C地区~インキュバスの街へ
僕らが旅立ったのは2日後の朝だった
サキさんは先頭に自前の竜車をたてそれに従う形でB地区をでる
サキさんの竜車は真っ白な竜にきらびやかな客車であり非常に目立つ
サキュバスの街ではこの竜車に特別な意味がある(政令により保護されている)ため
治安の悪いC地区でもめったに襲われることはないだろうということだった
C地区の移動中窓の外を見ると至るところに物乞いの姿を見る
ここはサキュバスの街で散財し故郷に帰れなくなってしまった者たちの最後の岐路となると言われている
C地区ではまだこの街の行政が機能していて日雇い労働者向けの仕事を発注しているため真面目に
働いてゴールドをためれば故郷へ帰るくらいの旅費は工面できるだろうと行政からは思われている
しかし実際はゴールドは仕事を発注する街の行政の横領とそれをとりまくインキュバスたちの搾取構造の中にありゴールドを貯めることができないのだ
仮にたまったとしても力ずくで奪われるかサキュバスの街の甘い誘惑に負けまたC地区に舞戻り地道に暮らすか
さらなる危険な賭けを求め自らインキュバスの街へ身を落とす者が大半なのだ
サキさんの竜車の効力はサキュバスの街だけでこの街を出るとかえって目立つため
街の出口で御者と竜車を帰し僕らの竜車に乗り込んで移動となった
「ラミス様 ぼうや また おじゃま するわ ねぇ ふふ」
なにかとちょっと透けてるような服を着ているサキさんは僕とラミスちゃんの前に座ってスリットの入った
足をゆっくりと組み替えた
御者席ではタマちゃんとアルミちゃんが仲良く二人で座って竜を操っている
ナベちゃんは客車の後ろの方で本のような物を読んでいる
カンナは事あるごとに文句を言うのでサキさんがスキルで少しだけ気持ちよくさせてあげているらしい
竜車はこんな感じでアットホームな感じであったが冷静に考えると元魔王とその配下の四天王、賢者に勇者が
乗っているのである(ははは これ以上の災厄はないだろう)
僕らがインキュバスの街へ踏み入ろうとしたとき
インキュバスたちはその力を手に入れようと画策していた
突然 竜車が止まる
「あらやだ 竜車が止まりましたわ タマちゃん どうしたんですの?」
本をしまい客車から御者席へ声をかけるナベちゃん
「アルミがおならしたにゃ」
「・・・・・」
「えええ 僕はそんなことしてないぞ タマ 」
(たとえしてても竜車は止まらないだろうよ)
突然の下ネタ振りにアルミちゃんは真っ赤になりながらタマちゃんをポカポカ叩きながら怒っている
「ははは いや ジョークにゃ あそこに道を塞いでいる竜車がいるにゃよ」
僕らが客車から顔を出すとそこには路肩のくぼみに車輪のハマった1台の竜車があった




