第124話 無傷無敗の決闘王
side ジャネット・アーク
たぶんレグザルの中にあるどこかの廃屋。
観光都市として見栄えよく作り直された表通りから遠く離れた倉庫群の一角らしい、人の気配のない場所。
そんな何をされても誰も助けに来てくれなさそうな場所でしっかり監視を受けながら、目の前の通信アイテムに声を吹き込む。
「ごめんなさい、狂信者さん……足を引っ張っちゃいました」
すると、数秒してアイテムからは聞き慣れた彼の声が帰ってくる。私の声が聞こえて安堵したのか、声は平静そのもの……いや、彼の場合は安堵とか関係ないかもしれないけど。
『いえいえ、アーク嬢の無事な声が聞けて何よりです。しかし……状況は厳しいのですかね。通信まで許されているとなると逆に監視をされているとか、そんなところですか』
「うん……今も、すっごい見られてる。これだと魔法を使って逃げるとかも無理かな」
『では無理をせずにゆっくり待っていてください。こちらでなんとかしますから』
「本当に……ごめん。もう少しで勝てそうだったんでしょ? それなのに私が捕まったせいで……」
『まあ、相手方がなりふり構わずルール破りの手に出たというだけです。アーク嬢は宿に留まっていましたし、状況的にはそれが最適解でした。謝ることなど何もありません。おっと……変に勘繰られても困るので、そろそろ通話を終了します。どうかご無事で、アーク嬢』
「うん……狂信者さんも、無理しないで……でも、余裕があったら助けてね」
『もちろんです、約束はまだ残っていますからね』
そう言って、通信が切れる。
長く話をしてこちらの位置がわかったら決闘なんて関係なく私を奪い返しに来るかもしれないからと、狂信者さんだけ近くで短い通信を許されたそうだけど、それはあくまで私の無事の確認のため。次はないかもしれない。
「はい、ありがとう。これ、返すよ」
見張りのおねえさんに通信アイテムを渡す。
魔法で宿の壁を壊して無理やり私を引っ張り出してここまで連れてきた人だ。他にも何人か交代の人がいるみたいだし、彼女が寝ている間に逃げ出すとかは無理だろう。
地味に足枷とかされてるし。こういう本格的な拘束具とか、ちょっと新鮮な体験。
「……なんで、『ありがとう』なんて言うの? 私は、あなたをここに……」
「だっておねえさん、悪い人じゃないでしょ? こんなことやらされて大変だなー、とは思うけど」
さすがに、目の前の相手が好きで人攫いをやっているのか嫌々やってるかくらいはわかる。
宿では髪を掴まれたりもしたけど、あれは残虐性とかそういうのより、『命令に失敗したときが怖くて力が入りすぎた』って感じだった。
むしろ、こんなに悪いことを無理矢理やらされているのなら相当な脅され方をしているんだろう。
同情こそすれ怒る相手じゃない。
怒る相手は狂信者さんの目の前にいるはずだ。
「……何度も、こういうことやってるけど、皮肉なしでありがとうなんて言ってくる子は初めてよ」
「ふーん。何度もやってるんだ……それって、あっちで外見張ってる人たちとか?」
「……なんでわかるの?」
「なんとなく」
直感というか、似た感じというか。
ちょっと考えれば彼女たちに何があったか想像するのは簡単だ。嫌な想像だけど。
「……あなたも、きっと同じようになるわ。彼、所有欲強いから……」
「……みんな、大切な人がその『彼』にやられちゃったんだね。それで、怖くて逃げられなくて、一緒に悪いことをさせられて、もっと逃げられなくなったの?」
「……心が、読めるの?」
「おねえさんたちの顔に書いてあるんだよ。『今度こそあいつを倒してほしい。でもきっと無理だから期待したくない。本当はこんなことしたくない』って」
私は心なんて読めない。
ただ、ありのままにおねえさんの顔を見ているだけだ。攫われた怒りとか偏見とかを通さず、ただそのままの表情を見れば大体のことはわかる。
