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少しだけ覚悟をしてみました。

 部屋に戻り独りになってからも、こころさんの言っていたことを少し考えてみる。

 親父はそのシステムを造った存在やつを敵に回そうとしていると言っていた。

 そもそもそんな事ができるなんて人智を超えた一般的に『神』とでも呼ばれるような存在しかないだろう。

 この世界ではルース教会の唯一神しか信仰されていない。

 この世界で『神』と呼ばれるのは、聖女シファに救世主ルースを授けたと言われる神のみなのだ。

 今までは、日本での感覚があったから、相手は何かを司る神の一柱ではないのかと思っていた。

 とは言うものの、そもそもどうやってそんな存在を倒すのか。

 そんな方法があるのかも分からないけど。

 それよりも問題は相手が誰で、親父がどう戦おうとしているのか、だな。


 親父が問題視しているのは、人間と魔族が争うということだ。

 どちらも、誰か・・の創造物であり、等しくシステムが適用されている。

 そして教会・・は人間と魔族をお互いに争わせるように仕向けている。

 いや、俺と親父が魔族や魔物に敵意を持たないということは、システムが適用されていないからじゃないのか?

 もしかして、人間と魔族を争わせるように仕向けているのは、教会・・ではなく、システム・・・・なということ?

 教会を造った誰か・・・・・・・・システムを造った誰か・・・・・・・・・・は同一である可能性がある?

 そう言えば、親父は魔族も誰か・・に造られた存在だと言っていた。

 しかし、人間側には、システムが適用されていない者がいる。

 アウト・オブ・レンジとは、システムが創られる前の人間の子孫なのかな?

 システムが作られたのは、人間が存在して以降だと言うことになる?

 なら、魔族はシステムが造られてから造られた?

 だとしたら、何がシステムを造った誰か・・・・・・・・・・の狙いなんだ?

 それを親父はその狙いを止めようとしている?

 もしかして、人間だけでなく魔族も敵に回る可能性があるのか?

 そうなれば、正に全世界を敵に回すってことになるのか?

 もしかして、親父が魔族を集めているのは、そのシステムの支配から抜け出せる方法が存在するということ?

 準備が整っていないうちに動きを気取られると全てが台無しになるということか?


 そもそも、システム自体の目的は一体何なのか?

 命を懸けて大義を成す。

 親父は何を成す?

 大義とは何だ?

 ただ、親父が動くということは、この世界の根本に喧嘩を売るということは、大きな動きがあるということだ。

 俺に分かるのはそこまでだ。

 親父がしたいことは分からない。

 けど、本人が言うとおり大義のために犠牲を厭わないことは確かだろう。

 俺には親父のような大義は無い。

 あるのは、目の前の人たちを守りたいという気持ちだけだ。

 もし、目の前の人たちが脅かされた時、俺は親父の大義に立ち向かうのか?立ち向かえるのか?

 親父の大義のために、目の前の人たちが犠牲になるのをじっと見ていられるのか?



「なぁ、宗一郎さん。」

 結局、寝付けなくなった俺は墓地の端にある大きな墓標にもたれかかって呟いた。

「この世界はどうなってるんだ?人間と宗一郎さんたち魔族を戦わせてどうしたいってんだよ?」

 しばらくの静寂のあと、宗一郎さんからの言葉が帰ってくる。

「今はまだ知るべきじゃないよ。」

「やっと、覚悟ができた。あの人とは違う覚悟だ。」

「へえ。」

「俺は守りたい。全てを切り捨てても正義を貫く覚悟じゃない。生き汚くて良い。罵られても良い。目の前のみんなが少しでも笑顔で過ごせるために戦う。」

「あの人と袂を分かつ?」

「必要があれば。同じ敵を持つ一人の男として。」

「もし、対立したとして、あの人に勝てるの?」

「勝たなくて良い。負けなければ良い。」

 気が付くと宗一郎さんが横に座っていた。

 気配も音もしないな。

「だから、俺を鍛えて欲しい。」

「僕はマジックキャスター系だし、スキルシステムに頼った戦い方になるから、参考にはならないよ。」

「いや、俺も使えるんだ。魔法。」

「スキルもないのに?」

「ああ。」

 俺は『炎の短矢』の魔法陣を想起し、その魔法陣に魔力を満たし、魔法を発現させる。「何回ぐらい撃てる?」

「5回かな?それ以降は威力がほとんど無くなる。」

「限界まで使って、気分が悪くならない?」

「うん。特には。」

「多分、裕紀はスキルシステムとは全く別の仕組みで魔法を行使してる。普通、魔力というのは、周囲に存在しているものが自然に身体に蓄積されるものなんだ。裕紀の身体には魔力が全く感じられないんだ。」

「じゃ、何で俺は魔法が使えてんの?」

「多分、精霊魔法と同じだと思う。周囲に存在する魔力を使って魔法を行使してる。」

「精霊ってシステムが生み出したもの、なんですよね。」

「ああ。スキルシステムでの魔法だと、体内に取り込まれた後の魔力を使うから、柔軟性があって反応速度も早い。けど、身体に蓄積される量には限りがある。多分、裕紀が魔法を使う時の限界は周囲の魔力を使い切ったからだと思う。」

 分かったような、分からないような。

「本題に戻そう。」

「ああ。」

「一年。一年で力を付けて、僕に覚悟を示してくれ。それができれば、僕は君の側に立とう。」

 そのための力を付けたくて、相談しにきたのに。

 やっぱり、この件に踏み出すには、まだ覚悟が足りなかったのか。

「分かった。見ててくれ。」

 とは言ったものの、迷いと不安しかない気がするが、とりあえず自分なりに足掻いてみよう。

 そのぐらいの決意は出来た。

 だが、まだこの世界で骨を埋めるほどではないけど。

 新年の暇潰しにはなりましたでしょうか?

 しばらく充電期間が必要になってしまいました。

 エタらないように頑張りますので、またしばらく後にお会いしましょう。

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 同じ世界を舞台としたもう一つの物語、『エンチャンター(戦闘は女の子頼みです)』 を隔日・交互に掲載しています。 こちらもよろしくお願いします。


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