インキュバスの街
「まぁ いやだわ こわいわ なんの数字かしら」
ナベちゃんが腕で胸をかかえてコワイコワイと言うポーズをとっているが怖がっている風には感じられない
竜車の傷はなんの術式も施されていない傷のためそのままにして様子を見ようということになり
傷を消さず僕たちはインキュバスの街へと入った
この街には城壁らしきものがない、昔あった痕跡はあるが崩れ落ちてしまっていた
街の中はゴミひとつないがなにか殺風景でヒリヒリとした威圧感を感じる街だ
僕らは争いや厄介事をなるべく避けたいためこの街をさっと通り抜けたかったが街の中で夜になってしまった
どこにいても目が光っていそうなこの街でポータルを安易に使うこともためらわれたため
仕方なく宿をとることにした
宿の竜車場に竜車を止めて宿にはいる
「いらっしゃいませ」
宿屋の店員は愛想もよく清潔感のあるおしゃれなチョーカーを首につけたエルフ族の青年風の男だったが
僕は宿屋と族との内通も考え一応先手をうっておいた
スキルプログラミング
「感知してコール」
”もし 竜車の 10メートル以内に何者かが入ったら カンナに コールする”
これを客車にかけておいた
(我ながらネーミングセンスがわるいな)
カンナにコールになっているのは傷の確認にきた何者かをつけてもらい組織の全貌を明らかにするためだ
竜車に傷がついた時点で行った緊急会議の中で車輪についた”3”の
傷が何かの合図であれば何者かが確認に来るであろうと考えたことから密偵役を募った所
タマちゃんアルミちゃんが騒がしく手を上げていたのだが
「カンナちゃん おねがい」
ラミスちゃんの一言で姿を消すことのできるカンナに軍配があがった
いつも面倒くさがり屋のカンナなのでなにか文句をいうのかとおもいきやラミスちゃんに直接任命されたのが
うれしかったのかフフンと言いながらアルミちゃんやタマちゃんのまわりを回っていた
宿は別段変わったところもなく翌朝を迎えたのだがやはり睨んだ通り宿屋と族は内通していて
夜のうちに竜車になにものかが接触したもようだ
「なんかー すごくー つかれたんですけどー おはだがー あれちゃうんですけどーだれかー ヒールくれませんかー」
朝 スパイ行為を終えたカンナが目の隈を気にしながら帰ってきた




