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転生したので狂信します  作者: 枝無つづく
第十章:残酷なる『巫女姫』
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第353話 聖女の奇跡

side アシハラ


 坂居さんが訝しげな声を発したのは、僕たちに割り当てられた見通しのいい配置場所へ着いてしばらくした頃。

 『旧都』の周囲への布陣がほとんど終わって、それぞれの持ち場から『異常なし』という報告が集まってきた辺りのタイミングだった。


「おかしいな……モンスターが全くいないのかね?」


 『異常なし』……つまり、布陣を済ませるこの段階に至って、一体もモンスターとの遭遇報告がない。

 坂居さんにはどうやらそれが気にかかったらしかった。


「モンスターが全くいないのは……いいことじゃないんですか? これから戦闘が始まるんだし、モンスターが入ってきて作戦が上手くいかなかったりするよりは……」


「確かにそうだね。優勢な戦場ではイレギュラー要素は基本的にない方がいい。こうやって『森』の中で大規模な行軍や戦闘を行うにしても、巡回や魔獣除けでモンスターを遠ざけるのが定石で間違いないさ。モンスターの側も、これだけの人間が金物の臭いをさせて動いてたら逃げていくのが自然だ……だが、それでも最初から全くいないっていうのは不自然だ」


 坂居さんの表情が、これまでの移動中に見せてきた軽いものとは違う鋭く真剣なものになる。

 それを見て、他の転生者四人も空気を変える。

 年齢だけでリーダーになったわけじゃない、冒険者としての経験の長い坂居さんの状況判断を重要視している証拠だ。


 坂居さんが真剣になるのは、それだけマズいかもしれないということだから。


「『森』ってのは一度モンスターを追っ払えば人間の場所になるってわけじゃない。人間が獣害に追われて一度避難したからって生まれ育った土地を完全に放棄することがないように、モンスターも防衛力に綻びが出ればいつでも土地を取り返そうと隙を狙ってるもんだ。この規模の『森』なら簡単にモンスターが根絶されるとは思えないし、経験的にはこれだけ陣を広げれば一つや二つはモンスターとかち合うのが自然なはずだよね。それがないとなると……」


「かなり広い範囲まで既にモンスターが根絶されていた……独立軍を自称するアントニオ・ノーランたちが防衛を考えるなら、獣除けに留めてモンスター自体は天然の防壁としてなるべく残しておくべきだ」


 説明の途中で意図を理解して先を取る夢川さん。

 僕はこれから戦闘ということもあって、夢川さんの髪を整えているところだった。虎井様やチームのみんなと行動しているときも他人の髪を弄るのはやり慣れているし(というか一応本職だし)、ここ数日は僕の毎日の仕事で腕を信用してくれたのか夢川さんも落ち着いて任せてくれている。

 そうして、身体はリラックスしたまま、その目は先程から閉じられ、視覚を転生者としての能力に集中させている。


「ここまでの規模だと『視て』回るのに時間がかかるから体感でしかないが、聞いていたよりも敵軍の人数が少ない気がする。近い森の中に予備兵力が隠されているわけでもないようだし、周囲の空になっていた村から連れて来られたらしきこの地の人々も通ってきた村の数に対して少ない印象だ。まだ施設内は探っている最中だが……」


「さくらちゃん、あんまり無理するな? 敵とやり合う前に神経疲れさせると動けなくなっちゃうから」


「わかっている。だが怪しい部分が多いからな……これは、遺跡の図面か? 術式を増築した……いや、元からあったものを修復したという報告書か? それと、その次のページは……誰かの個人情報……『ジャネット・アーク』……いや、隠し名含めて『ジャネット・ディ・アーク』と読むのか? 17歳の女性、職業は商人? 何故そんなものが重要文書に含まれている?」


