皇女様はダンス部
アマネちゃんという皇族の方がクラスメイトにいる。着飾っていない、清楚な姿である。Tシャツにパンツルックスタイルがお似合いのカジュアルなお方だ。アマネちゃんの入部するサークルを知ることができた。
『スムーザーステップ』という、ストリートダンスサークルらしい。このことを知った男子学生が入部に殺到。我先にと、王族の婿の権利を獲得すべく皆、意気揚々とサークルの門を叩いているらしいのだ。彼女が動くたびに警備のSPが動く、それの後を追うかのように10数人の男子学生が彼女に付きまとっているのだ。
「アマネちゃん。いやしかり、アマネ様。毎日大変ですね」
ヤスヒロは気遣うように話しかける。
「いや、もう慣れましたよ。わたし、学校では皆平等に扱ってほしいので、敬語はなしでお願いします。『アマネ』と呼んでください」
「さすがに呼び捨ては厳しい。『アマネちゃん』って呼ぶよ。ちなみにダンスサークルは楽しい?」
「楽しいですよ。なんか『ヤリサー』だとかいってチャラいところだと思われてるけど、けっしてそんなことはないですよ。みんな真剣に踊っています。今度の学園祭でもみんなで踊って盛り上げる予定なんです」
「面白うそうだね。よかったら見学させてよ。ちょっと今2つのサークルに入っているからあまり時間は取れないけど、いいかな?」
「大歓迎ですよ。結構掛け持ちしている人もいます。そんなに毎日活動があるわけじゃないので、気に入ったときに来くださいね」
このサークル部員たちはよく、ガラス張りになっている食堂や、部室があるD館と呼ばれる施設の外で踊っているのをよく見る。彼らは、リズムを取り合い己の姿を確認するように鏡を見て練習しているようだった。正直ダンスには全く興味のない康弘ではあったが、皇女様のお知り合いということで仮入部することとなった。アマネちゃんが言う。
「合わなかったら、辞めてもいいですからね」
「いや、いま入ってるところも微妙なんだよ。特にフライングディスク部がね」
「ミスズちゃんね。彼女は負けず嫌いなところあるから、厳しいそうですね」
「そうそう、特に俺に厳しい(笑)」
康弘は、彼女を狙う男子学生を尻目に、なんなく友達関係を築けた。やっぱりクラス分けが神だった。クラスに皇女様がいるなんて、普通はありえないからな。ラッキーを妄想に変え、いろいろと想いにふける。もしかしたら『ワンチャン』あるかもと考えながら、校門をチャリでくぐり、疾走するのであった。
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