「……これが、あいつのやり方なの。気に入らない相手の、大切な人……特に、女を人質にとって、『決闘』なんて言って人前で瀕死になるまで痛めつけて……時には惨たらしく殺して……私たちは心を折られてしまった。あなたもすぐ、そうなるわ」
「そう……逃げようとした人とかはいなかったの?」
「いたわ……あいつを、殺そうとした子も。あいつを誘惑して、隙を突いて陶器の破片で……でも、あいつは殺せない。陶器の破片でも、ナイフでも、毒でも、熱湯でも、絶対に傷一つつかない。それに、あいつの投げた小石一つでも……人の、頭が……」
肩を抱いて震えるおねえさん。
扉の外でちゃんと見えないけど、外の見張りをしている人たちも同じような感じらしい。けれど、絶対に私から目を離さないのは、私が逃げたら何かされるからだろう。
殺そうとした人も、逃げようとした人も、無事では済まなかったのだろう。
「あいつには誰も勝てないわ……絶対に。だから、あなたも希望なんて早く捨てて……絶対に、逃げようとしないで。もし逃げられたら、私たち……」
脅しつけるのではなく怯えるような目で、懇願するように言葉を発するおねえさん。これはまあ……逃げられないかな。
ただ、希望を捨てろというのは同意しかねるけど。
「大丈夫……なんて言っても、信じてもらえないかもしれないけど、きっと大丈夫だよ。だって……あの人が『なんとかする』って言ったんだから。あの人は、できないことはちゃんとできないって言うし、噓は言わないから。よく知らない人を信じてほしいなんて言われても難しいのはわかるし、無理して信じなくてもいいけど……私は、私の友達を信じるから。逃げたりなんかしない」
どうやっても傷一つつかない無敵の決闘王。
だとしてもそれは、未だ誰もやっていないというだけ。これまでに倒されたことがないというのは、倒すことが不可能だということの証明にならない。
それなら、生まれてから一度も死んだことのない人はみんな不死身だということになってしまう。それと同じだ。
誰もしたことのないことをする、間違った証明式を修正して反証する。そういう屁理屈じみた論理はあの人の得意分野だろう。
もしも突破口が全く見えていないのなら、あの人はきっと『なんとかする』ではなく『最善を尽くす』とか『最悪の場合、負担をおかけするやも』とかそういう噓にならない曖昧なことを言っているはずだ。
それが『なんとかする』と断言した。
この通信でその内容を話せば相手方に筒抜けになるのだから、それしか言えないのは当然だ。
「狂信者さんに主神様の御加護がありますように」
side テーレ
依頼人を脅しつけて『個人依頼』の取り下げには成功した。
あちらとしても、商会に喧嘩を売った冒険者との無関係を早く表明したかったみたいだったから、そこはスムーズに済んだ。
けれど、それによって完全に独立して動き出した転生者から提示された『決闘』の条件はとんでもないものだった。
「ほんと何よこれ! こんな不平等な条件で『決闘』なんて……」
ジャネットが泊まっていた部屋を確認するついでに取った商会宿の隣部屋。
マジックアイテムとして機能する契約書を確認しながら、その見るに堪えかねる内容を改めて読んで怒りに震える。
こちらが『使役型』の特典を持つ転生者であることをわかった上での『決闘』。
しかも、あちらの賭け代は人質一人なのに対して、こちらは私の所有権や所有物全てを賭けて、しかもその引き渡しを事前に契約魔法で取り交わしての決闘。
さらに、自分自身に対する情報の口外禁止……つまり、もしも転生特典を解き明かしたとしてもそれを決して漏洩しないことまで含まれている。
横暴にも程がある。
人質を取った上で好き勝手に……
「……それでも『決闘』に拘るのは、彼自身の矜持なのですかね。それとも、相手からは奪うだけでなく徹底的に叩きのめさないと気が済まないということですか」
