始まりの草原2
時間にして数時間は歩いただろうか歩きながら思いついた呪文を唱えてみるが
どうやらファイアだけが使えるようだ
しかもその火はライターの火と遜色ない大きさであり到底なにかの敵にでくわして使えるような
しろものではない
だよね・・・
リストはなぜか少し納得した
ちかくに落ちていた石と木をひろった
護身用ならひとまず石とこの棒があれば....そんな考えが浮かんできた頃から徐々に不安が胸に宿る
て・・・敵なんていないよね...
ガサッ.....見たことのない形の小動物が走りすぎた
自然の音が怖い.....風の音が怖い....どこかで鳴いている獣の声が怖い....沈黙が怖い....
すがすがしい青空のもと誰しもが開放的になれるであろうこんな空間ですら
孤独なリストを蝕む
ちょっと怖いよー...いや...かなり怖いよこの状態...
だれかたすけ.....そう思った瞬間......
「....少し休んだらいいとおもうよー?....」
背中に人の声を感じた
「ん だれ?」
振り返るとと自分が今通ってきたばかりの場所に
真っ黒な服を着た青い髪の美少女が浮いていた
「あれ...さっきまで....」
なにも警戒しなかったことをちらりと頭のすみで悔やんだが
なにより人と出会えたことがうれしかったのだ
「こんにちは...」と焦りをさとられないよう 紳士的にあいさつをかわすことにした
「こんにちはー」...少女は少し照れた仕草を見せながらあいさつをかわした
ああそうだ....ここはとりあえず人のいそうなところを聞いておいたほうがいいだろうな....
「この辺に町や村はないですか?」
少女はこの世界のことを何も知らないことをみすかしているかのように
少し説明的な口調で喋り初めた
「さて...いきなりですがーあなたはこの世界で勇者となってふえつづける触鬼
と戦っていただきまーす 」
おお...(リアルRPGなん?あなたはGM様なん?本気なんですか?どうゆうことなんですか?)そんな考えがリストの中で
渦巻いている
少女はこちらをちらりとみると目をそらしたままいそいそと話を続ける
「私は国王側近の秋カンナ.. カンナと呼んでくれたらいいわよー
その昔ー,ここキッチン王国は国王シンクタライオンの強大な
力に守られ平和な国だったんです。
しかーしそこへ突然プラゴミンという悪魔がやってきて
国王シンクタライオンに傀儡魔法をかけたのー
傀儡化した国王はその力を失い街は魔物にさいさい襲われるようになってしまったのー」
「あ....はぁ...」 呆けた顔で頷く
「プラゴミンがやってきた時,私はちょうどこの国にいなかったからー
母国へ帰った時あまりの国の腐敗の様に驚き絶望した私は禁忌である
召喚魔法に身体を捧げー勇者..つまりあなたを召喚したのー」
「ひとまずここから北に向かって行くとそこに町があるのでそこへ向かってくださいなー
街の手前に街を見下ろすことのできる丘があるんでそこでまたあいましょうね
この辺はモンスター少ないから景色でも眺めながらゆっくりとくるといいよー」
そういってウインクすると煙とともに消えてしまった...
ああ...消えちゃうんだ まぁ驚かない.... この世界はそんなもの..と 考えることにした。