「書類まで深く調べようとすると理解に時間がかかるでしょ。要点だけ教えて、そういうものがあるとわかるれば後で調べればいいの。能力に振り回されちゃダメよ」


「ああ……すまない、そうだな坂居。不安要素が多いからこそ集中力は温存しておくべきか。だが、重要文書らしいから一応表題だけ一通り見ておくぞ……どうやら、この『旧都』の遺跡に元からあった古い術式回路とそれを使うための資材と人員についての報告書らしい。いない人間の多くは、もしかして地下空間にでもいるのか? 入り口が見つからないと覗けないが……」


「……さくらちゃん、規模の大きな『死体置き場』は見かけた? 一通りここら辺を『視た』ときにさ」


「……いや、それらしいものは見た憶えがない。だが、通ってきた村々に戦闘の跡はなかったはずだ。この占領で死人が出たとしても『旧都』防衛の過激派くらいだろう。そうでなければ……いくらなんでも、『非戦闘員』のはずだぞ? 『森の民』と言っても、この周囲の住民のほとんどは自分たちの聖地の少しでも近くで生活したいというだけの人々だろう? わざわざここまで連れてきて、『そんなこと』をする理由があるか?」


「さくらちゃん、来る途中言ったけどさ……一部の貴族の『森の民』への認識ってホントに酷いんだよ。俺が考えてたのは、中央軍が来たときに後ろから槍で突いたりして弾除けみたいに前線に立たせるようなやり方だったの。でも、その準備すらしてないっていうのはさ……」


「……まだ、私は全てを『視て』はいない。特に遺跡の内部は広くて複雑らしいからな。軽田、奥田、遺跡が崩落するような攻撃はしないように気を付けてくれるか? 中に生きた人間が多数いるかもしれないからな……坂居、その可能性はないと思うか?」


「……いいや、大いにあるよ。ごめん、オッサンが変なこと言っても気にしないで。ちょっと酒切らしてて変な妄想しちゃったよ」


「いや……そんなことはない。あらゆる事態の覚悟はしておくべきだ」


 あらゆる事態……最悪の事態。

 嘘か本当かはわからないけど、中央では『森の民』には野蛮な『生け贄』の儀式が今でも残っているという噂がある。たとえ、それが今はもうない文化だとしても、遺跡の造られた時代にどうだったかはわからない。


 遺跡の術式回路を起動するための資材と人員の文書。

 その術式が何のために使われるのかはわからないけど、『資材』と『人員』が並ぶそれがどんな意味合いを持つかは、直接それを見ていない僕にはわからない。


「そろそろ始まるかな。さ、そろそろ戻っておいでよ。遠くを視るのに夢中で流れ弾に当たってたら笑い話だぜ?」


「……ああ、そうさせてもらおう。本当は、敵の転生者の顔と数も確認しておきたかったんだがな。さすがにそこらに文章として残してはくれていないらしい。ありがとう、アシハラ。おかげで戦場でも落ち着けた」


 夢川さんが目を開いて、疲れを吐き出すように深く息を吐く。

 これは汎用性の高い能力を持つ転生者に多いけど、その便利さからいろんな役割を受け持つことになって、重要な局面ほど精神力を消費しやすくなる。

 虎井様はそういうタイプじゃないけど、チームにはそういう人もいるからこういう反応は見慣れている。戦えない僕はいつもそのサポートをしているから普段から回復用に色々と持ち歩いている。


「夢川さん、これどうぞ。チョコレート……頭の疲れに効くと思います」


「アシハラ、すまん……いや、ありがとう。もらっておく」


「気が利くねえ、アシハラくん。オッサンのだとちょっとした回復の時に困るから助かるよ」


 坂居さんが夢川さんの能力解除を見届けて、敵味方の陣形を地図で確認し直している奥田さんと(今は奥田さんの肩の上に座っている)軽田さんに目を向けて呼びかける。


「軽田ちゃん、奥田くん。敵がこっち狙いでなんかしてきた時には指示待たずに迎撃していいから。わかってると思うけど、誰がリーダーとか関係なくさくらちゃんの指示に最優先で反応して。寺井もね」


