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転生したので狂信します  作者: 枝無つづく
第十一章:『堰』破りし『超越者』

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第390話 愛欲少女

side ???


 時折、ふと思い浮かぶ記憶がある。

 何年も昔のこと……まだ、何も知らなかった頃の記憶だ。

 子供の自分が、疑いもせずに馬鹿正直に取り込んでしまった、染み付いてしまった言葉だ。


『私たちに生まれ持った使命なんて、本当にあるのかな? 喉が渇いてて水が欲しくなるのとかは使命って言わないけど、私たちが使命だって思ってるものと何が違うのかな?』


 忘れるべきものだってことはわかっている。

 危険な思想、棄てるべき過去、人生の汚点だ。

 だが、完全に忘れることができず、気を抜いた時にふと記憶の底から浮かび上がってくるのは止められない。


『水はずっと飲まなかったら死んじゃうけど、使命はそうじゃない。もしかしたら……私たちが使命なんて呼んでるものって、そこまで重くも大きくもないものだったりするかも……なんてね』


 忌まわしい、煩わしい。

 裏切られてからも、騙されていただけだと知ってからも、あの頃のことが棄てきれない自分が嫌になる。

 早く現実に戻るべきだ。また、過去からの毒に心を蝕まれない内に。


 現実に……


「もしもーし、大丈夫ですか? 気持ちいいのはわかりますけど、お風呂で寝ちゃうと危ないですよ? もしかして、熱中症とかでヤバい状態ですか?」


「ん…………悪い、シックス……訓練で疲れて……っ!」


 霧がかかったように白んだ視界。

 目の前の人間の気配に反射的に体が緊張し、その首を掴んで寄りかかっていた石の台に押しつける。


 体が液体に浸かっていた。ここはどこだ。

 熱い、装備がない。ここは……


「うぐっ……あ、の……苦しいん、ですけど……」


 ここは……温泉、だ。

 押さえつけた相手は女で、体を隠していた布以外は凶器も何も身に着けていない。

 石の台と思っていたのは浴槽の外の床面で、反射的に動きにくい水中から脱出した俺は客観的に見れば『温泉の中で床の上に女を押し倒した状態』になっている。


 つまりは……


「もしかして……わたし、今から処女、奪われちゃうんでしょうか……?」


 完全に、言い訳もできないほど事案だった。




 数分後。

 完全に意識が覚醒して女を解放した俺は、お湯に浸かった状態で正座していた。いや、させられていた。

 目の前で、同じく正座で正対する女(タオル着用)に強い視線を浴びせられながら。


「寝ぼけてやってしまったのは理解しました。ええ、常在戦場の心構えで生きていることは立派ですし、微睡んでいる時にうっかり癖が出てしまうのはしょうがないことです。しかし、だからこそ公共の場所ではある程度の意識を保ってそれを抑えねば危ない。さっきのは危なかったですよ。お風呂場で後頭部を打って死ぬというのはわりとよくある話なんですから」


「さっきのは本当にオレが悪い……後で、慰謝料は払う。口止め含めて十分な額を書いてくれれば……」


「そういう話ではありませんよ。お金ではなく反省と今後の改善の話をしているのです。わたしでよかったものの、女の子がいきなり押し倒されて裸を見られたら行為としては未遂でも一生のトラウマになることもあるんですからね?」


「くっ、返す言葉もない……」


 風呂で眠ってしまうというのは、オレの昔からの悪い癖だ。

 訓練の後、スケジュールに従った短い就寝時間の他で体を休められる希少な時間に教官の目を盗んで仮眠を取っていたときに染みついてしまった悪癖。身を守る装備もない入浴時間にやるべきではないことなのはわかっているが、未だに治しきれていない部分だ。本当に稀だが、湯に浸かったまま微睡んでしまうことがある。


 無論、丸腰で一番無防備な時に完全な無防備状態になったりはしない。人払いや悪意探知の結界は張っているし、たとえそれを潜り抜ける何かがあっても、狙撃弾だろうと肌に触れる前に反応できる。

 本当に襲撃でも受けようものなら敵意や殺気に即座に対応できるように訓練された。体もコンマ数秒以内に戦闘状態に移行できる。だが、それが裏目に出たのがさっきのあれだ。


 機能しなかったらしい人払いはともかく、敵意も殺意もなく至近距離まで接近されたのが却って過剰な反応を生んでしまった。

 というか、驚きの原因はそれだけではないんだが……


「だが……一つ、確認していいか?」


「はい、なんでしょう?」


「ここは……オレの記憶が間違っていなければ『男湯』だったはずなんだが、違うか?」


「はい、そうですね。入り口に書いてあった通りなら男湯です」


「じゃあなんで男湯に女が入ってきてるんだってのは……聞いていいのか? オレが居場所を忘れた原因の一つな気もするんだが」


 女の歳は外見での目算だが十五か十六、オレとほぼ同じくらいの年代のはずだ。これが親と一緒に風呂に入るような子供ならともかく、気軽に男湯に入っていい年齢でもなければ男の前で無防備に肌をさらしていい年齢でもないはずだ。

