飲み会の終焉
飲み会も1時間が過ぎ、みんなやや、飲み方も落ち着いてきたようだ。しかし康弘は飲み続ける、ウサギ耳のミスズが降参するまで。
「生ビール5杯目。お願いします」
悠然と注文を取る康弘。今日は調子がいい。ミスズを酔い潰せる。確信をもっていた。
「カシスオレンジ。お願いします」
これで都合4杯目のミスズ、もうすでに顔を真っ赤にして勢いだけで飲んでいるのがわかる。
「どうせもう続きはしない。一気に差をつけて、諦めさせてやる」
康弘は猛然と生ビールのジョッキを手にすると、一気にこれを飲み干した。
「どうだ、これで5杯目だぞ。もう諦めろ」
「まだ、勝負はついちゃいない。このあたしがニート野郎に負けるなどありえない」
ミスズは、ちびちびと飲んでいたカシスオレンジを一気に口の中に押し込み、飲み込んだ。
勝負はまだ続きそうに見えた、だが、やはりアルコール初心者のミスズには限界が来ていた。頬が赤く染まり、手が震えていた。
「おい、大丈夫か。救急車呼ぶ前に降参しろ」
康弘は勝ち誇ったかのように言う。
「まだだ。お前が負けを認めるまで飲む」
ミスズの声はもうろれつが回っていなかった。
「ミスズちゃん。もうやめようにゃ。体壊すにゃ」
ヒトミちゃんが止めに入る。
「ミスズさん。飲みすぎですよ。もう止めましょう」
皇女のアマネちゃんが心配そうに言う。
「そうだそうだ、俺はまだまだ飲めるぞ、もう諦めろ」
康弘が言ったとたんにミスズは卓上にバタンと倒れた。
「ぐ、ぐぅ。もう、だめだぁ」
完全にノックダウンだ。ミスズはうつ伏せになって倒れたまま、動かない。
「おい、ミスズ大丈夫か?」
康弘が声をかけると、もうミスズの意識は半分飛んでいた。
「ここはどこだ、もう飲めない。お家に帰りたい」
「わかった。家まで送ってやるよ」
康弘はミスズの肩を持ち、引っ張り上げた。
「こいつ、どこに住んでいるかわかる?」
「学校の寮だにゃ。楓寮ってところにゃ」
ヒトミちゃんが答える。
「後は、任せてください」
アマネちゃんのことを好きな1浪モブ君が助けてくれた。
「よし、この酔っ払いを寮まで連れてく。タクシー呼んでください」
康弘は居酒屋の店員に、タクシーを呼んでもらう旨を伝えると、しばらくお冷をミスズに与え。様子をみた。
「つ、つぎは負けねぇぞ。ニート野郎」
声を絞り出すようにミスズは言う。
「わかった。わかった。とりあえず、今は休め」
しばらくすると、タクシーが来た。ミスズの腕を肩に乗せ、引きずるようにタクシーの中へ押し込んだ。
「国際転生大学まで、お願いします」
タクシーの運転手に行き先を告げる。あたりはもうすでに真っ暗で、繁華街のネオンだけがギラギラと輝いていた。
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