「はい、自分は何度か夢川様と仕事をしていますので」


「わかってんよ。奥田、調子はどうだ?」


「だいじょうぶ、ぜんぶ使える」


「よし! 今日も景気よく頼むぜ」




 そうして確認している間に、配置が整う。

 『森』に取り込まれたといわれている『旧都』も、今は周囲の木々が完全に切り倒されて櫓や砦みたいな真新しい建築物が遺跡の周りを囲っている。生い茂った木々は侵入者が利用するのに便利だから、施設の周りのさらに広い範囲が空き地にされている状態だ。


 そして、今はそこに二つの軍団が向かい合い戦闘の火蓋が切られるのを緊張の面持ちで待ち構えている。


 今回のこれは戦争であっても国と国との間での取り決めの上での戦闘じゃない。

 片や勝手に独立を宣言して遺跡周辺を占拠した貴族集団、片や『犯罪者』を取り押さえに来た中央政府の正規軍。



『我々はガロム中央会議連盟の最高議会の決定により任を与えられた正規軍である! 即時武装を解除し中央政府への忠誠を見せなければ武力行使により制圧する! 忠誠するか否か、答えを示せ!』



 魔法で拡声された、こちらの軍の代表の宣言。

 それに対して、向こうからも同じだけの音量で声が響く。



『我々はここに新国家の独立を宣言した! 貴様らは既に我々の領地を侵害している犯罪者である! それ以上の侵攻に対しては、我々も武力をもって応えねばならない! 故に、武装解除は不可能である! 疾く軍を退き、中央政府に我々の独立を認めるように進言するがいい!』



 どちらも相手を犯罪者だと、『悪』だと声高に告げる。

 とちらも降伏の意思はなく、話し合いの余地もない。

 つまり、もう睨み合うことにも意味はない。


『制圧開始! 狼藉者の首領、この馬鹿げた建国ごっこの首謀者を捕らえよ!』


 互いの軍が間合いに入り、戦闘が開始される。

 飛び交う弓矢や『破城鎚』みたいな遠距離武器と魔法が空中でぶつかりう中、盾を屋根のように構えた近接部隊が接近して互いに刃を振り始める。

 鮮血が、前線に散り始める。


「うわっ、血が……」


「アシハラくんはこういう大規模戦闘見るのは初めてだったっけか?」


「チームのみんなは、ほとんど一騎当千って感じだから……こういう、互いに傷つけあうような戦いは、あんまり……」


「そんじゃまあ、軽くセオリーを説明しておくか。この世界の軍のぶつかり合いってのは、基本的にこうやってまず遠距離攻撃を撃ち合って相手の勢いを殺しながら近接兵士が接敵するんだ。こっちじゃ魔法や弓矢だと威力はあっても弾いたり避けたりが難しくないからね。避けきれないような大規模攻撃は対策されて互いに相殺されるし、スピードを求めると威力や射程が落ちる。だから『決め技』じゃなくて接近戦の援護射撃として使うのが基本ってわけだ。奥田くんみたいな転生者の攻撃とかは例外としてね」


 坂居さんの説明の通り魔法の攻撃とかは光や爆発が派手だけど、見ているとそれで痛手を負う兵士の人は少ない。時々いても、それは目の前の人との戦いで傷を受けて隙ができた時とかだけに見える。それ以外、自由に行動できる人は飛んでくる攻撃をほとんど防ぐか避けきっている。


「こっちの軍人さんは遠くからの攻撃を防ぐための訓練が必修だから。本気でそういうのを当てたかったら最低でも中距離、近距離の相手がどうにもできないような遠距離から一方的に安全な攻撃をみたいなことは難しいんだよ。だけど、飛んでくるものに対応するのはそれはそれで神経使うし手も足も動きを制限されるから、突撃の勢いは十分に殺せる。だからこうやって、遠距離部隊が競り勝てば激突で有利になる。見た感じ、予定通りにこっちが押し勝ってるね。このままいけば俺たちが何かするまでもなく安定して勝てる感じかな」


