表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/100

魔王城の憂鬱

「むふふ この薄汚い強欲な王に比べなんと美しいことよ 妾はリストがたどり着くのをたのしみにしておるぞ」


 漆黒のドレスをきた美少女魔王ラミスは怪しく光る水晶をうれしそうにのぞきこむ


 ラミスは悪ではないがその強すぎる力故に魔王と呼ばれる

 もはや破壊や蹂躙はもう面倒だけのなにものでもない

 数千年前、我が欲の為に絶対的な力でほとんどのものを蹂躙し尽くしこの世界を我が物に

 しようとしたのであったが神との戦いによって女系の神罰をあたえられてしまったのだ

 しかし神もその時の戦いの痛手は大きく

 その後おたがい干渉をできるだけ避けるという暗黙のルールが

 できあがり今に至っている


 精神年齢お年ごろのラミスに残ったのは孤独という枷であった

 弱すぎる人間の男たちは自分と相対するだけで怯え竦んでしまう

 数千年前の蹂躙の再来を恐れた人間たちは忖度し魔王討伐という名において独身勇者一行パーティーを

 結成させ一年に一度程度魔王に相対しても怯えることのない装備と力で送り出していた

 なぜ大義名分が魔王討伐なのかは人間側の大人の事情であることは察するに優しい

 いや...広義でいえばラミスを討伐(落とす)するのが目的なのにかわりなかろう

  しかし何分にもパーティーは熟年ツワモノ揃いのごつい輩ばかりでラミスのお眼鏡に叶うものは

 いままででてきていなかった

 しかしいつか必ず自分の王子様が現れると信じていた

 ラミスは毎年自分にできる最大限のおもてなしを用意してきたのだった


 そんな唯一の楽しみの年間行事がある時を期にぱたりとなくなってしまったのだ

 密偵をおくり調べた結果、王自らが横領を働きしわ寄せとしてこの年間行事が削られたというのが

 真相であったようだ


「くっ 人間どもを信用していればこのことよ.... 」


 報告をうけたラミスは涙目でサンドバックをたたくのであった

 いっそのこと国ごと滅ぼしてしまおうかと考えたのだが神との暗黙のルールもひっかかり

 思案していた

 そんなラミスをみかねた家臣であるカンナとナベンナは女王のため一族のためと

 ラミスのパートナー探しをかってでたのであった

 ラミスの力により現世と異世界ともにもっとも自分に適しているであろう血をさがす

 カンナはその血を自分の身を持って召喚しナベンナはその血をラミスにもっとも好まれるもの

 とするために働くのである

 ナベンナにとって難しいのはラミスの最も好むもの=傀儡ではないということだ

 ゆえに大掛かりな脚本を考えプラゴミン討伐を最終テストの判断材料としたのだった

 たとえ数十年かかろうとも・・・永遠を生きるラミスにとってそれは取るに足らない時間なのだから


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