その日文明は滅びた
突然文明が滅びる
ここから主人公の冒険が始まる
「人多いな…」
オレは今、渋谷にいる。
不況の煽りを受けて会社をリストラされ、絶望を感じたオレは意味もなく渋谷駅に降りた。
初めて渋谷駅なんて降りたけど、すごい人の数だ。
若い子が多いし、みんな満ち足りた顔をしてやがる。
オレはやっとの思いで入った会社をクビになってこんなに気持ちが落ち込んでるのに…
オレは自分が理不尽な扱いを受け、ショックを受けていることをいいことにそんなことを渋谷の人ごみに向けて思っていた。
渋谷に降りて何がしたかったわけでもなく、ただハチ公の近くでスーツを着て、座っている。
(このままじゃ職質されそうだな。)
そんなことを空を眺めながら考えていたその時
空が緑色に光った。
滞りなく流れていた人たちが一斉に足を止めて空を眺める
スマホで写真を撮っている人もいた。
「すごーい!!何あれー!!」
「なんだ!?何が起こっているんだ?」
そんな声が行きかっている中
それは突然起きた。
しばらく、空が緑に光った後、町中の機械が一斉に崩れ始めた。
大型モニターも電車もみんなが持っているスマホも
そして、そこら中から木や草が大量に生えてきた。
「なんだよこれ!?」
「やだ!どういうこと!?」
さっきまでと打って変わって人々は激しく動揺した。
でも、そんな人間の意志など関係ないかのように自然が一気に広がった。
この日文明は滅びたのだった。
今回は物語の序章
ここからはしばらく主人公の成長を描きます。