 だからといって、驚いて押さえつけた言い訳にはならないが、ちゃんとした理由がなければ多少の弁解にはなるはずだ。


「ちょっと理由があって他の女の人と同じお風呂に入れないんですよ。ちゃんと管理人さんに許可は取っていますよ? 今は誰もいないからと……そしたら、あなたがいたので、もしかしたらご病気か何かで気絶したまま放置されてしまっているのではと心配して声をかけたらあんなことになったわけですが」


「反論の余地がない……結局オレのせいか……」


 隙のできる入浴や睡眠のタイミングを敵に知られないために旅先では事後報告前提で気配を消して不定期に施設を利用している。

 この時間帯は他の利用者はいないと思っていたんだが……もちろん荷物は脱衣所なんかに置いていないし、気配を消していたから管理人も気付かずに同じ『他の利用者がいない時間』を狙ったこの女とバッティングしたということだろう。


 本来なら、それでもオレの方が先に気付いて気付かれずに脱出できたはずだが……いくら悪意や敵意がなかったとしても、オレの結界を『気付きもせずに』すり抜けるやつがこの島でトーリー以外にいるとは思わなかった。

 あいつが寝床を間違えて普通に侵入してきたときも驚いたが、こうも連続で抜けるやつが出てきたなら休養の結界に使う術式を見直した方がいいかもしれない。


「まあ、反省はしてくれているようなので、あまりくどくど言うのはやめましょう。ちなみに、わたしが男湯(ここ)にいるのは」


「……その疵痕か」


「なんでしょう?」


「いや、きっと冒険者なんだろうと思ってな。この島に魚人退治で来てる冒険者もいるらしいってのは聞いてたが」


 女がわざわざこんな時間を狙って、男湯を使ってまで一人で湯を浴びるなら、それなりの理由がある。

 さっき見えてしまった、体を斜めに走る大きな疵痕。

 荒事の世界に生きる『疵物』に近寄りたくない女というのは多い……傾向ではあるが、中には気性が荒くて些細なきっかけから暴力に走る輩もいないわけじゃない。

 安全を考えれば、可能性の話であったとしても危険そうな相手からは大事を取って距離を取りたいというのは無力な民の視点からすれば当然の心理だ。疵のある側も何もしないとしても民の安心を妨げるのは心苦しいから、こういう配慮もある。


「確かに冒険者ではありますが……どうして、わかったんですか?」


「……それだけ大きな傷を受けて生きていられるのは冒険者か軍人くらいだ。だが、それは軍人の鍛え方じゃない。それだけだ」


「なるほどなるほど、それは確かに。軍の方々って、見た目で立派なタイプが多いというか、負荷をかけて膨らませるタイプのトレーニングが基本ですからね。体重差は対人戦での耐久力と圧迫力になりますけど、旅をする冒険者だと何かと身体の大きさよりも小回りが欲しいときが多いですから。ほんの一瞬(わたし)を見ただけで、瞬間的に目に焼き付けた女体だけで鍛え方を見抜くとはなかなかの集中力ですね。そんなに印象的でしたか? わたしの裸体は」


「違うって。だから、金は払うからその話は……」


「お金はいりませんってば。裸体を見せてお金をもらうような商売はしていませんし、その道では素人以下のわたしが不意の事故で望外な額をもらっていてはプロの方にも悪いというもの。そもそも管理人さんが見逃したとしても男湯に入っていた方を後から来た女の方が責め立てるというのもおかしな話です。わたしはただ、さっきの対応が危なかったと言っているだけですので。ただ、そうですねえ」


 正座から足を崩して座る疵痕の女。

 オレを叱っている時にはわからなかったが、そこには抑えきれない感情が……それも、負の感情とは真逆のものが溢れようとしていた。

 敵意ではないはずなのに、嫌な予感が湧き上がってくるが、金で解決できない負い目のあるオレに逃げ道があるわけもなく……


「旅は恥のかき捨て、身内ではないからこそ気楽ということもあるでしょう。茹だってしまっていないのなら、ちょっと聞いてくれませんか? 今日はすごい嬉しいことがあって誰かに話したかったんです」


「それくらいなら……」


「実はわたし今日初めて想い人から寝てる間に『ちゅー』されちゃって、いえ本当はタヌキ寝入りしてたんですけどこれまでの必要だからとか緊急事態だからとかじゃなくて本当に自然に──」




