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メイド人形はじめました  作者: 静紅
魔法学校
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第八十九話 少女の錯綜

 オリビアが出かけている間に部屋の掃除を始めて暫く、床を拭いているとオリビアのベッドの下に何かがある事に気付いた。よく見ると何冊もの本が置かれていたのだ。

 せっかくだしベッドの下(そこ)も掃除しようと、本を取り出す。

 しかしオリビアは何故こんなところに本を置いているんだ?

 オリビアの本棚はまだ空いているし、保存にも良くないだろう。

 不思議に思いながら、僅かな好奇心と悪戯心に駆られ、本の中身をパラパラと捲ってみた。

 内容は貴族の御曹司とメイドの身分差恋愛で、この世界ではまだ開拓ジャンルだが、前世では王道と言える内容だ。

 二人の初夜の描写など綿密で、軽く見ただけでも作者のこだわりが感じられる。


「……ほぼ官能小説じゃないか」


 いや、いいんだ。お嬢様も年頃だし、この国は十五歳で成人だし、前世みたいな性的表現に関する年齢制限があるわけでもない(勿論あまり大っぴらにするような事ではないという倫理観もあるが)。

 なのでオリビアが大人の階段を上る小説の一冊や二冊持っていたところで、咎めるような事ではない。

 だがそれを見付けてしまった身としては、恥ずかしいような照れ臭いような、何とも言えない気持ちになってしまう。

 息子の部屋を掃除する母親ってこんな感じなんかねぇ。

 机の上に積んでおくという選択肢もあるが、あれをやられた側はかなりのダメージだと聞く。実際に想像したら、成る程、これは嫌だ。

 掃除の後でちゃんと元の位置に戻そう。


 それにしても、本の執筆は貴族とか上流階級の趣味か専門家の研究でなければ行われないこの世界で、こういったものが出回っている事も驚きだ。となればこれの入手にはエイミーかクリスティナあたりが噛んでいると見るべきか。

 この手の話題は俺からはしづらいし、振られても困る。オリビアだって同じ部屋で生活している俺にこんな事を話すのは嫌だろう。


「まぁ、こういった話の出来る友人というのも大事だもんな」


 お嬢様、いいお友達をお持ちになりましたね。

 俺は無理矢理優しい気持ちになりながら掃除を再会した。

 オリビアのコレクションがメイド物や身分差物ばかりな気がするけど、多分気のせいだろう。

 よしんばそうだったとしても、俺には関係無い。

 そうだ、そうに決ってるよ、うん。


「溜めるのも良くないし、自分で処理出来てるなら別に良いか」


 でも何だろう。さっきからやたらと嫌な予感するんだけど。







 休日の校舎裏。そんな人気の無い場所に私は来ていた。他にエイミー、クリスもいる。


「さて、今日集まってもらったのは深刻な事態が発生したからです」


 エイミーが話を切り出すけど私にはその意味が判らない。クリスも見当も着かないのか小首を傾げている。


「はぁ、あんたねぇ、ナタリアさんの好み忘れたの?」


 ナタリアの好みって確か……


「綺麗な黒髪で背が高く、頼り甲斐があって知的な人、でしたよね?」


 私が思い出そうとしている間に、クリスが先に言ってくれた。

 そうだ。私はお母様に似て黒い髪だし、身長ももうナタリアより高い。頼り甲斐のある知的な人にはまだ遠いかもしれないけど、それはまだまだこれから自分を鍛えて、ナタリアの好みになれるように努力するつもりだ。


「リューカさんも綺麗な黒髪よね。それに話してみたら結構しっかりしてるし知的だし」


「はっ!?」


 エイミーの言う通り、リューカさんもナタリアの好みに近い!


「それにナタリアさんはレイバナ国の文化に興味があるみたいだし、リューカさんからの印象も良さそうよね」


「ああっ!」


「冗談とは言えプロポーズまがいの台詞を言うほどだし」


「うわああぁぁ!」


 私はあまりの事実に頭を抱えた。


「ナタリアさんがリューカさんを好きになっちゃうかもね」


 せっかくナタリアが目覚めたのに!


 リューカさんとも仲良くなれると思ったのに!


 まさかこんなところでライバルが現れるなんて!


