はじめての期末テスト
あじさいが咲き乱れるころ、本校もテストの時期がやってきた。3学期制の本校はテストまで2か月半たらずしかない。当然のごとく康弘の履修単位は必修の英語と体育のみ。
カツカツとヒールを鳴らしながら、先生が入ってきた。
「はい、期末テストを開始します。テストはこの約3か月の間にどれだけみんなに自己紹介ができたかです」
「おお、これは楽勝科目。もうすでに有名人の俺には余裕のテストだ」
「みんな、まだ分かり合えていない人たちもいると思います。ですが、秋も授業は続きます。これからみんなでパーティーを開いてください。これがテスト内容です」
「テストはパーティーを開くことなのですか?」
皇女のアマネちゃんが言った。
「そうです。みんなでどこかお食事に行ってかまいません」
「わぉ。居酒屋『藁藁』にいこうぜ」
康弘は歓喜で叫んだ。
ミスズが間を挟むように言う。
「バカ。わたしたちはみんな未成年だよ。酒飲めないんだよ」
「お前はニンジンジュースでいいだろ。食事をすればいいんだ」
「まぁでも、1杯ぐらいやってもいいですよね。無事に1学期終わったわけですし」
1浪モブ君が言う。
「そう。物は試しだよ。いずれは飲むんだし。練習を兼ねて、居酒屋いこうぜ。俺が幹事やるよ」
ヒトミちゃんが間に入って言う。
「賛成だにゃ。大人になりたいのにゃ」
「そうだ。ミスズ、お前に『ニンジンカクテル』をつくってやるわ」
康弘はミスズにふざけるように言った。
「ふ、ふざけんな。未成年は飲んじゃいけないんだよ。この、おっさんが!」
「いずれは皆、年老いていくものよ。お前もいずれ、おばさんだ。アルコールを飲むのはその儀式みたいなものだ」
「わ、わざと飲ませたりしたら、もう許さないからな。そうしたら、魔法でビリビリさせてやるからな」
「魔法で感電するぐらい、なんとも思わないよ。お前の真っ赤な顔が見たいだけだ。強がってるが、どうせ飲めないんだろ?」
「上等だよ。10年ニート野郎に負けてたまるか。勝負してやる」
かくして、今学期最後の課題は、クラスみんなで飲み会を開くこととなった。なお、この世界では18歳から飲酒できるのを康弘が知るのは、後日のことであった。
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