 そう言われても、僕にはよくわからない。

 ちょっとこっちの方が前進してるようにも見えるけど、局所的には押されているところもある。

 やっぱり、そういうのがわかるのも経験のある冒険者だからなのだろう。


「夢川、あんたってこういうのの先がわかるんだっけ? どのくらいで決着つきそうだ?」


「軽田さん、残念だがこういう戦闘の結果まではわからない。流れ弾か何かでこちらに被害が出そうなら届くまでにわかるが……そうだな、能力ではないが経験的には完全にあちらの防衛線が崩壊するまでに数十分かからないだろう。まあ、この戦力差ならば妥当な結果だ」


 圧倒的なのはある意味当然のこと。

 これは中央政府から見れば実質的な犯罪者の討伐戦だ。負ければ威信を損なう戦いに勝つか負けるかで手に汗握るようなギリギリの戦力を送り込む必要性はどこにもない。


 盗賊団の討伐と同じで、確実に勝つのに十分な戦力で危なげなく問題を処理する。

 それができない内は武力衝突は避けるし、負けるとすれば攻めた時ではなく攻められたとき、世間に公表するところの『突然のテロ行為』になる。

 理想的なのは戦力差を見た相手が戦わずに降参する展開、そうでなくても勝つのは当たり前で後はどれだけ被害なく快勝できるか。そういう戦いだ。


 けど……


「妙だな……転生者が出てくるんならそろそろだろう。これ以上あちらの士気が下がれば転生者が出ても大局での勝ち目がなくなる」


 夢川さんが目を細めて、あちら側の指揮官を睨む。

 その指揮官は確かに、不利な状況のはずなのに焦りを見せていないように見える。『切り札』たる転生者に指示を送ろうとしているようにも見えない。


「もっと追いこまれてからでも逆転できる自信があるから……とか、ですか?」


「いいや、転生者は確かに一発逆転を狙える鬼札(ジョーカー)ではあるが、それにも種類と限度がある。これだけの戦力差を覆すような転生者がいないとは言わないが、そういった者は能力の扱いに練熟した歴戦の転生者くらいだ。その能力や居場所はリストアップされていて、この戦場にいないのも確認済みだ。それに、もしそれだけの強さを持つ者がいるのならばもっと早くから出さないのは……」


 夢川さんがそうやって分析を口にしていると……神殿の頂上、開けた屋上のようになっている石段の上に何人かの人影が現れる。

 遠くて見えにくいけど、転生者らしき服装の若い人が二人と、兵士の人たちに担がれた御輿(みこし)の上に座る誰か。

 御輿に布がかかっていて顔とかは見えないけど……


「あれは……文書にあった『ジャネット』だ。着飾っているが、間違いない。だが、転生者ではないはず……何をする気だ?」


 太鼓の音が鳴り響き始めて、戦場が一瞬止まる。

 太鼓の音が相手にはわからない単純な信号として作戦の暗号に使われるのは戦場の常識。敵はそれを読み取るために、味方は敵の出方の変化を見定めるために動きを止める。


 そして……開戦の時と同じ、拡声された声が響く。

 けれど、開戦の時と大きく違うのはそれが敵ではなく味方へ向けて発されているものだということ。

 そこに、どこか狂気じみた響きすら感じられるということ。


『聞け! 同胞諸君! 皆の奮闘により儀式の準備は完了した! ここからは我らの攻勢だ! 我らが聖女の名を讃えよ! されば力与えられん! さあ、復唱せよ! ジャンヌ・ダルク!!』


