薬草
その日は天気もよく野山を散策するには絶好の日和であった
「リスト 今日はデートだね 私 は じ め て 」
(なんで は じ め て? あーそーいや僕も女の人と2人でこんなふうに歩くの初めてかも...)
「みゅー めてめてー」
みゅーはラミスちゃんの肩から頭によじ登ったり忙しそうだ
「あ 薬草 なにからとるの」
「んー とりあえず スタンダードなものだとオコリンボ草からつくるポーションね」
このポーションはいわゆる低レベルポーションであり廉価で一般冒険者はもちろん一般家庭でもよく使われている
名前の通り副作用は少々怒りっぽくなるというものだが冒険者の中には冒険前に飲んで士気をあげるという使い方
をするものもいるらしい
ラミスちゃんは道端の草を採ると指先でつまんで回す
「これね 道端で採ったものは形も悪くて分かりづらいんだけどこの草は群生していることが多いからさがしてみよ」
山道沿いからそれ、川沿いから山の中に分け入ると今まであった草が嘘のようになくなる
これは背の高い木々が光をさえぎり低い草たちは育たなくなるからである
そんな薄暗い中にありながら直径数メートルの草のサークルをつくっている場所が有る
「あそこだよ」
ラミスちゃんはそのサークルを指差す
近づいてみると確かにさっき道の端からとったものに似ているが葉はしっかりしていて中には小さな花をつけているものもあった
「さ とろ」
「ミュー ろろ」
みゅーは肩から腕をつたって下に降りたいらしい
僕らは草を袋につめてゆく
一つのサークルから6割程度だけとり次にゆく。これはそこにはえているものの絶滅を防ぐためのテクニックだと
ラミスちゃんがいっていた。元魔王の言葉だけに重みが有る
一時間ほどオコリンボ草をとると2人の袋はいっぱいになった
「じゃあ かえろうかー」
僕は腰に袋をつけながらラミスちゃんを呼んだ
「うん かえろう.....リスト....ずっといっしょにいてね」
突然なにかを思い出したように僕の腕を取りながらラミスちゃんが言った
帰りはもちろん転移ゲートを使う。これからここへ来るときも転移ゲートを使えばいいやとおもっていたが
ラミスちゃんと2人のときは歩いてくるのもありかなと密かにおもったのだった
家につくと早速ポーションづくりのため屋根裏にあがる
機材はこの世界一般に使われる魔法調理具だ
お湯が煮え立った頃に薬草を加え煮込んでいく
このオコリンボ草は煮込んでゆくと独特の粘りをだす。これをスティック型で食べることもできる
容器にいれてできあがりだ
ポーションはそのまま食べることもできるようにしてあるらしいが一般的な服用方法は
上方3分の1程度のところを折って中の液を飲むあるいは飲ませるようにするらしい
この容器を僕はなんとなく気に入ってバリバリ食べていたら手伝いにきていたカンナがギョッとした
顔で見てくるので食べるのは少し自粛しよう
煮詰める時間もあわせ3時間ほどでポーションは50セットほどできた
明日は街へこれを売りにいこう