「あーあ、こんな事ならもっと早く告白しといた方が良かったのかなぁ」


 エイミーが頬杖を突いて宙を見上げながらぼやく。


 告白……そうよ、告白!


「ナタリアが目覚めた夜にエイミーが来なきゃ告白してたのに!」


 ナタリアの身体を拭くお湯を沸かせに厨房に行った途中でエイミーに会ったからその時にナタリアが目を覚ました事を報せたのだけれど、まさかその日のうちにお見舞いに来るなんて思わなかった。

 しかもナタリアへの告白を邪魔するタイミングで来るなんて!


「あとでお見舞いに行くって言ったでしょ! ナタリアさんとは参考書の件だって話さなきゃいけなかったんだから!」


「だからってあのタイミングじゃなくてもよかったじゃない! エイミーはいつもお金の事しか考えてないんだから!」


「はぁ!? 私がお金の事しか考えてないならアンタと親友やってないわよ!」


「……ごめん」


「ううん、私もごめん」


 冷静になった私達は互いに謝った。エイミーはお金儲けが好きなのは本当だけど、それだけじゃない事は私も解ってる。エイミーが損得を無視して助けてくれたのも一度や二度じゃない。

 ナタリアの事だって、エイミーなりに心配してくれてた筈なのに。


「ええと、とりあえずナタリアさんには早く告白した方が良い、という事ですね」


 今まで話題に入ってこれなかったクリスが戸惑いがちに纏めてくれる。


「そうですね。普段のスキンシップでナタリアさんの認識をある程度変えて、告白はそれからと思ってましたけど、あまり猶予は無さそうですし」


「でもこういうのってシチュエーションが大事なんでしょ? どうしよう?」


 二人に借りた本だと、告白は物語りでも特に盛り上がるシーンだ。その状況もそれまでとは全く違う、ロマンチックな場面でする事が多い。


「そうねぇ、何か切っ掛けでもあればいいんだけど、2年生の上期はナタリアさんが関わるような学校行事も無いのよねぇ」


「そうなるとオリビアさんが個人的に作れる状況じゃないといけませんよね」


 前は観学祭の模擬戦大会に優勝したら告白しようと思ってたけど、今年の観学祭はまだまだ先だ。それまでナタリアさんがリューカさんを好きにならない保障は無い。ううん、これはリューカさんに限った事じゃない。ナタリアが他の誰かを好きになる可能性なんて、常にあるんだ。


「だったら寮で二人の時が良いかな?」


「それで告白する雰囲気作る自信あるならね」


「…無い」


「あの、それでしたら、ナタリアさんがお仕事している途中に声を掛けてみてはどうですか?」


「ああ、クリスが薦めてくれたメイドとの恋愛小説にそんなシーンあったわね」


「ええ。それのようにしてみては?」


「でもいきなり壁際に追い詰めて夜伽の相手するよう命令するのって―」


「そ、その本じゃなくて!」


「クリスさん…」


「誤解ですぅ!」


 でもクリスが貴族の間で流行ってるって教えてくれる本はそういうのが多い気がする。クリスじゃなくて貴族全体がそういう趣味って事かな?


「え、えーと、将来の展望から逆算するのはどうでしょう?」


 テンボウがギャクサン?