 十分後。


「それでそれで! その時の彼女ったらなんて言ったと思います? 『あんなその道何十年程度のガキ共に負ける気は──」




 数十分後。


「本当は年上なんですけどー、一緒にいるとお子様なところがいっぱいあってー、それなのに時々すごい包容力があったりするところも──」


「いや、なんだ。そろそろオレは上がっても……」


「本当はあんまりやったら悪いのはわかってるんですけど、そんな彼女をからかうと子供っぽさを隠そうとしたり隠しきれなかったりするのが可愛らしくて可愛らしくて、そういう顔がたくさん見られた今日みたいな日はもうハッピー過ぎて特別に母にも『生んでくれてありがとう』って感謝したくなるくらいで、あ、ちなみにこの場合の母というのは死別した生物学的な意味での母の方で今の母はもう彼女の母親同然の存在というか、それだとまるでもう生涯の伴侶になったみたい。いえもうほぼそれに近い関係ではあるんですけど、育ての親が同じという意味では彼女とはもう家族みたいなものなので──」


「いや、だからな、そろそろ……」




 一時間後。

 一秒たりとも途切れることのないノロケ話の末。

 止めどころのわからなかった結果としてオレは……


「ぐっ、はあ、はあ……悪い、少し、水だけ……浴びさせてくれ……」


「あ、ごめんなさい。ちょっとだけのつもりだったんですが……」


 訓練を積んで火も水も平気な肉体を手にして、人肌よりも多少熱い程度の湯なんてどれだけ浸かっていても不調を来すことなんてないと思っていたが、生まれて初めて『湯あたり』というのを体験することになった。

 浴場の端に溜められたそれほど冷たくはない水を桶に入れて頭からかぶる。生き返る気持ちだ。


 というか、その直前の話が途切れるまでが死にそうな気持ちだった……これなら、普通に不埒者として全力ビンタの一発二発受ける方がダメージ少なくて済んだんじゃないかと真面目に思う。

 これから空山のことを浮かれ転生者とか言うのはやめよう。行く先々で自分から女に話しかけに行ってるあいつはとんでもないやつだったらしい。女との会話くらい誰でも簡単にできるとか思ってたオレが甘かった。


「ふぅ……そういうそっちは、大丈夫か? 普通は風呂好きでもそろそろきつい頃じゃないか?」


「いえ、わたしは特には。まだまだいけますよ?」


「オレがいけないからやめてくれ……まあ、さすがに冒険者か。よく鍛えているってことだ」


「ご迷惑をおかけしました。いくらお詫び替わりといっても、話過ぎましたよね」


「それはその通りだが……まあいい。ベテラン冒険者でも体力やペース配分を他人と合わせ損ねるのはままあることだ。この程度、気にはしない」


「あら、そうですか? さすがに嫌われてしまったかと思ったのですが……」


「冒険者が鍛えてるのはいいことだ。わざわざこの地方の端に来てまでモンスター退治に励むような冒険者なら特に、その強さは民の安心に繋がる。最近は旧都の事件のせいで治安も悪くなった。防人や商人の護衛みたいな中心地での報酬のいい依頼に冒険者が吸われて地方ではモンスターの被害が増えてるしな。力なき民を護るのは強く生まれた兵士や冒険者の義務だ、それを果たしているやつを毛嫌いはしない」


「あら、それは嬉しい言葉ですね。意識が高いのも大変結構なことだと思いますが……そう言われてしまうと、いささか心苦しくもあります。わたしは来たのは本来配達依頼のためなのですが、いろいろ成り行きでこうなってしまっただけなので」


 成り行き……と言うと、あの嵐の壁のせいで立ち往生か。

 長く留まる予定のなかった旅先での宿代や飲食費を浮かせるために現地で仕事を受けるというのは冒険者にはよくあることだ。それでも、金でも得られる宿や食事をそれよりも必要とされている仕事で払っているのだから、現地の民の助けになっているはずだ。

 これだけ鍛えられている冒険者ならば稼ぎも悪くはないだろうに、小さな仕事を面倒がらずに引き受けるだけいいだろう。

 だが……


「しかし、さすがにもうその『彼女』の話は食傷気味だから勘弁してくれ、よく話すことがなくならないというか……ずっと気になってたんだが、一応聞いてもいいか?」


「はい、なんでしょう?」


「口ぶりがどう聞いても恋人語りのそれなんだが……同性、なんだろ? おかしくないか、それ」


 首を傾げる疵痕の女。

 いや、何が疑問なのかはわからないが。

 さっきから話を聞かされていてどうしても疑問が晴れなかったのはこっちだ。

 パーティーメンバーとの関係が深くなるのはわかるし、その話でテンションが上がってしまうのもない話じゃないだろう。だが、はっきりと交際しているというようなことは言っていないが、語り口が明らかに異性との恋愛のそれだ。


 もしかしたら、オレが『彼女』と認識してるのがそれに近い名前の発音を聞き間違えているのかもしれないとも思ったが、何度聞いても女の二人称だ。話の内容的にも、女で間違いなさそうだ。

