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転生したので狂信します  作者: 枝無つづく
最終章:『転生者たち』の物語

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あとがき

    ──【転生したので狂信します】──

    ── 【 √ The Rule And Teller 】 ──

    ───────END────────



 これは、とある転生者と天使の珍道中の物語。

 土砂降りから始まり、雨上がりで終わる旅路の物語。



 ……というわけで、まずは読者の皆様にはここまでお付き合いいただいたことへ心よりの感謝を。


 感想への返信文があまりに長くて一部界隈では文通の人とまで呼ばれてる作者らしいこと『枝無つづく』です。


 はてさて、読者の皆様からつっこまれてしまう前に自分から先に言ってしまいますが……いや、長ーい物語になりましたね。

 750話(番外編抜き)とか、ワンピースの原作で言ったら連載約十七、八年目あたりで大体ドレスローザの頃ですよ?

 文字数で言ったら現在のFGOのストーリーテキスト全部合わせたよりもたぶん多いはず(最近の広告で『500万文字以上』って言ってましたし)。


 プロの週刊連載漫画とかソシャゲのテキストとネット小説で比べるのもあれですが……もう完全に自画自賛なのわかってて言わせてくださいな。


 執筆期間のほとんどで普通に仕事して残業してって生活しながら、ずっと週二投稿で6年くらいかけてこれを書ききった作者結構ヤバくないですか?

 この質と量でこの投稿ペースって『すごい』通り越して『馬鹿じゃないの?』ってレベルじゃないですか?


 いや、このペースじゃないと書きたいシーン全部書くのに一生かかっちゃうし読者の興味も保たないのはわかってるのでこの作品が納得行く形で完成しなかったってのもありますけども。


 まあ、そんな作者自身もどうかと思いますが、この文字数にお付き合いくださった皆様も結構やばい部類の人(褒め言葉)ではないかと思います。

 特に最初の方の序盤が改行とかを読みやすく書き直す前で文字が詰め詰めだったやつをリアルタイムで読んでついてきてくれていた人がいるとしたら、本当に見放さずに最後まで付き合ってくれて大感謝です。


 その上で……ここで質問を一つ。

 これまで何人かこの作品のレビューを書いてくださった読者様もおられますが、この物語を読了してみて、もしもその上で、あなたが誰かにこれを勧めるとして……この物語は、『どんな物語』だと語られるのでしょうか?


 最近流行りのテンプレートな転生無双系?

 バトル盛りだくさんの異能ファンタジーバトル?

 勧善懲悪の筋が通った人情物語?

 様々な理由から普通の人生というものを歩めなかった人々の少し歪な人間ドラマ?

 それとも、互いに傷ある主人公とヒロインの濃厚な青春恋愛小説?

 あるいは、インモラルな異種族愛欲譚?


 仮に、その枠に当てはめて紹介してみるとして。

 もしもさらなる詳細を追及されたとしたら、どう答えるべきなのやら。


 親子が憎み合う殺し合う親子の不和が基本思想みたいな物語かと思えば、最終決戦が『親との和解』の話だったり、かと思えば最後の最後でまた良くないパターンの家族の思い出話が浮上したり。


 昨今よく聞く『配慮』に気を払ったような内容かと思わせる部分もあれば、それを一蹴するかのような展開も連発したり。


 果ては主人公の性別ですら言い淀むことになるかもしれません。


 なんなら純ファンタジー系の作風かと問われれば、変形合体する巨大ロボット(しかも地球産)まで出てくる始末。



 うーむ……我ながら捻くれたストーリーライン。

 しかし、そうやって見ると、それはそれは『なんとも言い難い不思議な物語』とも表現できるかもしれませんが……ここで、作者の世間話を一つ。



 実は作者、仕事帰りにラーメン屋に行くのが結構好きな人でして。


 いつもの道の途中にラーメン屋があるとつい味を確かめたくて一度は行ってしまう、特にお気に入りの店ができると何回も行ってしまうというタイプなのですが、これは数年前に見つけた『お気に入りの店』のお話。


 その店のラーメン、近所の他の店のラーメンよりもちょっとだけ高かったんですよ。


 別に、何か他では食べられない奇抜な食材とかを使ってるわけでもなければ、とんでもないサイズでコスパ最強というわけでもなく、構成要素を挙げれば他にも同じようなラーメンが出てくる店は近所にあるわけで。

