表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

「第一話 魔王」

 俺は気が付くと暗く何もない空間に立っていた。

 その時だった。

「人間よ。我が名はアレス・グラベルド!!かつて世界を支配した暴虐の魔王だ!!」

 頭の中に直接声が響き渡ったのだ。

 ていうか魔王?

 こいつ何言ってるんだ?

 そして俺は今どういう状況なんだ。

「魔王か何だか知らねえけどここはどこなんだ!何がどうなってるか教えろ!」

「ただの人間ごときがこの私に向かってなんだその口の利き方は。まあ良い。教えてやろう貴様の今の状況を。まず貴様は先ほど死んだ。ここまではいいな?」

 やっぱりな。

 あの時俺は女の子をかばってトラックにはねられて死んだんだ。

 我ながらかっこいい死に方ができてよかった。

 欲を言うともっと生きたかったんだけどな。

「そこで貴様に朗報だ。魔王としての私の力を授かるのと同時に俺の元々いた世界に転生させてやる。つまり貴様が元々いた世界ではないが復活させてやる。」

 こいつ自分のことを魔王とか言ってるけど大体何でこんな俺なんかにわざわざ自分の力を与えてそしておまけに転生までさせてくれようとしているんだ?

「一つ聞きたいんだがお前の意図は何なんだ?それが知りたい。」

「理由などない。魔王の遊びだと思って素直に受け入れるがよい。」

 随分と胡散臭いな。

「ちなみにこれ断るとどうなるんだ?」

「断ればこれから一生何もない空間で過ごすこととなるな。」

「それはいやなので転生させてください!!」

「待て!転生の前に私の力を与える!」

「ああ、はいはい。」

 魔王の力を持った状態でどこぞの異世界に転生できるんだ。

 これから暗闇で一生を過ごすのとは随分違うな。

 その時だった。

 俺に全身が燃えるような苦しみが降り注いだのだ。

「ぐわあああああああ!!!!」

 すると魔王は口を開きこう言った。

「やはり無理か。」

 俺が最後に聞いた言葉はそんな救いようのない言葉だった。


 目覚めると俺は見知らぬ森の中で倒れていた。

「ここは?」

「おお!目覚めたか人間よ!」

 どこかで聞いた声がまたもや頭に響き渡った。

「おい!魔王!これはどうなってるんだ!?マジであの時死ぬかと思ったんだぞ!?」

「ふむ。貴様は今まで誰も耐えれなかった魔王である私の魂を取り込むことに成功したのだ!喜べ!常人ならあの時魂が崩壊し闇の空間で過ごすよりももっとやばいことになっていたぞ。」

「魂を取り込んだ?お前あの時私の力を与えるって言ってなかったか?お前本体が付いてきてどうするんだよ!」

「アンナのウソに決まっておろう?魔王の力を持った状態で転生できると知ればこれを断る人間はそうそういないだろう?私の真の目的はそう!魔王完全復活しこの腐った世界を支配することだ!!ま、この世界に再び復活できたがそれは貴様の魂をよりどころにしてできたことだ。完全に復活したわけではないがそれはよしとして貴様にはこれからこの世界を支配するためにいろいろとやってもらうからな!」

「やっぱりな!怪しいと思ってたんだ!ていうか世界を支配って。そんなことやるわけねえだろ?それにこの体の所有権は俺にあるんだろ?そして魔王の力を使ってこの世界でのんびり生活していかせてもらうよ?」

 当たり前だ。

 世界を支配って。

 確かに魔王としての力を使えばできないこともないのかもしれないが。

 俺は平和が一番だと思ってるからな。

 そんなことはごめんだな。

「お、おい!待て!」

「なんだよ。まだ何かあるのか?」

「ふん。まあいいだろう。この世界の実情を自分の目でしかと焼き付けることだな。そうすれば貴様の気持ちも変わるだろうよ。」

 なんだ?

 この世界そんなにやばいのか?

「ていうか魔王。この世界ってどんな世界なんだ?」

「そうだったな。まだ説明してなかったな。私がこの世界にいたのは今から約300年ほど前のことだったからいろいろと変わっているかもしれないから詳しいことは言えないな。だが言えることとすればこの世界にはレベルやステータス、スキルや魔法、モンスターなどが存在しているということだな。」

 まるでRPGゲームみたいな世界だな。

 はあ。

 これから俺はこの魔王と一緒に生活していくと考えるとなんかなあ。

 一体これからどうなってしまうんだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