 だが、それはおかしいだろう。


「確かに同性でそういうのがあるっていうのは聞いたことがあるっていうか、それっぽいやつも今のパーティーにいるはいるけどな……正直言って、オレにはわからない趣味だ」


「……趣味、ですか?」


「だってそうだろ? 女と女、男と男が付き合ったところで子供ができるわけでもないし、そもそも人間としておかしいっていうか、そんなの本当は『憧れてる』とか『人間として好き』とかの延長だろ。遊び感覚で恋人っぽいこととかやりたいにしても、わざわざ周りから気持ち悪がられるような異常者じみたことする必要ないんだからな」


「…………その意見、最後まで続けてもらえますか? 一応、全文聞いてから判断したいので」


「ん? いや、だからこっちのパーティーのやつもそうなんだが……いやまあ、あれはあれで別の部分が変だから話は違うかもしれないけど、美人なんだし社会のために真面目に働けるんだから、異常者と思われるような変なふるまいなんてせずに普通に男と付き合ってまともな生き方すりゃいいんじゃないか? オレとこうやって普通に話せてるんだし、男が怖いとかでもないんだろ? なら……」


「……名も知らぬあなた。まさかとは思いますが、そういうこと、他の人の前でも言っていませんよね?」


「い、いやまあ、目の前でそんな同性への想いを熱く語られたのは初めてだし言ってないと思うが……」


「なら、二度とそういうのを軽々に言葉にしないでください。一生、絶対です」


「なんだよ急に睨んで。怒るやつがいるかもしれないとかそういう意味か? 怒らせたんなら悪かったよ」


「『怒る方がいるかもしれないから』じゃありません。『傷付く方がいるから』言っているのです。『傷付く人』がいるからこそ『怒る人』がいるのです。名も知らぬあなた、あなたがどういう人生を歩んできたのか、どういう立場の人間なのか、『普通ではない人間』に何か抱いているものがあるのか、わたしはそういったものは一切知らない赤の他人です。もしかしたら、何も知らないのはこちらも同じで失礼なことを言うかもしれません……しかし、それでも今のはスルーしたくありません」


「な、なんだっていうんだよ」


「名も知らぬあなた、あなたにはお子さんはいますか? 奥さんは? 血の繋がりはなくとも構いませんが、あなたを『親』と思うような方は周りにいませんか?」


「い、いないと思うが……」


「それはよかった。いいですか、いつかあなたが誰かと愛し合い、子供が生まれるかもしれません。もしかしたらその過程なく、他人の子を我が子として迎えることもあるかもしれません。あるいは、弟子や後輩に親同然に慕われることもあるかもしれない。その時、あなたが先程のようなことを、その目の前で口にしたとしましょう……場合によっては、その子の(たましい)に消えない疵が残ります。それがあなたの『子供』でなかったとしても、その何気ない言葉であなたがすっきりする分の何十倍、何百倍何千倍も大きく傷つくかもしれません」


「なんだよ、そんな話を大きくしなくても、オレが言ったことが気に障ったならさすがに謝るからな……」


「わたしになんて謝らなくていい。むしろそれで自己解決しないでください。できることなら今日、今のうちに直してほしいのです。いつか、あなたが『親』となる時のために」


 何か地雷を踏んだことはさすがにわかったが、こうなってしまうとどうしようもない。

 名前や素性を知られてはいないと言っても、逃げ出して後で『温泉に隠れていた男に無理やり押し倒された』なんて話を広められるのは困る。社会的立場が大いに困る。

 それに……教官や上官以外から、こういう圧を感じるのはかなり久しぶりだ。

 いや、圧の種類が違うというか……むしろ……


「いいですか。そもそもとして、『育て方がちゃんとしていれば人は「普通」と同じように育つ』というのは妄言迷言迷信です。特に、それが『愛』に関してのことであれば、理屈や常識というのは指標にもなりはしない。『愛』は前提式です。決して解として自由にするものではありません。自分でもどうにもならないものを変えろと言われるのは……人によっては、死ぬほど辛いのです。目に見える『愛』がただの趣味の人も世の中にはいるのかもしれないけれど、その確証がないのなら決して軽んじるべきではない」


「だけどな、それを言うなら生物の本能的に……」


「そんなもの、多量の情報を常に処理しながら生きる『人間』に影響を与える膨大な環境値の前では誤差ですよ。仮に人間の全てが本能通りなら『自殺者』なんて概念は存在しないと思いません?」


