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目覚めた時には

前回、気を失ってしまった主人公。

その主人公を助けてくれた男との会話が始まる。

(どこだ。ここ)


気を失っていたオレは目を覚ました。

気を失う前にオレは猪に襲われかけた。

そこに誰かが現れて助けてくれたことまでは覚えている。


そこからオレはどうなったのか。

そのままそこで寝ていたのか。

状況を把握するためにオレは上体を起こして、周りを見回した。


すると、すぐ近くで火を起こして座っている大柄の男がいた。

辺りはすっかり真っ暗になっていて、夜になっていた。

そこで大柄の男は火を起こして、食事の用意をしているようだった。


オレは大柄の男に声を掛けた。

「あの…」

大柄の男はこちらに振り向いた。

「おう。目が覚めたか。」

「あの、あなたが助けてくださったんですか。」

「まあな」

大柄の男はあまり口数が多くない印象だった。


「猪から守ってくれただけでなく、ここまで運んでくださったんですか?」

周りを見渡すと自分が猪を狩ろうとした場所とは違う場所のようだった。

「あのままほっといてもよかったんだがな。助けた手前そのままにするのも目覚めが悪くてな、悪いがオレの拠点まで運ばせてもらった。」

「そうなんですね。ここが拠点なんだ。」

拠点と言っても何か特別な設備があるわけでもなく、石が椅子のように使われているだけだった。


オレは拠点と言われるこの場所を見渡して、少し疑問が出てきた。

「あの…すみません。他の人は狩りに行ったりしてるんですか?」

「他の人ってなんだ?」

「えっ!?グループを組んでるんじゃないんですか?」

今は多くの人がグループを組んで狩りなどをして生活している。

だから、オレはこの人もグループを組んで狩りをしているのかと思った。


「オレは誰とも組んでいない。一人で生活をしている。」

「そうなんですか。みんなグループを組んで生活しているものだと思ってました。」

「大半はそうだろうな。だが、オレはグループを組んではいない。」


大柄の男がそういった後、しばらく沈黙が流れた。

そしたら、大柄の男が口を開いた。


「お前は仲間はいないのか。」

「オレも一人なんです。」

「なぜだ。」

「オレ、能力がないんですよ。まだ発現していないだけかもしれないんですけど、とにかく能力を使えなくて、そんなオレと組んでくれる人がいなかったんです。」

「そうか。オレは誰かと組むなんてことが性に合わなくてな。最初から一人で生きている。」

「そうなんですか。」


「でも、すごいですね。猪を素手で止めるなんて」

「別に大したことではない。」

(野生の動物を素手で止めるなんてかなり大したことあると思うんだけどな…)


「もういいだろ。お前も自分の寝倉に帰れ。」

「それが自分はあなたのような拠点がなくて…」


「そういえば、お名前聞いてませんでしたね。」

「名乗るような名前はない。」

「そう言わずに教えてください。命の恩人なんですから。オレは小宮こみや しんと言います。」

「あまり自分の本名を語らない方がいい。」

「なぜですか?」

「お前、文明が滅びてからあまり人と接してないだろ。」

「はい、まぁ…」

「文明が滅びてからあまり本名を口にするものは少なくなった。」

「なぜですか?」

「正確な理由まではわからん。だが、こんな世界になってしまってはあまり自分の本名を語りたがらないだろう。皆、自分で名前を作っている。」

「そうなのか。でも、急に言われても思いつかないな…」

「お前の場合はシンでいいんじゃないか?」

「なるほど。そんな感じでいいのか。」

「わかったらさっさと行け。」

「いや、せめてお名前だけでも…」

「この先二度と会うこともないかもしれんのに名乗る必要はないだろう。」

(頑なだなこの人…)


そういわれてオレは大柄の男の元を去ろうとした。

今回初めて主人公の名前を出しました。

今後主人公がどのように生きていくのか。

お楽しみください。

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