「「「ジャンヌ・ダルク!! ジャンヌ・ダルク!! 我らに聖女の加護を!! 我らに力を!!」」」


 敵陣から湧き上がる歓声の雄叫び。

 大地が震えるような、劣勢にあったとは思えないような強烈な士気の高鳴り。

 それと同時に、遺跡が光を発し始め、それが地下から湧き出るように雄叫びを上げた兵士たちを包んでいく。


 その光の感じには、見覚えがある。

 だけど、その規模には信じられないものがある。

 だってそれは……


「万単位の軍団全員にこの強度の【祝福(ブレス)】だとっ!? 奥田くん! 全部使ってあの儀式を止めろ! すぐにだ!」


「おうっ! 軽田ぁあ!」


「能力使う! 全弾撃ちまくれ!」


 初めて聞く坂居さんの本当に余裕のない叫びに応えて、軽田さんと奥田さんが能力を使う。

 奥田さんの身体が鋼鉄のカラクリとなって、その背中や両腕から展開された筒の束から翼のついた砲弾(ミサイル)が嵐のように遺跡の頂上へと降り注ぐ。


 だけど……



「せっかく『逆転劇』が仕上がる所ですもの。不粋な邪魔はやめていただきますわ」



 それは、到達前に蜘蛛の巣のように広がった闇色の刃とぶつかり合い、その殺傷力を『聖女』まで届かせずに爆散する。

 一緒に頂上に出てきた転生者、きっとそのための護衛。

 その身体にも、兵士たちと同じ光が宿っている。


「チッ! 寺井! 周りの兵も乗せられるだけ乗せてすぐに出るぞ! この戦場はもう無理だ!」


「さ、坂居さん!? どうしていきなり!」


「あれを見ろ! 戦力差が逆転した……いや、蹂躙されるぞ!」


 坂居さんに頭を掴まれて戦場に目を向けさせられる。

 するとそこには……惨状が、広がっていた。

 さっきまで勝ちを疑う必要すらなかった正規軍の兵士が、その後方から援護射撃を繰り出していた術者たちが、まるで熱湯に落とされた雪玉のように瞬く間に溶かされて……切り裂かれ、引き裂かれ、蹂躙されていく。


 急激に強化された敵の兵士たちが、獰猛な獣のように血走った目で迫ってくる。


「なっ、なにが……」


「馬鹿みたいな出力と規模を抜きにすれば単純だ。普通は五、六人が限度、強度もせいぜい元の数倍の強さまでの【祝福】が敵の全軍に、十倍以上の強度でかけられた! さくらちゃんの見た文書の術式がこれだ! これはもうどうやっても勝てない! 逃げきれなければ全滅するぞ!」


「坂居様! 乗ってください! アシハラ様も!」


 寺井さんの声がかかり、立ち上がろうとして足が動かないのに気付く。

 僕が腰を抜かしてしまっているのだと理解できたのは、坂居さんに荷物のように担ぎ上げられて装甲車よりも大きな装甲バスへ運び込まれてから。強制的に座席に押し付けられ、坂居さんに押さえられる。

 他の人たちもみんな、余裕のない様子で手近なものにしがみついている。


 寺井さんは来たときの快適な安全運転とは打って変わった勢いで車を加速させて、一直線に走り出す。


「『聖女ジャンヌ・ダルク』だと! そうかよ、わざわざ独立なんて謳ってたのはそのためか! この世界の、この歴史の『革命の奇跡』ってわけかよ!」


 背後から追いすがるように聞こえてくる悲鳴と狂気の歓声。

 そこから逃げようと走る車内には、勝ちの決まった戦況から一転して、どうしようもない絶望感が重く漂っていた。


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― 新着の感想 ―
[一言] ジャネットの性格を考えてそんな簡単に担がれると思えないんだよな。 一体何があったのやら・・・
[一言] 何もわからないけど、主神さんとしては「古き教え」、「古き神」もまた等しく尊重されるべきって意見なんですかね! 自分たちの信仰を広げる為に3大女神その他がそれらを不当に虐げてしまったからその…
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