 なんなら『ラーメンを食べる』という目的を果たすだけなら、別にスーパーのインスタントでもいいし、当然その方が何百円も安くてお得なはずで。


 なのに、何度もその店に寄ってしまう。

 他のラーメン屋に行けば相対的に何百円かは得をするとわかっているのに、何度も通ってしまって、しかも食べた後も不思議と『損をした』という気にはならなかった。


 そして、先日その店が閉店してしまってからは、そこを通るたびにまた営業再開していないかなと今でもつい視線を送ってしまいます。



 と……まあ、何が言いたいのかと言えば。

 きっと、『美味しい』とか『美味しかった』とは、そういうことなのだろうと。



 日常の無数の選択肢の中、多少のコストや手間を認識しているのに、ついつい『それ』を選んでしまう。


 構成要素やタグ付け、分類や評判とは関係なく、『ファンだからこうする』なんて過去の宣言に沿った自己定義からじゃなくて、無言実行でいつの間にか『ファンみたいなこと』をしてしまっている。


 数字や客観で見れば他の選択に比べて大きな損をしているように思えるのに、損をした気分にはならず、『それ』の供給がなくなってしまうと喪失感に襲われてしまう。



 そして……それはきっと、小説でも同じ話ではないかと思ったりします。


 こんなふうに言ってはなんですが、所詮は星の数ほどあるネット小説の一つ。

 読破しなければ罰金があったり先生に怒られるというわけでもなし、手に入れるために払ったお金の元を取るために読了しなければという話でもなし。


 改めて作者が言うのもあれですが、この文量ですよ?

 これを読む時間で他にやれることもたくさんありますし、なんなら同じ環境で読める作品なんて、今のネットには数え切れないくらいにはたくさんあります。


 けれど、なんだかんだでここまで読み続けてしまった。


 きっと、『好きなジャンル』のドンピシャとも言い難い。

 きっと、『物語を面白くする要素を忠実に押さえた王道作品』とはとても呼べない。

 そして、『いつも文句無しのハッピーエンドの大団円になるからハッピーな気分になりたくて読んでる』とも少し違う、時に辛くて時に悲惨で重々しい展開も多々ある物語。


 この物語が『なんとも言い難いもの』であったとしても、他に時間を使うよりもページを捲ることを選び続けてしまったというのは……『どこが特に良かったかはうまく表現できなくても、とにかくなんだか面白かったから』でなければ、そうそうあり得ないことではないかと。


 他人に紹介しやすいジャンルや分類といった概念はともかく、ここまでお付き合いくださった読者の皆様にとって『面白い話』と思えるものであったからではないかと、そうあってほしいと作者として心より思います。

 この長さもまた、『楽しい時間がたくさん味わえた』と思える要素であればここまで走りきった甲斐があります。


 そして、願わくば……この作品がなにかしらの『生まれ変わり』のきっかけになれば。


 いつか、どこかで人生を振り返った時に『この物語との出会ったあなた』が、『この物語と出会わなかった場合のあなた』と違う人生を歩めているのだろうと感じていただけたなら。


 もっと欲を言えば……その時に振り返って『偶然あれに出会ってなかったら自分の人生はどうなっていたんだろう』と、少し恐ろしく思えてしまうような、そんな存在となっていればと思います。


 ……とまあ、そんなわけで。

 いつもの如く、今回はこのあたりで。


 これまで作者が並べた言葉の数々に、そして、狂信者さんやテーレさんたちの珍道中にお付き合いくださったことに深く感謝を。


 感想などありましたらお気軽にお寄せください。

 ついでに、よろしければ特に好きなシーンや好きなお話などを何か一つ挙げてくださると今後の参考になりますので、よろしくお願いいたします。


 ご愛読、ありがとうございました。








 それと……これは蛇足になりますが。

 余韻を味わい終えてもまだ少々口寂しいという方は、pixivの方で『枝有つづく』という名前で『おまけ的なもの』や趣味で作ったSSも置いてありますので、もしお暇があれば『転生したので狂信します』のタグ検索からどうぞ。


 まあ……そちらは後々、本編では書けなかったIF展開や『なんでも許せる方向け』のあれこれなども置いていくつもりですが、それらに関しては自己責任ということで(少なくとも本編の余韻を充分に楽しみ終えて落ち着いてから触れてみることをおすすめします)。


 そして……そちらとは別に、少々『外伝』を語りたいと思っている本編キャラがありまして。

 そちらはいずれまた時間が取れればこちらのサイトに出そうかなと思っておりますので、よければその時はまたお楽しみにということで。



 ではでは改めまして、作者のモチベーションを支えてくださった本当にたくさんの感想やレビュー、いいねやブックマークなどのリアクションに心よりの感謝を。

 その上で、もう一度お付き合いいただける機会があれば……また、その時にお会いしましょう。


 全ての読者の皆さま、本当にありがとうございました。


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