなりの体力をつけてきた。腕立ては数回しかできなかったのが、10回、腹筋は30回、スクワットは20回とかなりの進歩を遂げている。特に腹筋はミスズの美脚効果もあってかなりの回数をこなす事ができるようになった。


 「よし、腹筋開始」

 

 ミスズが声を上げると、ここだけは目いっぱい力を入れる。ミスズのスパッツ姿の両足がピチピチに食い込んでいて、たまらなく上下運動を繰り返してしまうのだ。規程の30回はあっという間に終わるようになった。康弘には、この妄想時間がたまらないのである。


「お前に1つ告げることがある。来週に『ワカダ大学』と団体交流戦がある。お前にも出場してもらう」

「え。『ワカダ大学』と言えば、常に1部リーグ所属の強豪校じゃないか。俺なんか出ていいのか?」


「お前が少しでも活躍の場を作るために今まで練習してきたんだろ。最低限の仕事だけはしてもらう」

「なにをやれと? 俺はまだフリスビーも投げられないし、取れないぞ」


「ふむ。とにかく、いっぱい走れ。フリスビーを持ってる選手が近くにいたら、ディフェンスしろ。プレッシャーをかけるんだ」

「お前の魔法は効かないのかよ。俺をスーパーマンにしてくれ」


「無茶言うなよ。そんな便利な魔法があったらとっくに使っているわ。それに魔法の使用は規則で禁じられている」

「そうなのか。まぁとにかく相手選手をディフェンスすればいいんだな」


「そうだ、体力の続く限り走ってくれ。それ以上はなにもお前に期待はしていない」

「わ、わかった。とりあえず最善を尽くすよ」


 交流戦が始まるのは1週間後、それまで康弘は必死にミスズの美脚を妄想しつつ、基礎練習に励む日々を送るのであった。

 

 


 

 



 

お読みになり、ありがとうございました。もし、お時間を許すのであれば評価のほうをよろしくお願いいたします。また、これからも投稿してまいりますので、ブックマーク登録も重ねてよろしくお願いいたします。

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