「そりゃあ……そうか」


「人間なんて周りに本当に素敵な人がいれば同性でも惚れますし、『周りと同じように』と望まれること自体が歪みを生むこともあるのです。そして人生の中で生まれたそれらは、後天的なものであっても簡単に変えられるものではない。魔法で治しても消えない疵痕があるように、忘れられない過去があるように、他人がどう言おうと変えられないものもある。それを否定するのは自分が自分であることへの、魂への否定です。相手がわたしだからまだ冷静に聞けましたが、そうでなければ殺意を抱かれても文句は言えませんよ」


「怒ってるように見えるけどな……」


 ただ……治しても消えない疵痕、忘れられない過去。

 それには、オレ自身にも思い当たるものがあった。


 あの頃のことは、忘れないといけないとわかっている。

 忘れろと何度も言われて、忘れたふりをしている。

 だが……忘れられないから、『忘れろ』と言われるたびに痛むから、それを言われたくなくてもう忘れたように装っている。押し込んだまま、いつか完全に忘れられる日が来ることを待っている。

 オレの言ったことが『これ』に触れられた時と同じ痛みを生むというのなら……それは確かに、軽々に口にするべきではなかったのかもしれない。


「心の中で思うまでは自由です。気味が悪い、生理的に受け付けない、理解できなくて怖い……それもまた、あなたの魂の形の一部であれば否定はできません。しかし、言葉として心の外に出すのならそれは剣を鞘から抜いたのと同じです。意図せずとも、無造作に剥き出しにされた刃が人を傷つければ責任も恨みもあなたが受けることになる。あなたは……そこまでの覚悟をして、さっきの言葉をわたしに投げかけましたか?」


「……いや、悪い。ああ、俺にも絶対に他人に触れられたくないものは……ないわけじゃない。オレの言葉が他人のそれに触れるようなものだったなら……謝るよ」


 言葉を重ねられて、ようやくわかってきた。

 軍で受ける教官や上官からの圧とは違う……相手を否定して個を押し殺させるものとは違う言葉。

 理解させて、沁み込ませようとする言葉は、本当に久しぶりに聞いた気がする。オレが誰か知らないからというのもあるだろうが、いい意味でオレにこういう『偉そうな態度』を取る人間は……あいつ、以来か……


「いえ……こちらも、熱くなってしまい申し訳ありませんでした。ただ、あなたが……いえ、そうですね。いけませんね、『わたし』のことではないのに自分のことみたいに。少し、嫌な話を思い出してしまいまして」


「それは……聞いても、大丈夫なやつか?」


 泣き出しそうということはないが、疲れたように手で顔を抑えて声から力を抜く疵痕の女。

 自分だったから大丈夫だったというようなことは言っていたが、それも虚勢を張っていたようなものだったのかもしれない。

 こんなとき、空山なら気の利いたフォローでもできるのかもしれないが、オレには自分の言葉で情緒を乱した女を放置するのがまずいことくらいかわからなかった。


「ええ……いけませんね、少し感情的になると身体の調子が乱れやすくて。普段は精神の方で押さえてるんですけど、今はちょっとダメですねえ……散々話した後に愚痴まで言いたいなんて、もうわたしの声に飽き飽きしてると思いますが」


「……聞く。ずっと周りは男がほとんどで気の利いたことは言えないが、壁に話しかけてるとかよりマシだろ」


「では……そうですね。あなたに熱くなってしまったのは、少しわたしの……今の仕事の、前任者のことを思い出してしまって。正確には、その『母』のこと、ですかね」


「……なにがあったんだよ」


「表面的には、なにも……ただ、その『母』がさっきあなたが口にしていたような態度を露骨に示す人で、そういう『普通じゃないの』がダメだったんですよ。それでひどく夫婦喧嘩することもあったくらいで……まあ、世間一般的にはそれほど『悪い親』ではなかったのでしょうけどね。ただ、良く……はどうかはともかく、悪くも『普通』の人でしたよ。子供が両利きの父親譲りで左利きに生まれれば、『ちゃんと』右利きとして育てる、そんなタイプの人です」


「…………」


「まあ、それだけならよくある話なのですがね……その『母』に育てられた前任者は、どういうわけか初恋を同性に抱いてしまったのですよねえ。まあ、本人は絶対に認めなかったので、本能だけが確信していた、淡いどころか泡沫よりも儚いものでしたが。ついでに一応フォローすれば、最初から同性をそういう目で見ていたのではなくて、中性的な方に好意を持ってしまって、それが後から同性だと知ったようなのですがね」


「それくらいは……ない話じゃ、ないだろ」


「ええ、そうですね。だけど問題はそこではなくて……その情報を認識した瞬間に、相手が異性ではなく同性だったと知っても『感情』が何も変わらなかった。それを自覚して、悟ってしまったのですよ。自分は相手が同性だろうが異性だろうが、関係なく性愛を抱いてしまう人間なのだろうと。そして、それから程なくして両親が大きくぶつかって、母が表明したのですよ。そういう『普通ではない愛の形』は『家族だろうと生理的に無理』だと……もちろん、自分たちの子の自覚した(さが)など、露知らずにですけど」