「成る程。着地地点の希望があるならそこに至る道を遡ればいいんですね。それなら」


「着地地点が遡る? 地面が動くの?」


「ちょっと待って。もう少し解り易く説明するから」


「いずれナタリアさんとこんな事をしてみたいというイメージがあるなら、それに向かうようなシチュエーションを作れば告白しやすいのではないかと」


「オリビアはナタリアさんと恋人になったらしてみたい事ってある?」


「勿論あるわよ」


 好きな人としたい事なんていつも考えてる。そもそも恋してるなら誰だって考えるでしょ。


「例えばテストで良い点取ったらナタリアが頭を撫でてくれたり」


「意外とソフトね」


「あとは仕事中のナタリアを壁際に追い詰めて、ちょっと強引に上を向かせてキスしたり」


「今度は攻めるなぁ」


「それで困った顔のナタリアの耳元で今夜の夜伽を命令したり」


「それさっきの本のシチュエーション!」


「ベッドの上でぐったりしたナタリアを優しく抱き締めたり」


「事後まで行った!?」


「大きくなったナタリアのお腹をさすって『元気な子が生まれると良いわね』って言ったり」


「色々とおかしい!」


 無理かなぁ。

 ナタリアの事は本気で好きだし、頑張れば何とかなる気もするんだけど。


「あー、そこまで妄想し(考え)てるならもう押し倒して既成事実作るなりしちゃいなさいよ」


「それだ!」


 半目で呆れたように言うエイミーの言葉に、私は衝撃を受けた。

 そうよね。作戦も大事だけど悩むなんて性に合わないわ。


「そ、それでいいんでしょうか…」







 仕事が一通り終わったので、寮の厨房に来ている。

 何をするのかというと、先日オリビアが作ったシチューのようなもの(危険物)の処分方法を検討するためだ。収納空間の中で氷魔法を使って凍らせてあるので腐ってはいないだろうが、かといっていつまでも入れたままにしておくわけにも行かない。

 俺の為に作ってくれた物なので流石に棄てはしないが、どう頑張っても食べられる代物ではないので、オリビアが出かけている間に何とかしてしまおうと思ったのだ。


「とは言うものの、どうしたものか」


 収納空間から凍ったシチューのようなもの(取り扱い注意)を出す。

 凍っているので表面には霜が降りているが、その危険性は変わらないだろう。


「ナタリアさん?」


 背後からの突然の声に振り向くと、そこにはリューカが立っていた。


「すみません、何かお取り込み中でしたか?」


 丁寧な物腰はクリスティナと似ているが、何処か周囲への怯えや遠慮があるクリスティナとは違い、リューカの所作からは習熟した優雅さが感じられる。


「え、ええと、何と言いましょうか…」


「あら、それは」


 オリビアの手料理に頭を痛めていたなんて言えず視線を彷徨わせていると、リューカの視線が俺の手元に向けられた。

 そこには凍ったシチューのようなもの(劇薬)が。


「あ、これはですね…」


 何とか誤魔化そうとするのだが、こんな物をどう説明すればいいのか、咄嗟には思い浮かばなかった。


「とても危ないものですね。レイバナ国では千年以上前に八つの頭を持つ山のように大きな大蛇の魔物が吐いた猛毒が沼となって今でも残っていますが、それと同じ禍々しさを感じます」


 これそんなに酷いの!?

 むしろお嬢様どうやって作ったんだ!?


「ナタリアさん、これは然るべき所で清めるべきです」


「え、ええ。そうですね……」


 どうしよう。色んな意味で俺の手には負えなくなったぞ。

 深く追求される前にシチューのようなもの(SAN値減少)を収納空間に戻しつつ、話題を変えて誤魔化す事にした。


「ところでリューカさんはどうして厨房に?」


 俺が尋ねるとリューカは両手を合わせて丁度良かったと笑った。


「母国の食材で保存の利くものは多少持って来ているのですが、今後はこの国の食材で料理する事も増えますので、今のうちにどういったものがあるのか見ておこうと思った次第なのです。ナタリアさん、もしお時間がよろしければ私にご教授いただけませんでしょうか?」


 なんとこの令嬢は自分が料理するときの為に、あらかじめ知識を付けておこうと思ったようだ。

 こうやって事前準備を進めておく姿勢は嫌いじゃない。

 仕事は一段落してるし、夕食の準備までは時間もある。ならば彼女の頼みに答えるのも良いだろう。


「私でよろしければお教えいたしましょう。と言っても私はただの魔導人形ですので、ご期待に添えるかは判りませんが」


「まぁ、ナタリアさんたらご謙遜を」


 リューカはそう言って笑うが、世界の食材に関しては前世の知識と照らし合わせて理解したものやこの一年ちょっとで実際に試行錯誤しながら体験したもの程度だ。この世界の料理人に師事した訳ではないので知らない事の方が圧倒的に多い。


