やっぱり冒険は止められませんでした。
いろいろあって、投稿が滞っておりました。
気が付くと一年があっという間過ぎておりました。
年をとると時間が経つのが早いです...
ボチボチ更新していきますので、期待せずお待ちください。
いろいろ当初の計画から変わった気がするが、サムイルは定期便事業に精力的に関わっていきたいとのことで、警備関係以外のほとんどを任せることとなった。
ただ、引き継ぎはこころさんがするため、よく二人で走り回っていた。
トリキアに戻ってきてから王都から連れてきたライナとジルマに闇市で屋台をさせ、完全に任せられるようになっていた。
既に定期便事業も試運転を開始しており、予定の一か月が経ったため、ライナとジルマを王都に戻すことになった。
なかなかに濃い一か月だったな。
ライナとジルマの出発を見送るために、街道にウチのメンバーが集まっている。
「あれ?サムイルも行くのか?」
「うん。道中の宿場の面倒も見ないといけないからな。」
「こころさんは?」
「別の仕事もあるから今回はトリキアに残ってもらうことにしたよ。」
まだ、運ぶ荷も少ないため、こども三人が荷台に載った。
「それじゃぁ、フリッツさん。よろしくお願いします。」
ヴィネフと打ち合わせをしているフリッツさんに声をかける。
今日の警備はフリッツさんと、同じ集落の人が二人付いている。
アリプロフの金貨もこちらからいくらか搬送するため、今日は警備の人数が多い。
そのうえ、ヴィネフがフリッツさんの集落に行く予定なので、更に一人増える。
「随分、寂しくなるわね。まぁ、ユーキとココロさんがいてくれるからまだ良かったわ。」
「うん。そうだな。」
適当にマーリヤにの言葉に頷いておく。
俺は夜の森を歩いていた。
迷っている訳でもない。
宗一郎さんから魔物たちの伝聞でストーンカさんが俺に会いたがっていると聞いたからだ。
一体、どんな用があるのか分からないけど、彼に興味があるので、もう一度会いたいとは思っていたところだ。
一人にしろ、こころさんと二人にしろ、マーリヤに話したらとめられるに決まっているので、書き置きをして俺はこっそりと夜中に街を抜け出してきたのだ。
昼間にあんなことを言われたので、かなりヒヤッとしたし、この上なく後ろめたい。
マーリヤとこころさんへの埋め合わせは考えておかないと。
帰ったらサキさんに相談してみようかな?
そう言えば、魔道具の水差しを買った。
荷を減らすだけでなくルートが縛られなくなるメリットがあるけど魔石が必要だ。
ちなみに、小型の魔石一つで4リットルほどで、一人なら2日分の水しか作れないけど、魔石は安いときでも金貨一枚程度する。
初めて見た時には、「こんな金食い虫誰が使うんだ。」なんて言ってたけど、実際使ってみると、コストに見合うだけのメリットはあると思う。
水の心配をしなくて良いため、食料はパン類を持たなくても良いし、えん麦と干し肉、自分で作った干し野菜など、乾物だけで事足りるので、かなり軽く済む。
そして、ルートも水の補給を考えなくても良いため、最短距離を突き進むことができる。
意外と水の確保を考えるとかなり遠わまりのルートになるから、かなりの時間短縮になるんだよね。
まぁ、金持ちしか使えないけど。
独りだけなので、日が暮れるギリギリまで歩き続け、2日目の昼にはストーンカが住んでいる近くまで辿り着けた。
森が切れた岩場で短い休憩を挟み、歩き出したところで、バッタリとゴブリンに遭遇した。
そう、文字通りバッタリだ。
巨大な岩陰を抜けたところ、出会い頭で出くわした。
お互い驚いて距離をとる。
向こうは2匹しかいない。
襲いかかられても、何とかできそうな気がする。
長巻の柄に手を掛けて様子を窺うと、向こうも同じようにこちらを窺っている。
しばらく顔を突き合わせていると、不思議そうに首を傾げている。
もしかして、人の来ない場所で育ったから、人を襲う気が無いのだろうか?
いや、俺がシステムの適用を受けていないからか。
「君らの集落は近くにあるのか?」
何となく話し掛けてみた。
「グゲッ。」
「ギッ。」
俺に何か言ったあと、お互い何かを話している。
「俺はストーンカの友達で、会いに来たんだ。」
「ストーンカ!」
あ、通じた。
何とか聞き取れるような言葉だったけど、多少は理解できるみたいだな。
「ストーンカ、俺、友達。」
「ストーンカ?ニンゲン?」
1匹が俺を指差す。
「俺、人間。」
自分を指差して説明してみた。
「ニンゲン?トゥモ?」
「人間。友達。」
よく見ると、ゴブリンたちは狩りをしていたようで、狐らしき獣を引き摺っている。
らしいと言ったのは、黒い毛皮の狐なのだ。
尾の先が白いのと、特徴的な耳は狐のそれと分かる。
もう一つの獲物は、ウサギだ。
ただ、犬ぐらいの大きさのものだ。
小骨に困らされず食いでがありそうだけど、魔物なら人間は食べれない。
二匹のゴブリンが俺を見る目は、敵意ではなく興味の色が見える。
もしかしてシステムの介在が無い俺ならば、人間と魔物・魔族とも仲良くできるんじゃないだろうか?
ここは試してみるべきなんじゃないだろうか?
「俺、君らとも友達、なりたい。」
そう言って、俺はゴブリンたちに握手を求めるように、手を差し出した。