「それは……」


「ええ、ある種の不可抗力でしょう。決して、自分たちから生まれた魂を否定したかったわけではなかったでしょうし、仮に知っていたら言葉を慎んだかもしれません。けれど、それは幼い頃の前任者の心に重く響き……歪ませた、そう表現しても過剰ではないかもしれせんね。子供にとって親に捨てられるということへの恐怖は世界が終わるのと同じ恐怖です。性を隠そうとするだけでなく、本質から『普通』にどうにか近付こうとしたのも自然な流れです。少なくとも、そうせずにはいられなかった」


 世界の終わり……何をしてでも、それは防がなければならない。

 オレがそう思うように、その『前任者』もそう思ったのだろか。

 そして……守り、切れなかったのだろうか。


「まあ、それ以前に愛されていたと思えていたものが、『家族でも普通と違う人間を愛するのは無理だ』と言った母の愛の対象が『実在する自分』ではなく母の中の『性的に正常な自分という虚像』であったと理解してしまったせいで、どんなに愛されても愛を感じられなくなってしまったせいもあるのでしょうが」


「……母親の側は何にも変わってないのにか?」


「ええ、何も変わっていない。ずっと前からそうだった、それだけです。わたしは『本人』なんかではないので実感なんてしたくもありませんけど、そうですね……自分に出されていると思っていた手料理や何気ない日々の言葉が、テーブルの上のお人形さんに向けられていたものだったと気付いてしまった……みたいな気分だったかもしれませんね。料理の味も、成り立つ会話も、以前とは変わらないはずなのに……どうしてだか以前よりもおいしくないし、楽しくない。それを気のせいだと思おうとしても、上手くいかなかったんでしょうねえ」


「……そいつはどうしたんだよ。その後は」


「……さあ? どうしたかったんでしょうね? もう手遅れになってしまった、変わってしまった世界観を元に戻そうとしたんでしょうか。人はどうやったって『自分』にしかなれないのに、どんなに頑張ってもテーブルの上の人形と同じものにはなれるはずもないのに、どう頑張ればそうなれると思ったのやら……本当に、馬鹿みたいな話ですよね」


 疵痕の女は、疲れのようなものを浮かべていた顔に仮面を付けるように手を這わせ、指の通り過ぎたその下から笑みを浮かべる。

 口調を軽くしようとしたのか、負の感情を隠そうとしたのか、よく読み取れない微笑みだ。

 それが……オレには、却って深刻な表情に見えた。


「その無駄なあがきの結果として、前任者は自分の中に二つの側面を持つ余計に面倒な(さが)を持つことになりました。『人は異性しか愛さない』『愛することのできる相手に対して自分は異なる性でなければならない』。けれど、たとえ心が裂けようが身体までは変わりませんし、何より『両側面の性を持つ』ということ自体が母の嫌う『普通でない状態』そのものであることは明らかですから」


「どっちでもいいなら肉体的な異性だけを……ってのは、なしって話だったな」


 『愛』は前提式だと言ったのはそういうことだろう。

 自分が歪んでしまうほどに苦しんでも、『この人間を愛せる』という部分を自分で否定することはできなかった。

 オレが忘れてしまえばいい過去を、忘れたくても忘れられないように。


「ちゃんと少しは学んでくれていたようでよかったです。『どっちでもいい』という表現はまだちょっと理解が足りない感はありますが、そこで安易なツッコミに走っていたら反省反省大反省のお説教追加でしたよ」


「それは勘弁してくれ……」


「まあ、それはさておき……前任者の抱えた歪みの末は、自分自身に対しても他人に対しても『性別』という認識の、その概念を損なってしまうというものでした。同性だろうと異性だろうと、性別を認識して情報を処理しようとするだけで脳がエラーを吐くことになるので、その処理工程を省略(スキップ)するようになってしまったんでしょうね。知識から性別の概念が消えたわけではなかったので生活に不自由することはありませんでしたが、極論を言えば相手が男だろうが女だろうがわからなくても気にならないくらいどうでもよくなっちゃったんですよ」


「そいつは……今は、どうしてるんだ?」


「……死にましたよ、事故であっさりと。最期まで悩みを誰かに打ち明けることも誰かをちゃんと愛することもないまま、『母』の望み通りの『どこもおかしくない普通の人』として。その後、わたしも彼女には会ってませんけど、最期は赤の他人の身代わりみたいな感じでいかにも善人っぽい死に方で大満足だったんじゃないですか? 実際はどうだか知りませんけど。おかげでこっちはその仕事を引き継ぐことになっていろいろ大変なわけです」