「そう言えば、ルリさんはご一緒ではないのですか?」


 料理ならむしろ女中であるルリの仕事だと思うんだが。


「ああ、ルリには今はちょっとお遣いを頼んでますので」


「そうですか。では始めましょうか」


 そう言って俺は厨房の奥にある食料庫に向かった。

 食料庫には肉や野菜や詰まれており、一見すると粗雑な保存法のように思える。だがここは魔法の研究開発により栄えたと言われるサペリオン王国で一番の魔法学校の寮である。食料庫自体が巨大な魔道具であり、中は食材の保存に適した温度に保たれている。と言うかぶっちゃけ冷蔵庫だ。

 サペリオン王国ないなら余程の田舎でもない限り各家庭に最低でも小型の冷蔵庫(の形をした魔道具)があるらしい。

 ちなみに我がガーデランド家の冷蔵庫はオフィーリアの自作で、ここよりも更に大きく高性能だ。


「ではサペリオン王国で一般的な食材から紹介していきましょうか」


「はい、お願いします」


 主食である麦類や芋類、一般に流通している肉や野菜、冒険者ギルドから食材を仕入れている店で稀に買える魔物の肉などを紹介しつつ、味やポピュラーな調理法を紹介する。

 特に魔物の食材などは扱いが難しいものが多いので注意が必要だ。


「やはりレイバナ国とは違う食材が多いのですね。それにこの食料庫も。こんな大きな魔道具があるなんて、思いもしませんでした」


「この魔道具のお陰で食材の保存が出来るので、傷みやすい食材には不可欠な魔道具ですね。例えばこれなど」


 食料庫の一角から一つの果物を手に取る。それは二つの実がそれぞれ黄色と白に分かれたサクランボだった。このサクランボは前世の世界のものより多少丈夫なようだが、それでも長期保存出来るような物じゃない。


「これはジェミナスチェリーと言うのですが、食料保存の魔道具が発明されるまでは全く流通していなかったそうです」


 けれど現在の魔道具でも長距離輸送は不可能なので、産地に近い場所でしか入手出来ない。イングラウロは近い部類なのでまだ手に入る方だ。


「やはりサペリオン王国に来て良かったです。とても勉強になります」


 熱心に聞いてくれるリューカは俺にとっても教え甲斐がある。だけれど少し長居しすぎただろうか。彼女は笑いながらも両手の指を擦り合わせていた。

 自分が寒さに鈍いからつい忘れがちだが、冷蔵庫の中にい続けては身体に障る。

 俺はさり気無く説明を切り上げて食料庫から出た。


「ナタリアさん、ありがとうございます。とても勉強になりました」


「お役に立てたのならば僥倖です」


 ところで実は先程のジェミナスチェリーを少々くすねておいたのだが、これも厨房に携わるものの役得だ。


「せっかくですし、ささやかながらおやつにしましょう」


 ジェミナスチェリーをシンクで洗い、その一組の黄色と白の実を()()()口に放り込む。実を噛み砕くと、特有の強烈な味が口の中に広がった。


「リューカさんもどうぞ」


「まぁ、ナタリアさんたら」


 ジェミナスチェリーのもう一組を手渡すと、リューカは苦笑しながらも嬉しそうに受け取ってくれた。

 そして丁寧にへたを取り、()()()()()口に運んだ。


「あ、リューカさん、これは」


「っ~~~~~~!」


 遅かった。

 ジェミナスチェリーは黄色い実をポルックス、白い実をカストルと呼び分けられている。この二つの違いは色だけではない。


「リューカさん、黄色の実も食べてください!」


「っ~!」


 慌てながらも黄色い実を口にしたリューカは徐々に落ち着きを取り戻した。


「すみません。説明が遅れました。ジェミナスチェリーは黄色い実が甘く、白い実が酸っぱいので、二つ同時に食べると丁度良くなるのです」


「そ、そうだったのですね…」


 リューカはハンカチを取り出し目尻に浮かんだ涙を拭う。


「お口直しにもう一つどうぞ」


「ありがとうございます」


 リューカが受け取ったもう一組のジェミナスチェリーを口に入れると、今度は正しい味わい方が出来たからか、嬉しそうに顔を綻ばせた。

 うん、良かった。




突然の《オリビアビジョン開始》


 クリスと別れて帰ってきたら、寮の厨房でナタリアとリューカさんが仲良さそうにしていた。


「お口直しにどうぞ」


「ありがとうございます」


 ナタリアのあげたジェミナスチェリーをリューカさんは美味しそうに食べて、それを見たナタリアは優しく笑っていた。


『ナタリアさんがリューカさんを好きになっちゃうかもね』


 途端にさっきのエイミーの台詞を思い出した。


 まさか、本当に…?


