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親父に巻き込まれて異世界に転移しましたが、何故か肉屋をやっています。  作者: まさきち
親父が本格的に動き始めました(まだまだ事業の多角化は進んでいきます)
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アンの独白を聞きました。

 長くなりそうだと言うことで、改めてマーリヤがお茶を沸かす。

 お茶が行き渡るのを見ると、アンは話し始めた。



 あーしとあの女は同じ学校の生徒だった。

 あの女は、高校に入学したての頃はぽっちゃりしてたんだけど、2年の夏休み明けから急に痩せて、ずいぶんと可愛くなったんだよ。

 それまで、男に見向きもされなかったのに、急にチヤホヤされ始めたんだ。

 あーしは彼氏もいたし何も思わなかったけど、よく思わない奴らもいて、あの女はイジメられ始めた。

 あの女とは顔を知ってるだけの間柄だったから、ほとんど何も知らないけど、ずいぶんと酷かったらしいよ。

 2年の冬休み、正月明けにあーしは親戚のところに行くのに親と一緒に車に乗ってたんだよね。

 高速道路の前を走るバスが急によろけてぶつかったんだよ。

 一瞬の出来事だった。


 そして、気が付くとこっちの世界で生まれ変わったんだ。

 魔族としてね。

 親から領地を引継ぐようになってから、他の魔族と会ったんだ。

 そん中にあーしの元の世界の知り合いもいたから、状況を聞けたんだ。

 こっちに転生していた他の魔族は、同じ学校の女子バレー部の連中で、バス事故で死んだって言ってたけど、それがウチら家族の車にぶつかってきたバスだったんだよ。

 バレー部の連中は生まれ変わる時に、あの女から、復讐だと告げられてたらしい。

 そのバレー部の連中から、あーしが巻き込まれた理由を改めて聞いたんだけどさ、これが酷すぎて。

 バレー部の連中があの女をイジメ始めたのは、キャプテンの未唯みいって女が好きだった男があの女に告白して振られたらしい。

 その理由があーしの彼氏のことが好きだったらしくてね。

 何でそう思ったのか理解もできないけど、未唯は好きだった男を振ったのを理由にあの女をイジメ始めたんだ。

 未唯といつもつるんでた凛依子りいことは仲が良かったからあーしと彼氏のことを知っててさ、イジメるネタにあーしのことも話してたらしい。

 あーしは全く知らないところで逆恨みされてその挙げ句殺されたんだよ。

 そして、復讐するためにこの世界で生まれ変わらせられたのさ。



 まだまだ話は続くよ。



 あの女、聖女なんて名乗って、その惚れてたあーしの彼氏をこっちの世界で自分で産んで、自分好みに育てたんだ。

 聖母マリアと光源氏を同時にしやがったんだよ。

 なかなかの変態だろ。

 その子がルース。

 勇者だ。

 そんで、ルースにあーしを殺すように言いやがったのさ。

 でも、ルースはあーしを殺さなかった。

 当時、人間と魔族は血で血を洗うような抗争を繰り返していて、魔族側も一枚岩じゃないから、あーしの領地以外のところは軒並み人間側に攻め込んでた。

 元々、人間と争う気もなかったあーしは、話合いで解決しようとしてて、結局、戦いもしなかった。

 それどころか、あーしとルースは再びこっちの世界でも惹かれ合ったんだ。

 彼とは本当に愛し合ってた。

 二人でこの世界に、魔族と人間の間に平和を築こうと約束したんだ。

 真実はそうなんだけど、あーしがルース

を惑わせたことになってるけどな。

 それを妬んだあの女はどうしたと思う?



 あの女、ルースの脳を物理的に抜きやがったんだ。

 まっさらな脳みそを突っ込まれて再教育さ。

 まぁ、まっさらな脳みそを突っ込まれたのもあって、かなりの間使い物にならなかったんだけど。

 あの女は人間の中身なんて要らないんだよ。

 ガワだけ、外面だけ欲しかっただけなんだよ。



 あんな状態、殺されたも同じだよ。

 そっから、あーしはルースの仇を討つために、他の魔族と共に人間と争うようになったんだ。

 今の使徒召喚システムが構築されたのは、その頃で、あーしか参戦し始めてからだね。

 ウチらを片付けるために、戦力が欲しくなったんだろ。

 使徒たちが召喚され始めて、そこから魔族側は急速に崩されていったよ。


 長い戦いのうちに、ルースの情報が手に入った。

 元々のルースの脳はこのシステムを支えるために働かせる脳みそたちと一緒に保管されていたのを聞いたから、あーしはそれを奪い返しに行くことにした。

 ああ、この世界のジョブやスキルのシステムは、今までこの世界に来た魔族てんせいしゃや使徒の脳を使って動かしているんだよ。

 話を戻すけど、ルースの脳の話は当然のごとく罠だったのさ。

 ルースの脳を取り返した時、大量の使徒に囲まれてた。

 その中にルースがいた。

 あーしはガワだけになったルースを殺すのに気を取られ、助け出した筈のルースの脳と一緒に吹き飛ばされたのさ。

 あの女からすれば、自分を裏切った男なんて、その脳みそなんて、あーしを釣るための餌でしかなかったんだよ。

 その時、ポチとタマが助けに来てくれたんだ。

 あー、タマはサイクロプスの子でさ、いつもポチに乗ってたよ。

 タマはほとんど頭部しか残っていなかったあーしを、機転を利かせてその場にあった機械で冷凍保存してくれてさ。

 そのまま長い間ポチとタマに保管されてたんだ。

 それで、ポチとタマがあーしを助けられる方法を探しに世界中を駆けずり回ってくれた。


 120年ぐらい前だったかな、ウチらはアウト・オブ・レンジと先住民が共存する村に辿り着いたんだ。

 この世界の先住民ってのは、肉体を持たない精神体のみの存在でさ。

 実はウチらの肉体に植え付けられたシステムとの接続器官はこの先住民を模して作られたモノらしい。

 先住民はシステムとの接続器官を触媒にして、一時的に肉体から分離してくれたんだ。

 幽体離脱みないなもんかな。

 肉体から分離したあーしは、自分の『権能』で自分の肉体を治すことができた。


 そこから永い時間をかけて、なんとか、今の身体を手に入れたのさ。


 ああ、タマは寿命だよ。

 大往生だったぜ。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『エンチャンター(戦闘は女の子頼みです)』 を隔日・交互に掲載しています。 こちらもよろしくお願いします。


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