「……最期まで誰にも悩みを打ち明けなかったなら、どうしてあんたはそれを知ってるんだ?」


「……言葉になんてされなくたって、わかりますよ。わたしはその妹みたいなものですから。わたしは恵まれていて『母』が違うとしても……記録に目を通しただけでも、伝わってきますよ。無駄に人間ができてたせいで『子供が親を憎んではいけない』なんて綺麗な常識と、綺麗ごとじゃ抑えきれない胸の中のグツグツドロドロの感情がジレンマになって、それも普通じゃない自分が悪いとか勝手に抱え込んで」


 傷痕の女は膝を抱えて、呟くように言った。

 目の前のオレのことも見ていないような、水面に映った自分に向かって吐き捨てるような声音で。


「……ホント、馬鹿なやつ。想った相手にも家族にも告白する勇気がなかっただけのくせして、勝手に歪んで拗らせて。結局死ぬまで寂しく苦しんだだけじゃない……わたしは、そんなふうにはなりたくないんだから」


 何も言えないオレの前で、女は手で汲んだ湯で顔を流してサッパリとした笑顔を見せる。


「まあ、そんなわけで『わたし』はそのお馬鹿を繰り返さないためにちょっとオープンな変態さんになったわけです! 今はクッソ面倒くさい(コン)のやつの目も届かないわけですし、羽目外しますよ! まあ、彼女に嫌われたりするのは嫌なのでちゃんと節度は考えているつもりですけど」


「いや、いくら羽目外してるからって何も知らない相手にする話じゃなかった気もするんだが……」


「何言ってるんですか。もう小一時間は語り合った仲ですよ? 知らない相手じゃないでしょう?」


「全然語り合ってねえ! ほぼ一方的に語られただけだ!」


「そうですか? 時折相槌を挟んで先を促したりくれていたりしませんでしたっけ?」


「話を止めるタイミングを窺ってただけだよなそれ! 少なくとも促してはいない!」


「そういえば、長いこと入っているのに誰も新しい人が来ませんね。おかげで会話が弾んでしまいましたが」


「女の声がひっきりなしに聞こえてくる男湯とか誰も入って来ないだろ……」


 会話に邪魔が入らなかったのはおそらくオレの結界のせいだろうが。

 女湯に誰かいたとしても男湯で男女の会話が聞こえることを気にしたりはしていないだろう。

 むしろ邪魔が入ってくれればこんな茹だるまで話を聞く羽目にはならなかったかもしれない。


「あらら、他の利用者の方々に迷惑をかけてしまったかもしれませんね、わたしも反省反省大反省です。あ、反省と言えば疵痕のこととかもできれば相手が自分で言う前に言及するのはやめた方がいいと思いますよ? あの時はスルーしちゃいましたけど」


「あんだけ話しておいて小一時間前のことよく憶えてるな……わかったよ、悪かったって。それもなんか地雷だったのか?」


 また長い説教が始まるのはさすがに勘弁だと思いながら先に問いを投げてみると、疵痕の女は今度は空元気ではなさそうな本当に気にしていないらしい表情で諭すように注意の言葉を投げてくる。


「いえ、わたしはこれを気に入ってるので特には問題ありませんが、表面的な態度が気にしてなさそうだからって、いきなりつつくのはよくないと思います。ただでさえ、無理やり見てしまったものなんですから。見えなかったふりをするくらいでちょうどいいかもしれませんね」


「女は難しいな……というか、そこまで言う傷が気に入ってるっていうのがむしろなんでか気になるぞ。やっぱり名誉の負傷とかってやつか?」


「まあ間違ってはいませんが……これをやってくれたのがとある転生者の方だったのですが、その方が……」


「その転生者が……?」


「すっごく、いい筋肉をしたイケメンだったんですよぉ。もう、ほんとにどうやったらそんなに鍛えられるのってくらいにいい身体してて、しかもわたしのこと本気の本気で憎んでて、感情をすごいぶつけられちゃってなんかもう逆に愛を感じちゃったくらいで、そのまま組み伏せられてメチャクチャにされちゃったらなんてぇ、まあそもそもうっかり獲物の横取りしちゃったわたしが悪いんですけど」


 赤らめた頬に手を当てて腰をくねらせる疵痕の女。

 話しぶりからして先程まで話していた『彼女』とは全く別の相手のはずなんだが、そこにあるのは特別な熱を上げる女の表情だ。

 いやいや、あれだけノロケておいて……


「お前自身はその『彼女』というか、同性が好きとかって話じゃなかったか? 死んだ前任者はどっちもだったが、みたいな……」


「……? いえ、わたしも好ましく思えば同性だからと異性だからとかっていうのはそれほど気になりませんよ? 異性だからとか同性だからとかじゃなくて、好ましく思う相手がどちらの時もあるというだけです。あ、もちろん一番は不動ですよ? でも、それとは別腹もあるというか、やっぱり熱烈に迫られるとつい夢を見ちゃうというか、実はさっき押し倒された時も一瞬だけドキッとしちゃったり……」


