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王都で働いてくれる人を探してみます。

 こころさんも合流して3人で、親父の徒党のアジトに向かっていく。

「ユーキさんじゃありませんか!」

 入口で俺を見かけたチンピラが大きな声を出しながら、俺に頭を下げてくる。

「お前ら!応接にお通ししろ!早く若頭を呼んでこい!」

 何だか小さな騒ぎになってしまってるな。

「すみません。ユーキさん。お茶みたいな物は置いていないもので…」

「いや、急に来て迷惑かけてるのはこっちだし、そこまで気を使って貰わなくてもいいですよ。」

 若頭と呼ばれたペネさんが通された部屋に足早に入ってきた。

 先日、宿屋で俺たちに挨拶してきた人だ。

「ユーキさん。今日はどういったご用向きで?」

 一緒に来た3人は前に並ぶ柄の悪さに少し気圧されている。

「新しい商売をするのに人が欲しいんです。この街のできればカタギの人間で。」

「商売ったって、何をする気なんですか?」

「食べ物の屋台です。」

「しかし、商売するったって、元手も要りますし、売れるかどうかなんて分かりませんし。」

「ウチの店の従業員として2人雇い、ウチの店として出店する。そちらには店の場所の確保と授業員の紹介をお願いしたいんです。」

「へぇ。」

「ウチの新しい食材の売出しをするために、屋台で売り出したいんです。比較的高級な食材が多いんで、食材自体を販売するには骨が折れる。そこで、屋台で売り出したいと思ってるんですよ。」

「信用おける人間なら年齢も性別も問いません。一度、トリキアに来てもらって、いろいろと覚えてもらってからとは思ってますから、商売をしたことの無い人でも大丈夫です。」

 後の人たちがざわついてるな。

「あと、もう明日に出立する予定なんで、それまでに来てもらえるってのも条件になりますかね?」

「あ、あの、足が悪いってのは難しいっすよね?」

 後の若いのが遠慮がちに言ってきた。

「馬鹿っ!イヴォの事か?そんな不具者なんて商売に出せんわ!」

「もしかして、その人、読み書きができるとか?」

「へぇ、そうなんですが、戦で足を失いまして。算術ができるんで、ウチの金庫番をさせているんでさ。」

「算術はできた方がいいけど、どうしてもって訳じゃない。信用ができる人間なら誰でもいい。」

「信用はできますぜ。実家から放逐された貴族の四男で、昔はひねもす賭場に入り浸る遊び人だったんすがね。」

「まぁ、詳しい事は本人から聞かせてもらうよ。」

「そうですな。足が悪いのを不問にしてもらえるんなら、ピッタリかも知れませんぜ。」

 ペネさんも何か推したいみたいだから、とりあえず会ってみることにするか。

「それじゃ、そのイヴォさんに会わせて貰いましょうか。」



 ペネさんに案内されてアジトの奥に向かう。

 徒党のアジトらしく、柄の悪い若者が走り回っている。

 徒党のアジトに似つかわしくないような書類が積まれた部屋にイヴォさんがいた。

「こっちにいるのがイヴォです。」

「ペネ。何だこのガキは?」

 50前の男が横柄に若頭に返事をしている。

「オッサン。客の前だ口の利き方には気を付けろよ。」

 まぁ、アットホームだとでも思っておこうか。

「こちらがマサヤさんの弟さんのユーキさんだ。」

「ほう、コイツがか。」

「王都でも商売がしたくて、人を探してたんです。ペネさんも推薦したいみたいでしたので、会ってから決めてみたいと思いまして。」

「ふん。要らねぇよ。この穴蔵で間に合ってるよ。」

 穴蔵とはいうものの、書類を書く必要があるため、窓がある部屋を充ててはあるみたいなんだが。

「コラ、オッサン。ちゃんと話を聞けや。ユーキさんは屋台をするのに何人か雇いてぇって言ってくれてるんだよ。そうすりゃ、アンタんトコで面倒見てるガキから何人か出すのもできるだろうが。少しでも稼がねぇといけねぇんじゃねえのかよ。」

「屋台ってぇと、食いモンか?」

 何か偏屈っぽいな。

 先にもう少し話を聞いとけば良かったな。

「何でそんな物入りなんですか?」

「お前には関係ない。」

 うわぁ。面倒くさいおっさんだな。

「そうですね。働き口を増やすことができるような話を聞かずに拒否するような人間に用は無いですね。何が気に入らないのか知りません。俺ならスラムから一緒に出てきたコイツらの将来を考えて、必死で頑張りますけどね。」

 多分、ペネさんの口ぶりだと、俺と同じようにスラムのこどもたちの面倒をみてるんだろうと思って言ってみる。

 一応、王都でマネージメントもできる人間が欲しかったけど、協力的じゃない人間を雇っても仕方がないしな。

 じゃあ、アプローチの方法を変えてみるか。

「俺の所は徒党と関係ありません。王都で売りたい食材がある。それさえこなせれば自由に商売していい。初期費用は俺が貸します。利子はとりませんが、俺が命令権を持ちます。回収はペネのところに頼みます。返済できればあとは自由です。これが提示できる最大の条件です。飲みますか?」

「お前が命令できる内容は?」

 乗ってきたか。

 自分で商売すれば必ず儲かるとでも思ってるのか?

 自信家なのか?

 まぁ、元々、一定成果が上がって初期費用が回収できれば、自由にしてもいいって思ってはいたから、さほど計画は変わらないけど。

「売る最低限のメニューと食数のノルマ設定。それ以上は望まない。」

「なら飲もう。」

「何故、店が欲しいんですか。」

「お前も言っただろう。少しでも働き口を増やしたいからだ。」

「やり方は任せましょう。こちらとしては、食材が売れればそれで良いですから。」

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『エンチャンター(戦闘は女の子頼みです)』 を隔日・交互に掲載しています。 こちらもよろしくお願いします。


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