「あんたってやつは……二人でやれば決闘なんかせずに勝てるかもしれないって言ったのはマスター自身でしょうが。それはきっと当たりで……このルールで露骨にそれを封じに来てる。つまり、『決闘』なら確実に勝てるって自信があって言ってきてるのよ」
「しかし、アーク嬢の無事を約束させるにはこちらには不利な条件だろうと交換条件の契約を受けるしかないと。いやはや、困りますねえ。不平等な取り決めなど後々の関係に遺恨を遺すというのに」
「そんなこと言ってる場合!? こんな条件で……」
「しかし、あくまでアーク嬢はアーク嬢。私の友人ですが私自身の命ではない……だから、決闘の内容自体はテーレさんの加勢がないこと以外は公平です。こちらに勝ち目が見えなければ、さすがに契約にサインせずにアーク嬢が自力で脱出するか決闘などせずに直接アーク嬢を奪還した方が確実になりますから。『決闘ならば負けようがない』という彼の自信がこの契約書の内容から見て取れますねえ」
「だったら……」
「ええ、わかっていますよ。結局の所、彼の『無敵』を正面から突破できるか否かが最重要。要するに、普通に勝てれば全て解決します」
簡単に言ってくれる。
『使役型』の特典を持つ転生者の最大の弱点である『本体が弱い』という側面と、逆に明らかに転生者自身を強化するタイプの『本体が強い』という利点を最大限に活かして戦う男と決闘形式での戦闘。
しかも、外部からの干渉を禁じる結界の中で、外部からの助言も助太刀も無しの本当に互いの戦闘能力だけの一騎打ち。逃げも隠れもできない、小細工の余地もない。
それを『普通に勝つ』なんて……
「決闘は明日の正午から、丸一日は時間があるのです。準備も考察も十分にできるでしょう。既に攻略法は二つ……いえ、たった今さらに思いついたので三つはあります。彼の能力次第では使えない可能性の高いものもありますが、まあ一つはほぼ確実に行けるのでなんとかなります」
「能力次第ではって……あの時はあんなふうに言っておいて、結局能力を完全に解明したわけじゃないのね。それでよくこんな契約を……いや、それはいい。その『確実な一つ』があるから、あんたはこの契約に同意したってことだろうし。だけど、できることなら能力をちゃんと解明しておきたい」
「そうですね。まず情報を整理しておきますと、テーレさんは『攻撃を必ず回避できるほどの超高速反応』、『発動系の結界』や『遠距離攻撃の無効化』『魔法攻撃の無効化』などの可能性を考えた上で、『室内での爆破』『魔法弾』『矢による実弾』『鏃の術式による特殊効果』そしてゼロ距離からの『魔法と物理を同時に叩き込む打撃攻撃』を行った。攻撃の種類で無効化される可能性を想定して、多種多様な攻撃を矢継ぎ早に叩き込むことで能力の突破を図った。そうですね」
その通りだ。
それでもあいつは無傷だった……防具に軽い傷は入ってたみたいだけど、身体そのものには傷一つなかった。
あれはダメージを軽減されたとか、技術で受け流されたとかではないし、もちろん避けられてもいない。本当に、ただ単に『ゼロ』にされた。あれだと、何百と打ち込んだところで倒せる気はしない。
「しかも、あっちからこっちへの攻撃も不自然なほど重かった。小石の速度はそこまでじゃなかったし、後から拾い上げたけど石そのものの硬さも重さも特異なものじゃなかったのに、マント越しに受けた衝撃はそれこそハンマーで思いっきりぶん殴られたようなもんだったわ」
「ふむ……やはり有力なのは概念系ですかね。物理法則に則った質量や運動エネルギーではなく、もっと直接的に結果に近い段階の概念である『攻撃力』や『防御力』に働きかけているという感じがします。自身の『防御力』を極限まで上げることで無敵化、そして自身の攻撃として干渉した動作の結果に伴う『攻撃力』を極限まで上げることによる防御突破。というのはどうでしょう?」