「わからねえ……今までさんざん話聞かされてきて少しはあんたのこと理解できて来たつもりだったのに急にわからなくなってきた気がする……というか、本気で恨まれててぶった斬られたんだよな? その反応はおかしくないか? というか、本当にその疵痕はトラウマとか大丈夫だったのか? これはさすがに疑問を言葉にしてもいいよな?」


 相手は転生者だし変な魅了系の能力とか受けてるんじゃないかと心配になる反応だ。

 そこまで恨まれてる相手にそんな疵が残る斬り方されてよく生きてるというか、生きてるなら生きてるで実際にトラウマになるようなことをされたんじゃないかと思ってしまう。転生者にはそういう部分で能力をひけらかすみたいに横暴にふるまうやつも少なくないし。

 なまじ、これまでの仕事で見てきた汚い世界で命は助かっても心がどうにもならなくなった女子供とかが数えきれないくらいいただけに、そういう想像ができてしまうってのがあれだが……


「まあ、さすがにちょっとこれは引かれるかなーって自覚はありますよ? それに本気で恨んでくれている方にそんな邪念を向けているなんて失礼ですし……でも、それはそれとして向けられているのがよくない感情であっても、なんか『存在を求められてる』というか『必要とされてる』みたいな感じってつい恋しくなってしまうんですよねぇ。あ、わたしより弱い人からのはさすがに嫌ですよ? やっぱりそれなりに鍛えられたいい肉体してないと……まあ、これを刻んでくれた彼には幸運にも勝ててしまったのでそれ以上の進展はなかったんですけど……」


「結局勝ったのか……」


「後はそうですね、あの『転生者殺し』で『私掠怪盗』のドレイクさんって人、知ってます? 何度かお仕事で一緒させてもらったんですけど、転生者を見るときの彼の目と言ったら……はぁ、あの憎悪の瞳を真っ直ぐ向けられちゃったらっていうか、尊厳とかをぶち壊しに来る勢いで襲われて押し倒されちゃったらとか妄想すると……はあ、ついつい夢女子みたいになっちゃいますねぇ」


「ドレイクのやつ……密かな女人気があるっていうのは聞いたことがあったが、中にはこういうのもいるのか……」


「オープンな人があんまりいないだけで、そういう願望の人はわりといると思いますよ? 女性に限らず」


「その言葉の意味を深く考えたくないぞオレは」


「素敵な人は同性にも惚れられるというのは珍しくないという話ですよ。あなただって見る限り魅力的な肉体をお持ちですし、自覚はなくとも周りからはなかなか……」


「やめろー! オレ男ばっかの環境で育ってんだよ! そういうのは想像だけでもしたくねえ!」


「クックッ、お可愛い人。ちょっとした性癖談義や猥談くらいで赤くなっていては社会で大変ですよ? 人間はよく知らないものをこそ怖がるもの、恐怖を減らしたければまずはちゃんと知ってみることです。そうすれば気付くことでしょう……『なんだ、おかしいと思っていたものも、意外と世界にありふれたことだったのだな』と」


「オレの価値観を汚染しようとするんじゃねえ! オレもう風呂出るぞ! あんたも長く入ってるんだから倒れる前に出ろよ!」


 傾いた満月のかかる塀を飛び越えて、逃げるように温泉を出た。

 普段は戦闘の時くらいにしか出さない本気の跳躍にはさすがに反応しきれなかったのか、目の前から消えたオレを探すようにキョロキョロと周囲を見回す疵痕の女。だが、塀に足をかけた音を聞いてこちらを察知したのか、バイバイと無邪気に別れの挨拶をするように手を振ってくる。


 どこまでも親しげに、明らかに変人だったのに怖いくらいに友好的に。最後まで変わらないその様子に余計に心を乱されながら、塀の上から逃げ去った。

 殺し合いの相手でもないのにこんなに調子を狂わされたのは人生で初めてのことだった。





 実はテーレさんの前ではだいぶ猫被ってる魄さん。

 本当は人並み以上に憎んだり嫌ったり根に持ったりするし勢いで汚い言葉も使っちゃうし『男』への感情も隠してる。

 感情が飽和しきっていないのでちょっと情緒不安定だったりもする、けど本質的な部分は割と変わらなかったり。

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― 新着の感想 ―
結構難しい娘がいるから、いろいろ考えさせられる回でした。 じっくり再読したいのですが先を急いでしまっているので 読み直しは、また先になりそうです。 でも おとうさんとしては、BLの同人誌はなんとかし…
[一言] ドレイクはそれっぽい描写がありましたがヒトシもですか。 素直になるとおもしろすぎて狂信者のことが更に好きになりました。
[一言] 殺し合う前にお友達になれましたね 多分第3位の方ですよね
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