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親父は最後の仲間に会いに行くようです。

「まぁ、元気はあるか。」

「普段は静かな奴なんだがな。自出を知って前向きなのを評価できるぐらいかな。」

「お前を『日本人』やと思ってたとは、なかなか笑えるな。お前の『日本人』の部分は、お前が持ってる500年の記憶のうちのほんの一部やろうからな。」

「お前もか。この帝国の皇帝に向かって『お前』はないだろ。」

「ふん。下らんな。そんなこと気にするタマか?」

「俺もそんなモノに固執する気はないが、年長者は敬うべきだぞ。」

「他人の分は勘定に入れんでええ。お前自身はただのガキやろ。まぁ、そんな話はエエわ。本題に戻すぞ。」

「ああ。まずは、狂ったアルラウネの居場所か。」

「上手いこといったら、ワシが連れて帰る。アカンかっても最悪ワシが処分する。」

「アレをどうにかできるとは思わんが、片付けてくれるというなら有り難い。ただ、もしもの時はウチで対応しなければならん。随時、居場所の報告をしてもらうのと監視を付ける。」

「監視を付けるんやったら、報告なんて要らんやろ。」

「撒くだろ。アンタ。」

「ガキやないねんから、そないなことするかいな。ほんで、さっきのガキを監視に付けるんか?」

「アレじゃ、頼りなさそうだが、そもそも辺境で魔物討伐で動かす辺境遊軍の所属だからな。」

「さよか、よろしゅう頼むわ。ほな、次に『先住者』の居場所に関する情報やけど。」

「ソイツはまだウチの探索チームが探索しているところだ。お前が帰ってくるまでには情報を整理しておく。」

「まぁ、構わんわ。」

「細かいことは、宰相のカールと打ち合わせをしてくれ。」

「宰相って、忙しいんちゃうんかいな?」

「国どころか世界が動く案件だからな。」

「ま、そんだけ重要や思うてくれてるってことは感謝しとくわ。」



 皇族しか入らない区画の小部屋で小一時間ほど宰相が現れるまで待たされた。

「待たせたか?」

「忙しいのは分かってるから、気にせんでエエで。」

「それでは、早速、本題に入らせてもらおう。」

「その前にこの資料だけ、目を通してくれへんか?」

 宰相は訝しげな顔で手渡された紙に目を通す。

「その資料は、狂った魔王の移動経路で今まで起こったプチスタンピードの状況や。人里に降りてくるのは、人型が主や。」

「やはり、アルラウネだけあって、植物系の魔物は取り込まず配下にしているということですか。」

「いや、彼女の対象を喰らってその力を奪うスキルは個体全てを取り込む必要がないみたいなんや。植物系の魔物は肉体の損耗があっても死なんのが多いから生き残ってるだけやな。あとは従うんやのうて、怯えてやり過ごそうとしてるだけみたいやで。」

「ほう。獣系統の魔物はその機動力を活かしてより深い森へ逃げる。だから、人型だけが人里に降りてくる。そう言いたい訳か。」

「まぁ、その辺のことを証明したいっちゅう資料やな。参考にするかは任せるけど。目標にワシらが接触したら、周りの魔物が逃げ出してまうのは確実や。せやから、人里に行かんように対応せなアカンのやけど。」

「近くに応援を置きたいところでしょうが、その辺りの対応は混乱を抑えるために帝国軍で対応したいのですか。」

「近い場所やから、隣国からでも手配するって方法もあるとは思うけど、隣国の傭兵がウロウロしとるのも無駄に住民に不安になるやろからな。」

「それにアレの移動は常に軽いスタンピードを伴っていますし、既に帝国軍を動かしています。それにそういう事態の対処には、使徒が優先して当たることになってます。」

「ああ、あの子らが来るんも当然なわけやな。」

「それで、あなたたちの主戦力の数は?」

「ココに居るメンバーとあともう一人ぐらいやな。」

「まさか、貴方が向かうなんてことはありませんよね?」

「そのまさかや。総大将自ら死地に飛び込むなんて組織としてはあり得んけど、ワシらはそんなこと言うとれんぐらい手が足らんからな。」

「あなたは何のジョブもスキルも無く、ステータスの恩恵も受けていないと聞いていましたが?」

「まぁ、倒しに行く訳やないからな。」

「本気でアレを仲間に出来ると?」

「確実にできる保証は無いけどな。」

「まぁ、損耗させられれば、蓮たちにも勝機ができるでしょうし、好きにしてください。」

 その後、魔王討伐に対する打ち合わせは四半時ほどで終わった。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『エンチャンター(戦闘は女の子頼みです)』 を隔日・交互に掲載しています。 こちらもよろしくお願いします。


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