確かに、その系統であるような気はする。
けれど、それでも、いくら転生者に与えられる転生特典がチート能力と呼ばれるとしても、限度はある。
「『防御力』だけならあり得るかもしれない。『攻撃力』だけっていうのもあるかもしれない。けど、不意打ち耐性も完全で『どんな攻撃も効かず、どんな防御も打ち破れる』みたいな能力はさすがに転生者に与えられる能力の領分を越えてる。というか、そういうのはあったとしてもなんか条件付きで、豊穣神辺りが作ることはあるかもしれないけど……普通に考えて、そういうタイプの能力には『弱点』が必要になるわ」
「『弱点』を持ってこそ『無敵』になれる……英雄アキレスさんの踵や、怪力の士師サムソンさんの髪の毛、あるいは不死身の巨人アンタイオスさんの地面から離れてはいけないという制約に近いものですかね。逆に言えば、そういった制限を設ければ部分的には『無敵』を実現できるということですか?」
「そうね。これは個別設定の領分の話だけど、転生者が自由に注文を付けられるといっても転生特典には総合的な性能の上限がある。例えるなら、『ありとあらゆる物質を操れて、同時にそのありとあらゆる物質からダメージを受けない』っていうのは明らかに上限を超えてるから無理だけど、『炎を自在に操れて、自分は炎でダメージを受けない』だったら三大女神なら余裕で行けるわ。余りで『一酸化炭素中毒にならない』とか『火を大きくできる』みたいな扱いやすくするための能力も付随できるくらいにね」
「なるほど。それに加えて、彼が『決闘』に拘り、モンスターとの戦闘を避けているとなると……『人間からの攻撃でダメージを受けず、人間に与える攻撃の威力が何倍にもなる』というような能力だったりしますかね」
それは……かなり、いい線行っていると思う。
転生者としても『とにかく人間にさえ殺されないのなら生きるのに苦労しない』とか考えるやつはいそうだし。人間には圧勝できてモンスターにはあっさり負けるというのなら、一応バランスはとれているように見える。
けれど……
「……ダメね。確かに、そういう『人間特攻』はできなくはないけど、あいつの能力はそれじゃない」
「どうしてですか?」
「だって、私は仮にも天使だし。この人間体に入ってるといっても、それは性能を制限しているだけで本質まで変わったわけじゃない。魂的には人間じゃない部分もあるから、『人間からの攻撃が完全無効』だったとしても攻撃力の半分くらいは貫通しないとおかしい。それに、軽く調べてみたけど、ギルドの記録からして『岩蜥蜴の女王個体討伐』とか『腐肉毒蜂の掃討』みたいなモンスター相手の依頼でも能力を発揮して活躍してる。『怪樹の増殖』とか『コボルトの群れの大移動』とか、ギルドが緊急で強く出動要請してもどうしても動かなかった依頼もあるみたいだけど……働くときにはやたらと戦力になってるからギルドも強く出られなかったみたいね。それ以前にキレると人的被害が出るからっていうのもあるみたいだけど。モンスター相手でも猛威を振るってる辺り、単純に人間だけを対象にした能力ではないわ」
それだけ警戒されていて、これだけの情報がすんなり手に入っているのは、やはり彼が商会の宿を襲撃したことでギルドが怒っているということだろうけど。
態度や装備を見ても、決闘形式の強奪だけで功績を挙げてきたわけではないのは確かだし、『人間に対しての無敵』では説明がつかない。
それなら誰かが蜂の巣でも投げつければダメージを与えられたはずだ。
「なるほど……そうですね、私のダイスも最初の一回だけですが傷をつけることができました。その直後から効かなくなったことを考えると……『一度受けた攻撃は二度と効かない』か『無敵の対象を切り替えられる』という可能性も?」
