表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
メイド人形はじめました  作者: 静紅
漆黒の魔女
38/250

第三十五話 乙女の大事なところ

ナタリアが達磨状態です。

人形とはいえ苦手な人はご注意ください。


メンテナンスしてるだけだよー、エロくないよー(棒)

 目が覚めると、オフィーリアの私室で椅子に座らされていた。

 最初に起きたときに似てるな。あのときと同じで全裸で、でもあのときと違って両手足が外されてるけど。神経糸から外されてるから全く動けないや。


「あの、ご主人様」


「あら、起きたのね。おはよう、気分はどう?」


「おはようございます。気分は、そうですね。少し頭痛がします」


 寝起き直後だからか、ゴーレムに散々痛め付けられたからか、仄かに頭が痛い。


「修理ついでに内部構造を少し弄ってるから、その影響でしょうね。暫く様子を見て、続くようならまた調整するわ」


「はい、お願いします」


 俺が眠っている間に一体何をされたのだろう?

 聞きたいような聞きたくないような、少し怖いな。


 そういえば俺は森でゴーレムと戦っていた筈だが、結局どうなったんだろう。迂闊に突っ込んで殴られたところまでは覚えているが、そこから先の記憶が朧げだ。もう少し戦っていたような気もするが、はっきりとは思い出せない。


「ご主人様、ゴーレムとミールさんはどうなったのですか?」


 俺が尋ねると、オフィーリアは少し困ったように視線を彷徨わせた。


「そう、やっぱり覚えていないのね」


「何をですか?」


「いえ、いいわ。まずゴーレムは全て破壊したし製作者も死んだから、もう心配無いわ。それにミールも貴女の処置が手早かったから、軽い怪我で済んでるわよ」


 オフィーリアの言葉に俺は内心で胸を撫で下ろす。

 あのときはミールが怪我をして我を忘れてしまったが、大事無いなら良かった。


「それはそうと、貴女、またミールを庇って怪我したのよね。ミールが凄く気にしてたわよ」


「そうですか。次にあったときに謝っておきます。ご主人様にお手数をお掛けして申し訳ありません」


 ミールは優しいから、庇われる事に負い目を感じているのだろう。

 けれどこれはティラノガビアルから庇ったときから変わらない考えだ。どうせ俺は痛みを感じないし、壊れてもオフィーリアに直してもらえる。それなら痛みを感じて回復に時間の掛かるミールを助けた方が、よっぽど効率的な筈だ。


「私が貴女を直すのはいいんだけどね、もう少し気を付けなさいよ。材料だって無限にあるわけじゃないんだから」


「はい」


 そうだった。俺の身体を直すにはオリハルコンと世界樹の幹が必要だった。どちらも最高級素材で、オフィーリアがどれだけ溜め込んでいるかは知らないが、あまり多くは無いだろう。

 直るからいいという考えは危険だ。


「手足の修理が終わったから、取り付けるわよ」


 オフィーリアは神経糸を接続し、手足を繋いでくれる。徐々に通い始めた魔力の感覚が戻ってくる。

 眠っていた手足が少しずつ目を覚ますようだ。

 けどこいつらは寝起きが悪いのか、まだ動いてはくれない。



「どうかしら?」

「まだ動きません。時間が経てば大丈夫だと思いますが」


「そう。じゃあ魔導核の整備もしてしまいましょうか」


 俺の魔導核は一般に出回っているものとは違う、半永久機関だ。

 普通の魔導核は予め込めておいた魔力を放出するだけだが、俺の魔導核はそれ自体が魔力を生み出す事が出来る。その代わり魔導核の周辺に魔力の滓が溜まるようになっているので、定期的な掃除が必要なのだ。


「あの、ご主人様、それはどうしてもしないといけませんか?」


 だがこの掃除は、正直あんまり好きじゃない。


「今回かなり無茶をしたみたいだし、かなり溜まってると思うわよ。そのままにしてると稼動効率が落ちるんだから、ちゃんとしておかないと困るのは貴女よ」


 それは解っているのだが、あれは何とも気恥ずかしいと言うか、怖いと言うか。


「ほら、いつもみたいにすっぱり覚悟決めなさいな」


 オフィーリアが俺の乳房の間に指を添えると、肌に魔法陣が浮かび上がる。


「っ…」


 痒いような痛いような、不思議な感覚が湧き上がる。

魔法陣が弾け、俺の胸に小さな扉が開く。これは普段は肌と一体化していて見えないが、俺自身と主人であるオフィーリアだけが開ける心臓部の扉だ。

 そしてこの心臓部が問題だ。


「じゃあ始めるわよ」


 オフィーリアが手にしたピンセットで大きな滓の塊を取り除く。


「あっ、ん…」


 以前は開いて指を入れられただけで放心してしまった。

 二回目ともなれば大丈夫、なんて事は全く無い。

 歯を食い縛っていないと、容易く意識を持っていかれる。


「大きいのは取れたわね」


 終わったのか?

 そう思った俺の希望を、オフィーリアは易々と打ち砕いた。


「じゃあ次は細かい滓を取るわね」


「ひっ」


 オフィーリアの手には小さなブラシが握られていた。

 ブラシが容赦無く挿入される。


「ひぁっ、ご、ご主人さまっ!」


「我慢しなさい。必要な事なんだから」


「うぅ」


「あら、ちょっとここにこびり付いてるわね」


「ぅっ。ああっ!」


「もうちょっと」


「ひあっ、いっ、あああぁぁっ!」


「よし、取れたわ」


 俺は弓なりに仰け反りながら、意識を手放した。

オリビア「今すぐ家に帰りたい!」

エイミー「いきなりホームシック?」





ナタリア初めての「悔しいっ、でもっ!(ビクン、ビクン)」は第十二話をご参照ください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 物語がしっかりとしていて読んでいて楽しいところ [気になる点] ちょっとした疑問なんですが魔導人形に使われているオリハルコンや世界樹はそんなに脆いのでしょうか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