『あー、そこまで妄想し(考え)てるならもう押し倒して既成事実作るなりしちゃいなさいよ』


 迷ってる暇なんて無い。

 自分の気持ちはすぐに伝えないと。

 そうと決ったら即行動よね!


《オリビアビジョン終了》




 突然背後から衝撃を受け左右から伸びた手が俺の胸を鷲掴みにする。


「うっ……ああ、もう」


 やれやれ、またルリか。

 こいつ自分の主人の前でも自重しないな。

 そう思いながら顔だけ振り返ると、予想していなかった顔が見えた。


「お嬢様?」


 何と背後から俺の胸を掴んでいるのはオリビアだった。

 うーん、入学したての頃は良く抱き着いてきてたけど最近はそれも減ってきてたのにどうしたんだろう?


「ナタリア」


 黒曜石のような瞳に真っ直ぐ見詰められ、思わず萎縮してしまった。オリビアの顔なんていつも見てる筈なのに。


「は、はい、なんでしょう?」


 もしかしてリューカにジェミナスチェリーの説明が遅れたところを見られていたのか。だとしたら失態だな。こんな些細な事で嫌われたりはしないだろうけど、やっぱり良いものではない。


 ふにっ


 ん?


 変な感触に目を向ける。


 ふにっふにっ


 オリビアは俺を抱き着きつつ、脇から回した手で胸を揉んでいた。


「え? えぇ?」


 抱き着かれた事は今までもあったが、こんな事は無かった。身体を拭いてもらったときだって、俺が勝手に変な気分になっただけで、オリビアは目覚めたばかりの俺を気遣ってくれていたのに、なのになんで今はこんな触り方をしてるんだ?


「ナタリアは私のメイド、つまり私のものよね?」


 耳を撫でるオリビアの吐息がくすぐったくて背筋が震える。

 駄目だ。変な気を起こすな。


「は、はい。私はお嬢様のものです」


 オリビアはオフィーリアの娘で、俺はオリビアに仕えるメイドなんだ。

 一時の感情に流されて信頼を裏切るわけにはいかない。


「そう。じゃあ、今から私がする事、受け止めてくれるわよね?」


 オリビアが片手を胸から離しスカート越しの太腿へと伸ばす。


 いや、ちょっと待って。

 それどういう意味?


「もう我慢出来ないわ」


 お、お嬢様溜まってらっしゃるーーーーー!?


「ナタリア、覚悟してね」


「すみません。お邪魔みたいですね」


 そう言ってリューカは口元を隠しながら目を伏せて、俺達の脇を抜けていった。


 え、ちょ、置いてかないで!

 いや、見られるのも恥ずかしいけど、置いて行かれるのもやっぱり困る!


「お嬢様、落ち着いてください。それは一時的な感情と言うか、その、は、話せばわかる!」


「心配しないで。色々本読んで私なりに勉強したから」


「お嬢様、その努力をもう少し学校の勉強に向けて、あ、あああぁぁぁっ! あんっ!」


 オリビアの手で身体をまさぐられ嬌声を漏らしたが、何とか一線を越える前に脱出に成功した。


 ご主人様、貴女の娘はいつの間にか大人の階段を上っていました。

 泣きそう。涙出ないけど。

オリビア「他にナタリアにしたい事? そうねぇ。膝枕に顔を埋めて、ナタリアの匂いを思いっきり嗅いで、恥ずかしがるナタリアの顔を堪能して、そしたらゆっくりベッドに押し倒して、それからメイド服を×××××××て、××××に××××××して、××××で×××××って××××て、××××××××××××××××××××××××」



裏サブタイトル

お嬢様リミッター解除


これでずっとやりたかった『まだ子供だと思ってた相手にセクハラまがいの迫られ方をして戸惑うTS主人公』が書けるぞ!

とか言いつつ次回から新編開始します。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 最高ですね、最高ですね!!(大事な事なので2度言いました)
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