「『一度受けた攻撃は二度と効かない』……は、あんまり考えなくていいと思う。だって、通ったのは魔法ありにしろ純粋な質量攻撃でしょ? さすがにそのくらいいくらでも受けてるはずだし、あれが初めてっていうのはおかしいわ。だけど、『無敵の対象を切り替えられる』か……目の前の一個体だけを特攻対象として設定すれば決闘も……いや、これも違うわね。記録を見る限りでは決闘で二人以上を同時に相手にしたことも何度もあるし、それだと必要な切り替え速度がありえないことになるわ。毎回初めての概念に対して特攻対象を再設定するんだから、その切り替え速度を多人数相手の戦闘に追いつけるところまで上げようとしたら『無敵』はさすがに無理よ。再設定の熟練度を上げたって、戦闘中に使えるようにできるとしたら二つが限度。一々、敵対した個々人に対して再設定するのは戦闘中には無理」
「つまり、その系統の能力であれば大雑把に『魔法攻撃に対して無敵』と『物理攻撃に対して無敵』を切り替えながら戦っているような感じですか。しかし、先程のテーレさんの攻撃に対する判定を考えると、『Aに対して無敵になる能力』はその定義した『A』にそのまま当てはまるかどうかが微妙な対象からの攻撃はある程度通ってしまうようですし、テーレさんがゼロ距離で体術と一緒に魔法を撃ち込んでも平気だったというのは『魔法』と『物理』の区別ではないのでしょう」
『魔法』と『物理』、『近距離からの攻撃』と『遠距離からの攻撃』という切り替えは私が『決闘では全て無傷』と聞いて一番に想定した可能性だ。
さすがに、身体の周りに常時障壁が張られていて傷つけられないというのなら戦った相手にはわかるだろうし、強度に限度はあるはず。
けれどあいつは、攻撃を見てから切り替える時間も与えないような煙の中からの矢継ぎ早の攻撃の全てをノーダメージで受けきった。
つまり、少なくとも『私による攻撃』という概念の全てに無敵化していたと言わざるを得ない。
私という存在がぴったりと入りきる境界線で設定された無敵設定を何か持っているはずだ。
「ふむ……彼からすれば、切り替えの熟達した選択肢『Aに対して無敵』と『Bに対して無敵』は『BはA以外の全てである』に近く、なおかつ『敵対者に関してAとBは重複しない』という条件が成立しなければあの絶対的な自信は発生しないでしょう。こういった集合問題は久しぶりですねえ」
「あんたは何を楽しんでるのよ」
「いえ、申し訳ない。ただ……テーレさんとこうして作戦会議ができるのが楽しくて」
「……はあ?」
「アーク嬢との神話談義も面白いのですが、こうして一緒に一つの目的のために話し合いができるというのはとても楽しいことです。相手がテーレさんであるというのがまたとても」
「……勘違いしないでよね。私はあんたが負けると困るから、真剣に考えるのを手伝わせてるだけなんだから」
「はい、もちろんですとも。では、テーレさんを困らせないためにも敵の能力の解析を頑張りましょう」
まったく、こいつは……人質を取られて、不利な条件での『決闘』に同意させられて。
それでもいつも通りにニコニコ笑ってるんだから……どうせ、なんとかできるって自信があるんでしょうに。どうせ、あんたの中では確証に近い答えが出てるんでしょうが。
だったらまあ……何とかなるし、大丈夫なんだろう。
「しかし、宿にこもって考えていてもアイデアが限られるものですし、ちょっと先ほどの話で調べたい情報が出てきました。なので……お出かけしましょうか」
「……え?」
「決闘に備えるのも大事ですが、心身を万全に整えておくのも大事なこと。要するに気分転換です」
マスターは、明日には凶悪な転生者と不利な戦いをしなきゃいけない人間とは思えないような気軽さで私を誘った。
「せっかくの観光都市レグザル、せっかくの『聖ホワイトの日』です。人質になって窮屈な思いをしているアーク嬢には勝った後で謝るとしてちょっとだけ楽しみましょう」




